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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


3.3.4 アラームの通知方法

アラーム通知には,状態が変化したときにアラーム通知する設定と,常にアラーム通知する設定の2種類があります。

〈この項の構成〉

(1) 状態が変化したときにアラーム通知する

監視対象の状態が変化したときにだけアラーム通知する場合は,この通知方法を選択します。

(a) 通知対象を「アラームの状態変化」とする場合

アラームの作成時または編集時に[状態が変化したときに通知する]と[アラームの状態変化]のラジオボタンをオンに設定すると,アラームの状態が変化したときにアラームイベントを通知します。ここでは,次の設定を例に説明します。

項目

詳細項目

設定値

基本情報

状態が変化したときに通知する

オン

アラームの状態変化

オン

すべてのデータを評価する

チェックなし

レコードのインスタンスごとの状態変化

オフ

常にアラーム通知する

オフ

アラーム条件式

レコード

Logical Disk Overview(PI_LOGD)

異常条件

ID="*"

AND % Free Space < "10"

警告条件

ID="*"

AND % Free Space < "30"

アラームの状態とは,アラーム定義の条件式に指定された条件でレコードをインスタンスごとに評価した結果のうち最も重要度の高い状態です。

図3-24 アラーム状態の監視(ディスク監視の例)」にディスクの稼働状態を監視した場合のアラーム通知例を示します。この例では,ディスクのパフォーマンスデータを収集したレコードに,2つのインスタンス(Cドライブ,Dドライブ)のパフォーマンスデータが格納されています。

Cドライブの異常を検知した時点で,アラームの状態が「異常」になり,アラームが通知されます。そのあとDドライブが異常状態になっても,ディスクを監視するアラームの状態がすでに「異常」になっているため,アラームは通知されません。Dドライブが「正常」に戻っても,アラームの状態が異常状態から変わらないため,アラームは通知されません。Cドライブ,Dドライブがともに「正常」に戻ったときに,アラームの状態が「正常」となり「正常」のアラームイベントが通知されます。

図3‒24 アラーム状態の監視(ディスク監視の例)

[図データ]

(b) 通知対象を「レコードのインスタンスごとの状態変化」とする場合

アラームの作成時または編集時に[状態が変化したときに通知する]と[レコードのインスタンスごとの状態変化]のラジオボタンをオンに設定すると,レコードのインスタンス単位で状態が変化したときにアラームイベントを通知します。ここでは,次の設定を例に説明します。

項目

詳細項目

設定値

基本情報

状態が変化したときに通知する

オン

アラームの状態変化

オフ

すべてのデータを評価する

チェックなし

レコードのインスタンスごとの状態変化

オン

常にアラーム通知する

オフ

アラーム条件式

レコード

Logical Disk Overview(PI_LOGD)

異常条件

ID="*"

AND % Free Space < "10"

警告条件

ID="*"

AND % Free Space < "30"

ディスクの稼働状態を監視する例を説明します。この例では,ディスクのパフォーマンスデータを収集したレコードに,2つのインスタンス(Cドライブ,Dドライブ)のパフォーマンスデータが格納されています。インスタンス単位で稼働状態を監視する場合,Cドライブの異常を検知した時点で,アラームの状態として「異常」が通知されます。そのあとにDドライブの異常を検知すると,アラームの状態がすでに「異常」になっていても,インスタンスの状態が変化しているため,再度「異常」のアラームが通知されます。インスタンスの状態が「正常」に戻ったときにもアラームが通知されます。

図3‒25 インスタンス単位での監視(ディスク監視の例)

[図データ]

この機能を使用する場合,前提となる製品のバージョンは次のとおりです。

  • PFM - Managerは10-10以降

  • PFM - Baseは10-10以降

  • PFM - Web Consoleは10-10以降

  • PFM - AgentとPFM - RMは10-00以降

注※

インスタンス単位で通知するアラームをバインドする場合。

メモ

「レコードのインスタンスごとの状態変化」は,1つのアラームで複数の監視対象(インスタンス)を監視する場合に設定します。詳細な設定例については,「3.3.5 インスタンス単位での稼働状態監視の考慮事項」を参照してください。

また,インスタンスごとにアラーム条件式を設定したアラームを複数作成する場合は,「レコードのインスタンスごとの状態変化」ではなく「アラームの状態変化」を設定してください。「レコードのインスタンスごとの状態変化」を設定すると,各アラームに対してすべてのインスタンスの状態の確認処理が実行されるため,アラームの数が増えるほどアラーム評価に時間が掛かります。

(2) 常にアラーム通知する

アラームの作成時または編集時に[常にアラーム通知する]のラジオボタンをオンに設定すると,アラームを評価するごとに,異常または警告条件に該当するレコードのインスタンスがあれば,アラームイベントを通知します。ここでは,次の設定を例に説明します。

項目

詳細項目

設定値

基本情報

状態が変化したときに通知する

オフ

アラームの状態変化

オフ

すべてのデータを評価する

チェックあり

レコードのインスタンスごとの状態変化

オフ

常にアラーム通知する

オン

アラーム条件式

レコード

Logical Disk Overview(PI_LOGD)

異常条件

ID="*"

AND % Free Space < "10"

警告条件

ID="*"

AND % Free Space < "30"

図3‒26 常にアラームの状態を監視(ディスク監視の例)

[図データ]