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JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド


付録G.4 カーネルパラメーター一覧(Linuxの場合)

〈この項の構成〉

(1) デフォルトの設定で必要とするシステムリソース

デフォルトの設定でJP1/Base分として調整する必要があるシステムリソースの見積もり値を次に示します。

(a) 加算するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

ファイルシステム

fs.file-max

イベントサービス分※1

180+転送先ホスト数×6+イベントを転送してくるホスト数×6+同時に発行されるイベント数※2×6+イベントを取得するプログラム数※3×6+同時に実行されるイベントサービスのコマンドの数×10

ログファイルトラップ分

ログファイルトラップ起動数×9+ログファイルトラップで監視するファイルの総延べ数×9+同時に実行されるログファイルトラップのコマンドの数×10+IM構成管理のリモート監視プロファイル数×10

イベントサービスとログファイルトラップ以外の分

60+JP1/Baseのコマンド実行数×10

注※1

論理ホストを使用する場合は次の値で見積もってください。

180+転送先ホスト数×6+イベントを転送してくるホスト数×6+同時に発行されるイベント数×6+イベントを取得するプログラム数×6

注※2

イベントは,jevsendコマンド,jevsenddコマンド,JP1/AJSのイベント送信ジョブ,JP1シリーズのほかのプログラム,およびJP1/Baseの拡張機能で作成されたユーザープログラムで発行されます。同時に発行されるイベント数は,これらのプログラムが同時に実行される際の最大数となります。マシンの性能にもよりますが,同時とは1秒程度を仮定してください。

注※3

イベントは,JP1/AJSのイベント受信ジョブ,JP1/Baseの拡張機能で作成されたユーザープログラムで取得されます。イベントを取得するプログラム数は,起動しているこれらのプログラム数となります。

注意事項

OSバージョンおよびカーネルバージョンで異なります。使用するOSのマニュアルを参照して,見積もり値で提示された内容で見積もってください。なお,使用するOSで該当するカーネルパラメーターが設定できない場合には,設定は不要です。

(b) 調整するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

ソケットバックログ

net.core.somaxconn

1,024以上

注※ JP1/IM構成管理機能のエージェントとして使用する場合,net.core.somaxconnパラメーターには1,024以上の値を設定する必要があります。

(2) コマンド実行機能を使用する場合

JP1/IM - Managerからリモートコマンドおよび自動アクションを使用する場合に,JP1/Base分として調整する必要があるシステムリソースの見積もり値を次に示します。

(a) 加算するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

ファイルシステム

fs.file-max

JP1/IM - Managerによってリモートコマンドが同時に実行される実行数×16

共有メモリー

kernel.shmall

kernel.shmmniの見積もり値×kernel.shmmaxの見積もり値

kernel.shmmni

1+同時に実行されるリモートコマンドの数

セマフォ

kernel.semの第4パラメーター(SEMMNI

3

kernel.semの第2パラメーター(SEMMNS

3

注※ この値が256を超える場合,256で計算してください。この値はコマンド実行先ホストとして指定されたホストで見積もられます。

(b) 調整するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

共有メモリー

kernel.shmmax

143,468以上

(3) ヘルスチェック機能を使用する場合

JP1/Baseのヘルスチェック機能を使用する場合に,JP1/Base分として調整する必要があるシステムリソースの見積もり値を次に示します。

(a) 加算するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

共有メモリー

kernel.shmall

kernel.shmmniの見積もり値×kernel.shmmaxの見積もり値

kernel.shmmni

10+10×論理ホスト数

(b) 調整するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

共有メモリー

kernel.shmmax

215,644以上

(4) JP1/SES互換機能を使用する場合

JP1/SES互換機能を使用する場合に,JP1/Base分として調整する必要があるシステムリソースの見積もり値を次に示します。

なお,意識的にJP1/SES互換機能を使用していない場合であっても,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにv5-unusedフラグを設定しない場合は,この見積もり値で計算する必要があります。

注意事項

JP1/Base Version 7以前から上書きインストールした場合はv5-unusedフラグが設定されません。

(a) 加算するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

共有メモリー

kernel.shmall

64

kernel.shmmni

1

セマフォ

kernel.semの第4パラメーター(SEMMNI

10

kernel.semの第2パラメーター(SEMMNS

1

メッセージキュー

kernel.msgmni

2

(b) 調整するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

共有メモリー

kernel.shmmax

64以上

メッセージキュー

kernel.msgmax

824以上

(5) ローカルアクション機能を使用する場合

ローカルアクションを使用する場合に,JP1/Base分として調整する必要があるシステムリソースの見積もり値を次に示します。

(a) 加算するパラメーター

システムリソース

パラメーター

見積もり

ファイルシステム

fs.file-max

ローカルアクションの同時実行数