3.3.5 インスタンス単位での稼働状態監視の考慮事項
- 〈この項の構成〉
(1) アラームイベントで通知元インスタンスを特定できるようにする
インスタンス単位で稼働状態を監視する場合,アラームイベントのメッセージテキストにアラーム通知元のインスタンスを特定する情報が出力されるように,アラームを定義してください。
アラームの定義方法を,例を使って説明します。
監視対象がPFM - Agent for Platform(Windows)で,ディスクの空き領域が30%を下回ったときに警告のアラームを通知し,10%を下回ったときに異常のアラームを通知したい場合,どのインスタンスで発生した事象かアラームイベントでわかるようにするには,次のようにアラームを定義します。
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アラームの基本情報を設定する画面でアラームメッセージテキストを次のように設定する。
[アラームメッセージテキスト]:Disk %CVS1※:Available disk space is %CVS2%
注※ %CVS1には,手順2で指定するアラーム条件式のうち1つ目の条件に指定したフィールドの測定値が出力されます。
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アラーム条件式を設定する。
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1つ目の条件
インスタンスが特定できる情報を出力するために,インスタンス名を表すフィールドを参照するように条件を指定します。
[レコード]:PI_LOGD
[フィールド]:ID※
[条件]:=
[異常値]:*
[警告値]:*
注※ PI_LOGDレコードのキーフィールド(=インスタンスを特定できる情報)
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2つ目の条件
%CVS2に出力されるディスク空き領域の警告および異常の条件を指定します。
[レコード]:PI_LOGD
[フィールド]:% Free Space
[条件]:<
[異常値]:10
[警告値]:30
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このように定義すると,メッセージテキストの%CVS1変数には論理ディスクのボリューム名が,%CVS2変数には% Free Spaceの測定値が出力されます。
メッセージテキストの出力例:Disk C::Available disk space is 29.0123%
(2) JP1イベントで通知元インスタンスを確認できるようにする
統合管理製品(JP1/IM)と連携して稼働状態を監視しており,インスタンス単位で稼働状態を監視する場合,JP1イベントのメッセージ欄にインスタンスを特定する情報が出力されるように,アラームを定義してください。
JP1/IM(JP1イベント)で通知元インスタンスを確認できるように定義する場合を,例を使って説明します。
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アラームを定義する。
定義の内容は,「3.3.5(1) アラームイベントで通知元インスタンスを特定できるようにする」と同じです。
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JP1イベントの設定では,メッセージを次のように指定し,JP1イベントのメッセージ欄にアラームメッセージテキストと同じ内容が出力されるようにする。
[メッセージ]:%MTS
(3) アラームイベントからインスタンスの状態の確認
アラーム定義に,アラーム条件式で参照しているのと同じフィールドを表示するように指定したレポートを関連づけておくと,インスタンスの状態を確認するのに便利です。
「3.3.5(1) アラームイベントで通知元インスタンスを特定できるようにする」の例を使って説明します。PI_LOGDレコードの% Free SpaceとIDフィールドをアラーム条件式で参照しているアラームに対しては,PI_LOGDレコードの% Free SpaceとIDフィールドの値を表示するレポートを関連づけておきます。