付録J.3 JP1/SESイベントを使用する場合の注意事項
JP1/SESイベントを使用する製品と連携する場合の注意事項を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) 上書きインストール時の注意事項
JP1/Baseをインストールしたあと,JP1/Baseのイベントサービスを起動して,バージョン5以前のJP1/SESの機能を使用する場合には,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -r
JP1/SESのイベントサービスを起動して,JP1/SESの機能を使用する環境に戻す場合には,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -u
(2) 擬似オペレーター数の制限
同時に接続できる擬似オペレーターの最大数に制限があります。擬似オペレーターとは,JP1/SESイベントを取得するプログラムのことを指します。
WindowsのV5互換機能に接続できる擬似オペレーター数は最大52です。そのうち20は,JP1/AJSのajsevgetコマンド専用です。同時に起動するajsevgetコマンド数が20を超えないようにしてください。残り32は,JP1/OJE Client for VOS3/Mainframe/VOS1/VOSKのカスタムジョブ用として用意されています。同時に実行するカスタムジョブ数が32を超えないようにしてください。
UNIXのV5互換機能に接続できる擬似オペレーター数は最大32です。擬似オペレーター数が32を超えないようにしてください。擬似オペレーターとなるプログラムの詳細については,インストールされている日立製品の各マニュアルを参照してください。
(3) V5互換機能を使用できないOS
V5互換機能の一部または全部の使用が制限されているOSを次の表に示します。
OS |
制限内容 |
---|---|
Windows |
JP1/SESプロトコルによるイベント送受信は使用できますが,ajsevputコマンドおよびajsevgetコマンドなど,JP1/SESのインターフェースを使用したイベント登録および受信はできません。 |
Solaris非大域ゾーン |
すべてのV5互換機能を使用できません。 |
(4) tmpwatchコマンド使用時の注意事項(Linux限定)
Red Hat Linuxでは,デフォルトの設定でtmpwatchコマンドで,240時間以上更新されていない/tmpディレクトリ下のファイル,および720時間以上更新されていない/var/tmpディレクトリ下のスペシャルデバイスファイル以外のファイルが自動的に削除されます。
JP1/Baseの物理ホストのイベントサービスでは,/var/tmpディレクトリ下に次のファイルを作成しています。
-
/var/tmp/jp1_ses/.JP1_SES_pidfile
-
/var/tmp/jp1_ses/.rpidfile#1
-
/var/tmp/jp1_ses/.ses_conhost
-
/var/tmp/jp1_ses/.ses_wanted
-
/var/tmp/jp1_ses/.ses_wanted_2
これらのファイルが削除された状態でSESプロトコルのイベント(SESイベント)を受信すると,jesrdプロセスのCPU使用率が100%になる場合があります。
SESイベントを受信する場合は,物理ホストのイベントサービスが起動中に上記のファイルが削除されないようにするために,定期的に(最長で720時間に1回の間隔で)touchコマンドを実行して,上記ファイルの日付を更新するようにしてください。
- 例: 1時間に1回日付を更新するシェル
#!/bin/sh while : do ps -C jesrd 1>/dev/null 2>/dev/null if [ $? = 0 ] then touch "/var/tmp/jp1_ses/.JP1_SES_pidfile" touch "/var/tmp/jp1_ses/.rpidfile#1" touch "/var/tmp/jp1_ses/.ses_conhost" touch "/var/tmp/jp1_ses/.ses_wanted" touch "/var/tmp/jp1_ses/.ses_wanted_2" fi sleep 3600 done
また,tmpwatchコマンドに-aオプションを指定した場合,スペシャルデバイスファイルも削除されるようになります。
スペシャルデバイスファイルが削除されると,イベントサービスが異常終了する場合があるので,-aオプションは指定しないでください。
(5) V5互換機能使用時の注意事項(UNIX限定)
V5互換機能を使用する場合,次のようにシンボリックリンクが設定されている必要があります。
#ls -l /usr/tmp lrwxrwxrwx ・・・・ /usr/tmp -> ../var/tmp
使用する環境に上記の設定がない場合は,次のコマンドを実行してシンボリックリンクを設定してください。
#ln -s ../var/tmp /usr/tmp