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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


2.4.4 アラームテーブルのバインド方式の検討

Performance Managementでアラームを利用した監視を実行するには,監視エージェントとアラームテーブルを関連づける必要があります。アラームテーブルとは,幾つかのアラームをまとめたものです。この関連づけを「バインド」といいます。

監視エージェントは,バインドされているアラームテーブルに含まれるすべてのアラームについて,条件式を評価し,アラームの定義に応じてPFM - Web Consoleなどにアラームを通知します。通常は,評価の結果,状態の変化があった場合にアラームが通知されます。

すでに監視エージェントにバインドされているアラームテーブルに新しくアラームを追加した場合や,既存のアラームの定義を変更した場合,自動的に新しい定義で評価が行われます。

アラームテーブルのバインド方式には次に示すものがあります。

1つの監視エージェントに対して,複数のアラームテーブルをバインドする場合には,監視エージェントごとにバインドするアラームテーブルの組み合わせを変えることで,監視エージェントごとにアラームの条件を分けられるようになります。例えば,あらかじめDBキャッシュ監視用,CPU使用率監視用,プロセス監視用のアラームテーブルというように監視分類ごとにアラームテーブルを作成しておき,ある監視エージェントにはDBキャッシュ監視用とプロセス監視用のアラームテーブルを組み合わせてバインドしたり,ある監視エージェントにはCPU使用率監視用とプロセス監視用のアラームテーブルを組み合わせてバインドしたりできます。

また,複数の監視エージェントがある場合に,共通のアラームテーブルを全監視エージェントにバインドし,ある監視エージェントだけ特殊なアラームテーブルを追加してバインドすることもできます。

図2‒12 複数のアラームテーブルをバインドする例

[図データ]

アラームテーブルのバインド方式については,PFM - Managerで設定します。1つの監視エージェントに対して複数のアラームテーブルをバインドできるようにする場合,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが08-50以降である必要があります。また,複数のアラームテーブルをバインドする監視エージェントは,PFM - Agentが08-00以降,PFM - Baseが08-50以降である必要があります。また,PFM - RMの監視エージェントに対してアラームテーブルをバインドするには,Performance Management製品が09-00以降である必要があります。アラームテーブルのバインド方式の設定方法については,Windowsの場合は「4.4.4 アラームテーブル複数バインド機能の設定手順」を,UNIXの場合は「5.4.4 アラームテーブル複数バインド機能の設定手順」を参照してください。

また,アラームテーブルをバインドする方法には,次に示すものがあります。

手動バインドは,アラームテーブルをバインドした時にアラームの監視を開始します。監視エージェントのサービスを起動してからバインドするまでの異常は検知できません。また,監視エージェントの台数分のアラームテーブルのバインド操作が必要です。

自動バインドは,監視エージェントのサービスを起動した時にアラームテーブルが自動でバインドされ,アラームの監視を開始します。また,すでに自動バインドの設定が済んでいる監視エージェントを追加する場合,追加したエージェントを起動するだけでアラームテーブルをバインドします。

メモ

自動バインドを使用する場合,あらかじめアラームテーブル複数バインド機能を有効に設定しておく必要があります。

自動バインドを使用する場合,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが11-50以降である必要があります。PFM - Managerが11-50以降で,かつPFM - Web Consoleが11-50より前のバージョンである場合に自動バインドを使用するときは,自動バインドの設定は設定ファイルを直接編集する必要があります。

自動バインド機能の設定方法については,Windowsの場合は「4.1.4(11) アラームの自動バインド機能の設定」を,UNIXの場合は「5.1.4(12) アラームの自動バインド機能の設定」を参照してください。また,アラームの自動バインド機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のアラームの自動バインドについて説明している個所を参照してください。