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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


付録B.1 サービスIDとサービスキーの命名規則

Performance Managementでは,PFM - Web ConsoleのGUIや各種コマンドを使ってサービスを管理します。サービスを特定するためにサービスIDやサービスキーがあります。ここではサービスIDとサービスキーの命名規則について説明します。

なお,サービスIDとサービスキーの形式は,プロダクト名表示機能が有効か無効かによって異なります。プロダクト名表示機能の詳細については,「3.1.2 サービスの表示・指定方法(プロダクト名表示機能)」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) サービスID

Performance Managementのサービスには,一意のIDが付けられています。このIDを「サービスID」と呼びます。コマンドを使用してPerformance Managementのシステム構成を確認する場合,または個々のエージェントのパフォーマンスデータを退避する場合などに,Performance ManagementのサービスIDを指定してコマンドを実行します。

(a) プロダクト名表示機能が無効な場合

プロダクト名表示機能が無効な場合,サービスIDの形式はサービスに関わらず同一です。サービスIDの構成を次に示します。

図B‒1 サービスIDがPN1001の場合の例

[図データ]

次に,サービスIDのそれぞれの構成要素について説明します。

  • プロダクトID

    プロダクトIDとは,このサービスがPerformance Managementのどのプログラムプロダクトのサービスかを示す1バイトの識別子です。

    PFM - Managerの各サービス,およびAction Handlerサービスの場合,プロダクトIDは「P」です。ヘルスチェックエージェントのプロダクトIDは「0」です。

    各PFM - AgentまたはPFM - RMのプロダクトIDについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,付録に記載されている識別子一覧を参照してください。

  • 機能ID

    機能IDとは,このサービスの機能種別を示す1バイトの識別子です。

    機能IDとその機能IDが示すサービス名および機能の概要を,次の表に示します。

    表B‒1 サービス名と機能ID

    機能ID

    サービス名

    機能概要

    A

    Agent Collector

    パフォーマンスデータを収集する機能。

    Remote Monitor Collector

    リモートエージェント

    グループエージェント

    C

    Trap Generator

    クライアント機能やSNMPトラップを発行する機能。

    E

    Correlator

    サービス間のイベント配信を制御する機能。

    H

    Action Handler

    アクションを実行する機能。

    M

    Master Manager

    Performance Managementのメイン機能。

    N

    Name Server

    システム内のサービス構成情報を管理する機能。

    P

    View Server

    PFM - Web ConsoleとPFM - Manager間の通信サーバ機能。

    S

    Agent Store

    パフォーマンスデータ,イベントデータを管理する機能。

    Remote Monitor Store

    Master Store

    T

    Status Server

    サービスのステータスを管理する機能。

  • インスタンス番号

    インスタンス番号とは,内部処理で使用する,1バイトの管理番号を示す識別子です。

  • デバイスID

    デバイスIDとは,このサービスが起動されている,Performance Managementシステム上のホストなどを示す1〜255バイトの識別子です。デバイスIDは,サービスによって設定される内容が異なります。

    サービス名と設定されるデバイスIDの内容を次の表に示します。

    表B‒2 サービス名とデバイスID

    サービス名

    デバイスIDの設定内容

    Name Server

    「001」固定。

    Master Manager

    「001」固定。

    View Server

    ホスト名が設定される。

    Correlator

    「001」固定。

    Action Handler

    ホスト名が設定される。

    Trap Generator

    ホスト名が設定される。

    Agent Collector

    インスタンス構成でない場合は,ホスト名が設定される。

    インスタンス構成の場合は,インスタンス名[ホスト名]が設定される。

    Remote Monitor Collector

    Agent Store

    インスタンス構成でない場合は,ホスト名が設定される。

    インスタンス構成の場合は,インスタンス名[ホスト名]が設定される。

    Remote Monitor Store

    リモートエージェント

    インスタンス名[監視対象名@Remote Monitor Collectorサービス稼働ホスト名]が設定される。

    グループエージェント

    インスタンス名[グループ名@Remote Monitor Collectorサービス稼働ホスト名]が設定される。

    Master Store

    「001」固定。

    Status Server

    ホスト名が設定される。

(b) プロダクト名表示機能が有効な場合

プロダクト名表示機能が有効な場合,サービスIDの形式はサービスによって異なります。サービス名と設定されるサービスIDの内容を次に示します。

表B‒3 サービス名とサービスID

サービス名

サービスID

Name Server

<Name Server>

Master Manager

<Master Manager>

View Server

<View Server>

Correlator

<Correlator>

Action Handler

デバイスID<Action Handler>

Trap Generator

<Trap Generator>

Agent Collector

デバイスID<プロダクト名>

Remote Monitor Collector

リモートエージェント

グループエージェント

Agent Store

デバイスID<プロダクト名>(Store)

Remote Monitor Store

Master Store

<Master Store>

Status Server

デバイスID<Status Server>

Web Console

<Web Console>

注※

jpctool service listコマンドの出力以外では使用されません。

次に,サービスIDのそれぞれの構成要素について説明します。

  • デバイスID

    デバイスIDとは,このサービスが起動されている,Performance Managementシステム上のホストなどを示す1〜255バイトの識別子です。デバイスIDは,サービスによって設定される内容が異なります。デバイスIDの形式は,プロダクト名表示機能が無効の場合と同じです。デバイスIDに設定される内容については,「表B-2 サービス名とデバイスID」を参照してください。

  • プロダクト名

    PFM - AgentまたはPFM - RMのプロダクト名です。

(2) サービスキー

Performance Managementの各サービスを起動したり停止したりする場合などに,「サービスキー」と呼ばれる識別子を指定してコマンドを実行します。

なお,コマンド実行時に指定するサービスキーには,コマンドを実行するホストのプロダクト名表示機能の設定状態に関わらず,次に示す(a)と(b)のどちらの形式も使用できます。

また,jpcspm startjpcspm stopjpctool service listコマンド実行時にサービスキーを指定するときには,一部のサービスキーの示すサービスが異なります。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,それぞれのコマンドについて説明している章を参照してください。

(a) プロダクト名表示機能が無効な場合

表B‒4 サービスキー一覧(プロダクト名表示機能が無効な場合)

サービスキー

意味

all

すべてのPerformance Managementプログラムのサービスを示す。

同一ホストのPFM - Web Consoleとの起動・停止連携を設定し,jpcspm start,jpcspm stop,jpctool service listコマンド実行時に指定した場合,PFM - Web Consoleサービスを含む。

jp1pc

すべてのPerformance Managementプログラムのサービスを示す。PFM - Web Consoleサービスは含まない。

jpcspm start,jpcspm stop,jpctool service listコマンドの実行時だけ指定できる。

mgr

PFM - Managerサービスを示す(ただし,Action Handlerサービスは除く)。

act

Action Handlerサービスを示す。

stat

Status Serverサービスを示す。

agt0

ヘルスチェックエージェントのサービス(Agent Collector,Agent Store)を示す。

wc

PFM - Web Consoleサービスを示す。

各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。

(b) プロダクト名表示機能が有効な場合

表B‒5 サービスキー一覧(プロダクト名表示機能が有効な場合)

サービスキー

意味

Manager

PFM - Managerサービスを示す(ただし,Action Handlerサービスは除く)。

AH

Action Handlerサービスを示す。

StatSvr

Status Serverサービスを示す。

HC

ヘルスチェックエージェントのサービス(Agent Collector,Agent Store)を示す。

WebConsole

PFM - Web Consoleサービスを示す。

コマンド実行時に指定する場合,大文字,小文字は区別されません。

各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。ただし,08-51以前のPFM - Agentの場合は,「付録B.3 08-51以前のPFM - Agentのサービスキー一覧(プロダクト名表示機能有効時)」を参照してください。