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JP1 Version 12 JP1/Service Support 操作ガイド


1.3 JP1/Service Supportを利用した案件解決の流れ

JP1/Service Supportを利用した,事象の発生から解決までの流れの例を次の図に示します。

図1‒3 事象の発生から解決までの流れ

[図データ]

図中の番号に従って説明します。

1. 「インシデントの登録」

インシデント担当者は,ユーザーからの障害連絡を受け,インシデントを登録します。

2-1 「調査,作業状況の入力」

インシデント担当者は,既知のインシデントかどうかを調査します。調査の結果,未知のインシデントであった場合,問題管理にエスカレーションします。

また,日々の作業状況に合わせてインシデントの内容を更新します。

2-2 「担当者の作業状況の確認」「作業内容の審査,承認」

インシデント管理者は,担当者の作業状況を確認します。また,必要に応じて案件を審査,承認します。

3. 「回避策の提示」

インシデント担当者は,回避策をユーザーに提示します。

4. 「対処完了」

ユーザーの了解を得てインシデント担当者は,インシデントを完了とします。

5. 「問題点の登録または確認」

問題管理担当者は,問題点を登録,またはインシデント対応部署から登録された問題点の内容を確認します。

6-1 「調査,作業状況の入力」

問題管理担当者は,既知の問題点かどうかを調査します。調査の結果,未知の問題点であった場合,解決に向けて検討を重ねます。検討の結果,システムの変更が必要と判断した場合,変更管理にエスカレーションします。

また,日々の作業状況に合わせて問題点の内容を更新します。

6-2 「担当者の作業状況の確認」「作業内容の審査,承認」

問題管理者は,問題管理担当者の作業状況を確認します。また,必要に応じて問題点を審査,承認します。

7. 「対処完了」

問題管理担当者は,結論を出した時点で問題点の対処を完了します。なお,インシデントからエスカレーションされてきた問題点については,インシデント対応部署に対処が完了したことを通知します。

8. 「変更点の確認」

変更管理者は,問題管理対応部署から登録された変更点の内容を確認します。

9-1 「審議,変更計画作成依頼」「作業状況の確認」

変更管理者は,CABメンバー,CAB代表に問題管理から登録された変更点の審議と,変更計画の作成を依頼します。また,依頼後の作業状況を確認します。

9-2 「審議,変更計画の作成」「作業状況の入力」

CABメンバーは,会議を開催し,登録された変更点について審議し,それに合わせて変更計画を作成します。また,日々の作業状況に合わせて変更計画の内容を更新します。

CAB代表は,審議の結果,および変更計画について審査,承認します。また,リリース管理部門に対し,システムへの実装を要求するため,リリース案件としてエスカレーションします。

10. 「対処完了」

変更管理者は,リリース管理部門からのリリース完了を受け,一定期間を置いたあと,レビューを実施します。その結果を記入し,変更点の対処を完了します。

また,問題管理対応部署に完了したことを通知します。

11. 「リリース案件の確認」

リリース管理者は,変更管理対応部署から登録されたリリース案件の内容を確認します。

12-1 「実装計画作成依頼」「作業状況の確認」

リリース管理者は,リリース担当者に変更管理から登録されたリリース案件に対する実装計画の作成を依頼します。また,依頼後の作業状況を確認します。

12-2 「実装計画の作成」「作業状況の入力」

リリース担当者は,役割に合わせて実装計画を作成したり,ソフトウェア,ハードウェアを調達したりします。また,実装に向けてのテスト,実装も行います。また,日々の作業状況に合わせて,リリース案件の内容を更新します。

構成変更担当者は,実装完了を受けてシステムの構成情報を更新します。また,日々の作業状況に合わせて,リリース案件の内容を更新します。

13. 「対処完了」

リリース管理者は,リリース案件の内容を確認し,作業がすべて完了していることを確認します。問題ないと判断した時点でリリース案件の対処を完了します。また,変更管理部署に対処が完了したことを通知します。

〈この節の構成〉