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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


1.2.1 監視マネージャーおよび監視エージェントでサービスを起動する

〈この項の構成〉

(1) 監視マネージャーおよび監視エージェントのサービスを手動で起動する

監視マネージャーおよび監視エージェントで,サービスを手動で起動させるには,jpcspm startコマンドを使用します。

jpcspm startコマンドは,ログインしているホスト上のサービスだけを起動させることができます。リモートホストのPerformance Managementプログラムのサービスは起動できません。なお,ヘルスチェック機能が有効の場合は,PFM - Managerを起動するとヘルスチェックエージェントも起動されます。

  1. サービスを起動させるホストにログインする。

    PFM - Managerのサービスを起動させる場合は,監視マネージャーにログインします。PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseのサービスを起動させる場合は,監視エージェントにログインします。

  2. jpcspm startコマンドを実行する。

    起動させたいサービスを示すサービスキーを指定して,jpcspm startコマンドを実行します。jpcspm startコマンドで指定できるサービスキーを次に示します。

    • jp1pc:ホスト上のすべてのPFM - Manager,PFM - Base,PFM - Agent,およびPFM - RMのサービス

    • Managerまたはmgr:ホスト上のPFM - Managerサービス

    • AHまたはact:ホスト上のAction Handlerサービス

    ホスト上の特定のPFM - AgentまたはPFM - RMサービスを起動させる場合のサービスキーは,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。

    例えば,ローカルホスト上のすべてのPFM - Manager,PFM - Base,PFM - Agent,およびPFM - RMのサービスを起動させる場合は,次のように指定します。

    jpcspm start -key jp1pc

    また,インスタンス環境で運用しているPFM - AgentまたはPFM - RMをインスタンスごとに起動させる場合は,インスタンス名を指定します。

    例えば,PFM - Agent for Oracleで,インスタンス名がoracleAというPFM - Agent for Oracleのサービスを起動させる場合は,次のように指定します。

    jpcspm start -key Oracle -inst oracleA

(2) 監視マネージャーおよび監視エージェントのサービスの自動起動を設定または解除する(Windowsの場合)

インストール時のデフォルトでは,システムの起動時にサービスが自動で起動されるように設定されています。ただし,PFM - Agent for Service Responseの一部のサービスは自動で起動されるように設定されません。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management - Agent Option for Service Response」の起動と終了について説明している章を参照してください。

なお,システムの起動時に,処理負荷などの影響で自動起動処理がタイムアウトし,Performance Managementプログラムのサービス起動に失敗した場合は,自動起動を解除し,jpcspm startコマンドを実行してサービスを起動してください。

自動起動の解除および自動起動の設定方法を次に示します。

  1. 監視マネージャーまたは監視エージェントにログインする。

  2. Windowsの[サービス]を選択する。

  3. [サービス]ダイアログボックスでPerformance Managementプログラムのサービスを選択し,プルダウンメニューから「プロパティ」を選択する。

  4. サービスのプロパティダイアログボックスの「スタートアップの種類」を設定する。

    自動起動を解除する場合:「手動」に設定します。

    自動起動を設定する場合:「自動」に設定します。

  5. [OK]ボタンをクリックする。

    サービスのプロパティダイアログボックスが閉じます。

Performance Managementプログラムのサービスについてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」付録の,Performance Managementのサービス名とWindowsのサービス名との対応について説明している個所を参照してください。

重要

Performance Managementプログラムのサービスは,通常,システムアカウントで動作します。変更するとサービスが正常に動作しないことがあります。

マニュアルで設定変更を推奨しているサービス以外は,サービスのアカウント設定を変更しないでください。

なお,PFM - Base,PFM - Manager,およびPFM - Web Consoleのサービスは,すべてシステムアカウントで動作します。

PFM - AgentまたはPFM - RMに関しては,各PFM - AgentまたはPFM - RMのマニュアルを参照してください。

(3) 監視マネージャーおよび監視エージェントのサービスの自動起動を設定または解除する(UNIXの場合)

インストール時のデフォルトでは,システムの起動時にサービスが自動で起動されるように設定されていません。

システムの起動時にサービスを自動で起動させるには,PFM - Web Console以外のPerformance Management用のサービス自動起動スクリプトファイル(jpc_start)をインストールフォルダに格納します。サービスの自動起動を解除するには,格納したjpc_startファイルを削除します。

補足

重要
  • 次の環境では,サービスの自動停止だけを単独で設定できません。サービスの自動停止を有効にする場合は自動起動も有効に設定する必要があります。また,サービスの自動起動を無効にする場合は自動停止も無効に設定する必要があります。

    ・CentOS 7以降

    ・Linux 7以降

    ・Oracle Linux 7以降

    ・SUSE Linux 12以降

  • 次の環境でサービスの自動起動および自動停止を設定している場合,jpcspm startコマンドでサービスを起動すると,OS停止時にサービスが正常に自動停止されません。

    ・CentOS 7以降

    ・Linux 7以降

    ・Oracle Linux 7以降

    ・SUSE Linux 12以降

    自動停止させたい場合は,systemctlコマンドですべてのPerformance Managementのサービスを再起動してください。または,jpcspm startコマンドで起動したサービスを,jpcspm stopコマンドを実行して手動で停止してください。

    systemctlコマンドでサービスを再起動する場合の実行例を次に示します。

    > systemctl stop jp1_pc

    > systemctl start jp1_pc

  • 次の環境でサービスの自動起動だけを設定する場合,OS停止時にPerformance Managementサービスの停止失敗のメッセージがsyslogに出力されます。このメッセージの出力は抑止できません。なお,サービスの自動停止も合わせて設定すると,このメッセージは出力されなくなります。

    ・CentOS 7以降

    ・Linux 7以降

    ・Oracle Linux 7以降

    ・SUSE Linux 12以降

サービスの自動起動の設定手順を次に示します。

  1. サービスの自動起動を設定するホストにログインする。

  2. 次のコマンドを実行して,/opt/jp1pcディレクトリに移動する。

    cd /opt/jp1pc
  3. Performance Managementシステム用のサービス自動起動スクリプトファイルを設定する。

    • サービス自動起動スクリプトの.modelファイル名:jpc_start.model

    • サービス自動起動スクリプトファイル名:jpc_start

    サービス自動起動スクリプトの.modelファイルをサービス自動起動スクリプトファイルにコピーし,実行権限を与えます。次のように指定してコマンドを実行します。

    cp -p jpc_start.model jpc_start
    chmod 555 jpc_start
  4. AIX用の自動起動スクリプトファイルを登録する(AIXの場合だけ)。

    手順3で設定したPerformance Managementシステム用のサービス自動起動スクリプトファイルを実行させるために,Performance Managementでは,AIX用の自動起動スクリプトファイルを提供しています。この自動起動スクリプトファイルをAIXの設定ファイルに登録してください。

    メモ

    自動起動を設定して運用していた環境で,一度自動起動の設定を解除し,再度自動起動を設定する運用に戻す場合,AIX用の自動起動スクリプトファイルをAIXの設定ファイルに登録済みの環境であれば,再度登録する必要はありません。

    • 自動起動スクリプトファイル名:/etc/rc.jp1_pc

    • 設定ファイル名:/etc/inittab

    1. mkitabコマンドを使用して,/etc/rc.jp1_pcファイルを/etc/inittab設定ファイルに登録する。

     mkitab "jp1pc:2:wait:/etc/rc.jp1_pc >/dev/console 2>&1"

    2. lsitabコマンドを使用して,/etc/inittab設定ファイルに/etc/rc.jp1_pcファイルが登録されていることを確認する。

     lsitab jp1pc
     jp1pc:2:wait:/etc/rc.jp1_pc >/dev/console 2>&1

    mkitabコマンドでファイルを登録すると,/etc/inittab設定ファイルの最下行に登録されます。/etc/inittab設定ファイルに,アクション実行で連携するプログラムがすでに登録されている場合,その行よりもあとになるように,/etc/inittab設定ファイルを編集してください。

    また,/etc/inittab設定ファイルに登録された行は,アンインストール時に削除されません。

    アンインストール時は,次の手順で登録を解除してください。

    1. rmitabコマンドを使用して,/etc/rc.jp1_pcファイルの/etc/inittab設定ファイルへの登録を解除する。

     rmitab jp1pc

    2. lsitabコマンドを使用して,/etc/inittab設定ファイルに/etc/rc.jp1_pcファイルが登録されていないことを確認する。

     lsitab jp1pc

サービスの自動起動の解除手順を次に示します。

重要

自動起動を設定して運用していた環境で,一度自動起動の設定を解除し,再度自動起動を設定する運用に戻す場合,サービスの自動起動の設定手順を実施する必要があります。

  1. サービスの自動起動の設定時に格納したjpc_startファイルを削除する。

  2. サービスの自動停止を設定している場合はサービスの自動停止を解除する。

    次の環境の場合だけ,「1.3.1(3) 監視マネージャーおよび監視エージェントのサービスの自動停止を設定または解除する(UNIXの場合)」のサービスの自動停止の解除手順を実施して,サービスの自動停止を無効にしてください。

    • CentOS 7以降

    • Linux 7以降

    • Oracle Linux 7以降

    • SUSE Linux 12以降