1.1.2 Performance Managementによる稼働監視と収集できるパフォーマンスデータ
Performance Managementは企業システム内のデータベースサーバ,アプリケーションサーバなどの稼働状況を監視して,一元管理するための製品です。
Performance Managementを利用した稼働監視は,監視対象に合わせたエージェントを配置することで,詳細な情報を取得できるため,きめ細かな稼働監視システムを実現できます。
Performance Managementではさまざまな監視対象に対応したエージェント製品群や稼働情報を分析するための製品を用意しています。必要なエージェントだけを追加して監視できるため,既存のシステム環境に応じて柔軟に対応できます。また,運用時には監視対象をリアルタイムに監視するだけでなく,システムリソースなどのパフォーマンスデータを収集し,蓄積します。この収集,蓄積されたデータを分析することで,システム全体の稼働状態の分析や将来に向けて長期的なパフォーマンスの改善に役立てることができます。
上の図に示したようにPerformance Managementを使用することで,システム管理者は多種多様な製品が混在している分散システム環境でも,プラットフォームの違いを意識することなくパフォーマンスデータを収集し,一元管理できます。
表1‒1 収集できるパフォーマンスデータの例
監視対象
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収集できる主なパフォーマンスデータの例
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OS
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Windows
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CPU使用率,メモリーの空き容量,ディスク使用状況,ネットワーク使用状況,デバイス情報など
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HP-UX,Solaris,AIX,Linux
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CPU使用率,メモリーの空き容量,ディスク使用状況,ネットワークデータ転送量など
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データベースサーバ
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Oracle
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データベース使用率,SQL情報,パラメーター情報など
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SQL Server
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CPU使用状況,データベーススペース使用状況,キャッシュヒット率,ロック発生情報など
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DB2
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メモリー使用状況,ソート情報,エラー情報,構成パラメーター情報など
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HiRDB
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トランザクション数,ログ入出力エラー回数,HiRDBファイルシステムスペース利用状況など
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分散トランザクションマネージャー
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OpenTP1
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トランザクション情報,RPCコール,スケジュール情報,ジャーナル取得状況など
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ジョブ管理
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JP1/AJS
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実行開始ジョブ数,遅延ジョブ数,滞留ジョブ数,ジョブの滞留時間など
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Webサーバ
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IIS
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Web接続失敗(Not Foundエラー)状況,ASPのリクエスト実行時間,セッション情報など
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Webアプリケーションサーバ
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Cosminexus
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Javaヒープの使用状況,J2EEサーバが使用するOSリソース消費量,EJB稼働情報,Webコンテナ稼働情報など
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WebLogic Server
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スレッドプールの情報,EJB稼働情報など
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WebSphere Application Server
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スレッドプールの情報,EJB稼働情報,Webコンテナ稼働情報など
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サービスレスポンス管理
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インターネットサービス
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HTTP・SMTP・FTP・TCPなどのプロトコルの応答時間
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ERP
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SAP R/3
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ロール領域使用率(SAPメモリー),レスポンスタイム,システムログ/CCMSアラートなど
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グループウェア
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Lotus Notes/Domino
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ノーツログ(log.nsf)の収集,ノーツメールの発生状況,LDAP詳細状況,レプリケーターによる複製実行状況など
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Exchange Server
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キュー/メッセージ,ユーザーログオン,未使用EメールBOXなど
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メッセージキューイング
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WebSphere MQ
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キュー情報,キューマネージャー情報,キューにアクセスしているハンドルの情報,チャネル情報
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仮想環境
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VMware
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物理サーバおよび各仮想マシンの次のパフォーマンスデータなど
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CPU使用状態
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ディスクI/O
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ディスク使用率
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メモリー使用状態
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ネットワークデータ送受信量
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Hyper-V
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日立サーバ論理分割機構
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KVM
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収集できるパフォーマンスデータの詳細については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。
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