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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


4.3.5 PFM - AgentまたはPFM - RMの監視ホスト名の変更手順

PFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視ホスト名を変更する場合,次のホストでの作業が必要です。

作業の流れを次の図に示します。

図4‒6 PFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視ホスト名を変更する流れ

[図データ]

作業手順を,図中の手順番号に沿って次に示します。

  1. ホスト名を変更するPFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視を一時停止する。

    ホスト名変更の操作中のヘルスチェックイベントを抑止したい場合は,PFM - Managerホストのjpctool monitor suspendコマンドまたは監視コンソールを使用して,ホスト名を変更するPFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視を一時停止します。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

    監視の一時停止の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,監視の一時停止および再開について説明している章を参照してください。

  2. 変更後のホスト名を指定して監視を一時停止する。

    手順1で監視を一時停止させた場合,あわせて変更後のホスト名を指定して監視を一時停止する必要もあります。

    この場合,PFM - Managerホストのjpctool monitor suspendコマンドの-forceオプションを使用してください。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

  3. PFM - AgentまたはPFM - RMの設定を削除する。

    ホスト名を変更するPFM - AgentまたはPFM - RMホストのエージェント定義の削除(エージェント階層の管理フォルダからの削除,アラームテーブルの関連づけの削除)を,PFM - Web Consoleから実施します。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

    エージェントの定義を変更する手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,エージェントの監視について説明している章,およびアラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。

  4. PFM - AgentまたはPFM - RMホストでサービスを停止する。

    ホスト名を変更するPFM - AgentまたはPFM - RMホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止します。サービスの停止にはjpcspm stopコマンドを使用してください。

  5. PFM - AgentまたはPFM - RMホストで監視ホスト名を変更する。

    jpcconf host hostmodeコマンドを実行して,監視ホスト名の取得方法を変更します。監視ホスト名の取得方法をエイリアス名(aliasA)に変更する場合のコマンドの実行例を次に示します。

    jpcconf host hostmode -mode alias -aliasname aliasA -d d:\backup -dbconvert convert

    jpcconf host hostmodeコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

    メモ

    jpcconf host hostmodeコマンドの-dオプションに指定するフォルダには,目安として,指定したホストに存在するPFM - AgentおよびPFM - RMのStoreデータベース容量およびインポートディレクトリにあるデータベース容量の合計と同量の空きディスク容量が必要です。ただし,Storeデータベースの格納先ディレクトリおよびインポートディレクトリを変更している場合,変更後のディレクトリのデータベース容量を基に,必要なディスク容量を算出してください。

    例えば,指定したホストに,PFM - Agent for PlatformおよびPFM - Agent for Oracleがある場合,それぞれのStoreデータベースの容量およびインポートディレクトリにあるデータベース容量を合計した値の空きディスク容量が必要となります。なお,PFM - ManagerのMaster StoreサービスのStoreデータベースの容量は合計に含める必要はありません。

  6. 必要に応じて,Performance Managementのシステム内で変更後のホスト名で名前解決できるようにjpchostsファイル,hostsファイル,およびDNSの設定を変更する。

  7. 必要に応じて,PFM - Agent固有の手順を実行する。

    表4‒11 PFM - Agent固有の手順の要否

    構成

    手順の要否と参照先

    監視ホスト名を変更するのが,PFM - Agent 09-00以降の場合

    PFM - Agent固有の手順の要否は,PFM - Agentごとに異なります。PFM - Agent固有の手順については,各PFM - Agentマニュアルの,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

    監視ホスト名を変更するのが,PFM - Agent 09-00未満の場合

    次のPFM - Agentの場合

    • PFM - Agent for Cosminexus

    • PFM - Agent for Domino

    • PFM - Agent for Enterprise Applications

    • PFM - Agent for Microsoft SQL Server

    PFM - Agent固有の手順が必要です。固有の手順については「4.3.7 監視ホスト名変更の際に必要に応じて実施するPFM - Agent固有の手順」を参照してください。

    上記以外の場合

    PFM - Agent固有の手順は不要です。

    PFM - Agent固有の手順が必要な場合は,表の参照先に示された手順を済ませてから次の手順に進んでください。

  8. PFM - Managerホストでサービス情報を削除する。

    PFM - AgentまたはPFM - RMホストのホスト名を変更しても,変更前のホスト名が付けられたPerformance Managementプログラムのサービス情報は変更されないため,PFM - Managerホストで不要な情報を削除する必要があります。監視二重化の構成の場合,プライマリーとセカンダリーの両方で実施します。

    削除対象のサービス情報の種類と確認方法を次に示します。

    変更前のホスト上のサービス情報

    次のコマンドで表示される項目すべてが削除対象です。

    jpctool service list -id * -host 変更前のホスト名

    サービスIDに変更前のホスト名を含むサービス情報

    次のコマンドで表示される項目のうち,[Service ID]列に変更前のホスト名を含むものが削除対象です。

    jpctool service list -id *

    サービス情報は,jpctool service deleteコマンドを使用して削除します。

    変更前のホスト上にあるサービス情報は,次に示すコマンドで削除します。

    jpctool service delete -id * -host 変更前のホスト名

    また,サービスIDに変更前のホスト名を含むサービス情報は,次に示すコマンドで削除します。

    jpctool service delete -id ???変更前のホスト名 -host 変更後のホスト名

    なお,コマンド実行時にKAVE05233-Wメッセージが出力され,サービス情報の削除に失敗する場合,次のように指定してコマンドを再実行してください。

    jpctool service delete -id * -host 変更前のホスト名 -force
    jpctool service delete -id ???変更前のホスト名 -host 変更後のホスト名 -force
    メモ

    jpctool service listコマンドでは,DB上に残っている,変更前のホスト名を含む古いサービス情報が表示されない場合があります。このようなサービス情報も,DB上から削除する必要があるため,ここで示したjpctool service deleteコマンドは必ず実行してください。

    各コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

  9. PFM - Managerのサービス情報を反映する。

    PFM - Web Consoleにサービス情報の削除を反映するため,PFM - ManagerPFM - Web Consoleのサービス情報を同期します。サービス情報を同期するにはjpctool service syncコマンドを使用してください。

    監視二重化の構成の場合,プライマリーとセカンダリーの両方で実施します。

    jpctool service syncコマンドで同期したサービス情報が反映されるタイミングは,PFM - Web Consoleのバージョンによって異なります。jpctool service syncコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  10. PFM - AgentまたはPFM - RMホストでサービスを起動する。

    ホスト名を変更したPFM - AgentまたはPFM - RMホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。サービスの起動にはjpcspm startコマンドを使用してください。

  11. 必要に応じて,業務グループの構成を変更する。

    ホスト名を変更したPFM - AgentまたはPFM - RMホストが,業務グループに割り当てられている場合は,業務グループの構成を変更する必要があります。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

    手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,ユーザーアカウントと業務グループの管理について説明している章を参照してください。

  12. 必要に応じて,手順3の定義を再設定する。

    ホスト名を変更したPFM - AgentまたはPFM - RMの定義(手順3で削除した定義)を再設定します。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

  13. アラームの設定を更新する。

    次の場合,PFM - Managerホストのjpctool alarmコマンドまたは監視コンソールを使用して,アラームの設定を更新する必要があります。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

    • アクションの実行先アクションハンドラにPFM - AgentまたはPFM - RMホストのアクションハンドラを指定している場合

      アラームを編集して,アクションを実行するアクションハンドラとして「PH1<変更後のPFM - AgentまたはPFM - RMホスト名>」を設定してください。

    アラーム編集方法の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,アラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。

  14. JP1システムイベントの設定を更新する。

    次のどちらかの条件を満たす場合,PFM - Web ConsoleからJP1システムイベントの設定を更新する必要があります。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

    • 変更前のホスト名を,JP1システムイベントのJP1/Base接続先のイベントサーバ名に指定している。

    • 変更前のホスト名を,JP1システムイベントの監視コンソールのホスト名に指定している。

    JP1システムイベントの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,統合管理製品(JP1/IM)と連携した稼働監視について説明している章を参照してください。

  15. 変更前のホスト名を指定して監視を再開する。

    手順1で監視を一時停止した場合,変更前のホスト名に関する監視の一時停止の設定情報を削除するため,変更前のホスト名を指定して監視を再開する必要があります。

    この場合,PFM - Managerホストのjpctool monitor resumeコマンドの-forceオプションを使用してください。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

  16. ホスト名を変更したPFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視を再開する。

    手順2で監視を一時停止した場合,PFM - Managerホストのjpctool monitor resumeコマンドまたは監視コンソールを使用して,PFM - AgentまたはPFM - RMホストの監視を再開します。

    監視二重化の構成の場合,プライマリー側で実施します。

  17. プライマリーとセカンダリー間で定義情報を一致させる。(監視二重化の場合)

    プライマリーから二重化用の定義情報をエクスポートしたあとで,セカンダリーにインポートし,プライマリーとセカンダリー間で定義情報を一致させます。

    定義情報を一致させる手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の定義情報の二重化について説明している個所を参照してください。

  18. 設定変更後の確認を実施する。

    設定変更後は,次の確認をしてください。

    • パフォーマンスデータの収集

      パフォーマンスデータの収集間隔(Collection Interval)に指定している時間の2倍以上の期間は,稼働させて問題なく収集できるか確認します。

    • jpcrptコマンドの実行

      収集したパフォーマンスデータが問題なく出力できるか確認します。

    • レポート定義およびアラーム定義の確認

      Webブラウザで作成したレポート定義およびアラームの定義が問題ないか確認します。

    • アクション実行の確認

      作成したアラームのアクション実行が問題なく実行できるか確認します。