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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


3.1.1 サービスの概要

Performance Managementは,さまざまな機能を持つプロセスを実行することで,監視エージェントの稼働状況を監視します。Performance Managementのプログラムを構成する,機能ごとのプロセスを「サービス」と呼びます。

図3‒1 Performance Managementのサービスの構成

[図データ]

監視コンソールでPFM - Web Consoleの[サービス階層]画面を選択することで,サービスのプロパティやステータスを確認できます。また,サービスを停止させることもできます。

〈この項の構成〉

(1) サービスの種類

Performance Managementのサービスが持つ機能とサービス名の一覧を次の表に示します。Performance Managementのサービスには,表に示すサービス名のほかにサービスIDが付いています。サービスIDはコマンドの実行や監視コンソールでの表示などに使われます。サービスIDについては,「付録B.1 サービスIDとサービスキーの命名規則」を参照してください。

表3‒1 PFM - Managerのサービス一覧

サービス名

機能

詳細

Name Server

サービス構成情報管理

Performance Managementのサービス情報の登録や更新など,サービス構成情報を管理する。

Master Manager

システム一元管理

PFM - Managerの中核をなすメインサーバ。レポートやアラームの定義情報の管理や,定義情報の配信を実施する。

View Server

監視コンソール通信サーバ

PFM - Web Consoleと接続する場合の通信処理を管理する。

Correlator

アラームイベント配信制御

サービス間のアラームイベント配信を制御する。

Master Store

イベントデータ管理

各PFM - AgentおよびPFM - RMから発行されたイベントデータをStoreデータベースに記録し,管理する。

Trap Generator

SNMPトラップ発行

監視エージェントのデータがしきい値を超えてアラームイベントが発生した場合,SNMPトラップを発行する。

Action Handler

アクション実行

監視エージェントのデータがしきい値を超えてアラームイベントが発生した場合,ユーザーに異常などの状況を通知するアクションを実行する。

Status Server

ステータス管理

Performance Managementのサービスのステータスを管理する。

Agent Collector

ヘルスチェック状態収集

次に示す稼働状態を収集したり,しきい値を監視したりする。

  • PFM - AgentおよびPFM - RMのサービス稼働状態

  • PFM - AgentおよびPFM - RMが稼働するホストの稼働状態

  • PFM - RMの監視対象ホストの稼働状態

PFM - Web Consoleでリアルタイムレポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

Agent Store

ヘルスチェック状態管理

次に示す,収集した稼働情報をStoreデータベースに記録し,管理する。

  • PFM - AgentおよびPFM - RMのサービス稼働状態

  • PFM - AgentおよびPFM - RMが稼働するホストの稼働状態

  • PFM - RMの監視対象ホストの稼働状態

PFM - Web Consoleで履歴レポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

表3‒2 PFM - Web Consoleのサービス一覧

サービス名

機能

詳細

PFM - Web Console

Webアプリケーション実行機能

PFM - Web Consoleのメインサービス。PFM - Managerへの接続や,Webブラウザからの要求を処理する。

PFM - Web Service

httpサーバ機能

Webブラウザとの通信処理を管理する。

表3‒3 PFM - Baseのサービス一覧

サービス名

機能

詳細

Action Handler

アクション実行

監視エージェントのデータがしきい値を超えてアラームイベントが発生した場合,ユーザーに異常などの状況を通知するアクションを実行する。

Status Server

ステータス管理

Performance Managementのサービスのステータスを管理する。

注※

複数のPFM - AgentまたはPFM - RMが同一ホスト上にある場合,そのホスト上にはPFM - Baseのサービスが1つだけ配置されます。

表3‒4 PFM - Agentのサービス一覧

サービス名

機能

詳細

Agent Collector

パフォーマンスデータ収集

監視エージェントのパフォーマンスデータを収集したり,しきい値を監視したりする。PFM - Web Consoleでリアルタイムレポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

Agent Store

パフォーマンスデータ管理

収集したパフォーマンスデータをStoreデータベースに記録し,管理する。PFM - Web Consoleで履歴レポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

表3‒5 PFM - RMのサービス一覧

サービス名

機能

詳細

Remote Monitor Collector

パフォーマンスデータ収集

監視エージェントのパフォーマンスデータを収集したり,しきい値を監視したりする。PFM - Web Consoleでリアルタイムレポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

Remote Monitor Store

パフォーマンスデータ管理

収集したパフォーマンスデータをStoreデータベースに記録し,管理する。PFM - Web Consoleで履歴レポートを表示する場合のデータ処理を実行する。

(2) インスタンス起動について

PFM - AgentまたはPFM - RMによっては監視対象プログラムのインスタンスごとに監視できる製品があります。

注※

このマニュアルでは,インスタンスという用語を2つの意味で使用しています。詳細については,「付録L 用語解説」の「インスタンス」を参照してください。

例えば,PFM - Agent for Oracleでは,SIDを持つOracleインスタンスごとに監視できます。この場合,PFM - Agentのサービスも複数のインスタンスで動作させるために,インスタンス環境を構築する必要があります。

図3‒2 インスタンス起動の例

[図データ]

インスタンスごとに監視できるかどうか,およびインスタンス環境の構築方法については,PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。