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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


3.2.7 Storeバージョン2.0の導入の流れと手順

図3‒22 Storeバージョン2.0の導入から運用の流れ

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) PFM - Agentのバージョン08-10以降またはPFM - RMを新規インストールする場合

新規インストールを実施して,Storeバージョン2.0で運用を始めるまでの手順について説明します。

  1. システムリソース見積もりと保存期間の設計

    Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。

    • ディスク容量

    • ファイル数

    • 1プロセスがオープンするファイル数

    これらの値は保存期間の設定によって調節できます。実行環境が保有しているリソースを考慮して保存期間を設計してください。システムリソースの見積もりについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの付録に記載されているシステム見積もりについての説明を参照してください。

  2. ディレクトリの設定

    StoreディレクトリなどAgent StoreおよびRemote Monitor Storeサービスが使用するディレクトリをデフォルトから変更する必要がある場合に設定してください。ディレクトリの設定は,jpcconf db defineコマンドで実行します。

  3. 保存期間の設定

    手順1の見積もり時に設計した保存期間を設定してください。Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。

(2) Storeバージョン1.0から移行する場合

Storeバージョン1.0から移行して,Storeバージョン2.0で運用を始めるまでの手順について説明します。

  1. システムリソース見積もりと保存期間の設定

    Storeバージョン2.0の導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているか確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。

    • ディスク容量

    • ファイル数

    • 1プロセスがオープンするファイル数

    これらの値は保存期間の設定によって調節できます。実行環境が保有しているリソースを考慮して保存期間を設定してください。システムリソースの見積もりについては,リリースノートを参照してください。

  2. パフォーマンスデータのバックアップ

    Storeバージョン1.0のデータをバックアップしてください。

  3. ディレクトリの設定

    Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのディレクトリ設定では,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。このため,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を見直す必要があります。Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定はjpcconf db defineコマンドを使用して表示・変更できます。

    Storeバージョン2.0は,Storeデータベースの作成先ディレクトリやバックアップ先ディレクトリの最大長がStoreバージョン1.0と異なります。Storeバージョン1.0でディレクトリの設定を相対パスに変更している場合,絶対パスに変換した値がStoreバージョン2.0でのディレクトリ最大長の条件を満たしているか確認してください。Storeバージョン2.0のディレクトリ最大長は214バイトです。ディレクトリ最大長の条件を満たしていない場合は,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を変更したあと,手順4以降に進んでください。

  4. セットアップコマンドの実行

    Storeバージョン2.0に移行するため,jpcconf db vrset -ver 2.0コマンドを実行します。

  5. 保存期間の設定

    手順1の見積もり時に設計した保存期間を設定してください。Agent Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。

(3) 通常の運用

Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスを起動して運用します。通常運用はStoreバージョン1.0のときと同様です。

(4) データのバックアップ

Storeバージョン2.0では,大量の稼働監視データを管理できるため,フルバックアップよりも定期的に部分バックアップ取得する方が効率良くStoreデータベースを運用できます。一週間に一度など,一定の周期で部分バックアップを取得する計画を立ててください。

また,インポート機能を利用してバックアップデータを参照したい場合は,部分バックアップのディレクトリを,インポートして利用したい単位で変更することをお勧めします。1か月程度で変更することを推奨します。

(5) 障害時のデータ採取

Storeバージョン2.0を使用する場合,データベースの容量が大きくなるため,資料採取に時間が掛かります。この場合,次の両方のコマンドを実行して,データベース以外の資料を採取してください。

データベースの容量が大きくない場合は,次のコマンドを実行して,データベースを含む資料を採取してください。

コマンドを実行すると,Storeディレクトリのデータベースが採取されます。なお,環境変数JPC_COLIMPORTが設定されている場合はインポートディレクトリのデータベースも一緒に採取されます。