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JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド


7.2.1 自動起動および自動終了の設定

システムの起動時にユーザー管理を含むプロセス管理,イベントサービス,およびログファイルトラップ管理デーモンを自動起動する場合,インストールとセットアップの完了後,次に示す操作をします。

cd /etc/opt/jp1base
cp -p jbs_start.model jbs_start

また,システムの終了時にユーザー管理を含むプロセス管理およびイベントサービスを自動終了する場合,インストールとセットアップの完了後,次に示す操作をします。

cd /etc/opt/jp1base
cp -p jbs_stop.model jbs_stop
注意事項
  • ログファイルトラップを自動起動する場合,ログファイルトラップ起動定義ファイルを設定してください。

  • ログファイルトラップをjbs_startを使用して自動起動する場合,jbs_startを必要に応じて編集してください。この場合,イベントサービスおよびログファイルトラップ管理デーモンの起動後,ログファイルトラップを起動するように設定してください。

  • 自動起動および自動終了の設定は,インストール時の環境変数LANGに設定されている文字コードに合わせて設定されます。ただし,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIXの場合)」の表3-5で示した文字コード以外が設定されている場合は,環境変数LANGにCを設定します。

  • jp1bs_env.confjp1bs_param.confの言語種別を変更する場合は,自動起動スクリプトの環境変数LANGを合わせてください。

  • 自動起動スクリプト(jbs_start)は,初期設定でLC_ALLLC_COLLATELC_CTYPELC_MONETARYLC_NUMERICLC_TIME,およびLC_MESSAGESのロケール設定を解除(unset)します。

AIX環境の場合

AIX環境で自動起動および自動終了する場合は,上記の操作に加え次に示す操作も必要です。

  1. 自動起動を設定する。

    mkitabコマンドで,/etc/inittabファイルにJP1/Baseの記述を追加します。

    mkitab -i hntr2mon "jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start"

  2. 設定内容を確認する。

    lsitabコマンドで,/etc/inittabファイルの設定内容を確認します。

    lsitab -a

    プロセスを起動する順序のとおり,hntr2mon(統合トレース),jp1baseの順に記述されていることを確認してください。

    init:2:initdefault:

    brc::sysinit:/sbin/rc.boot 3 >/dev/console 2>&1 # Phase 3 of system boot

    hntr2mon:2:once:/opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002start

    jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start

    注 hntr2mon:2:once:/opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002startのエントは,JP1/Baseのアンインストール時に統合トレース機能を使っている製品が他になければ削除されます。

  3. 自動終了を設定する。

    JP1/Baseを前提とする製品の記述のあとに,テキストエディターで,/etc/rc.shutdownファイルにJP1/Baseの記述を追加します。

    test -x /etc/opt/jp1base/jbs_stop && /etc/opt/jp1base/jbs_stop

    test -x /opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002stop && /opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002stop

  4. 終了時の処理を追加する。

    /etc/rc.shutdownファイルの最後に,次に示す1行を追加してください。

    exit 0

    /etc/rc.shutdownスクリプトは,最後に実行したコマンドの終了コードが「0」以外の場合は,エラーと認識しシャットダウン処理を中断します。

注意事項

自動起動および自動終了の設定は,インストール時の環境変数LANGに設定されている文字コードに合わせて設定されます。ただし,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIXの場合)」の表3-5で示した文字コード以外が設定されている場合は,環境変数LANGにCを設定します。

jp1bs_env.confjp1bs_param.confの言語種別を変更する場合は,自動起動スクリプトの環境変数LANGを合わせてください。

自動起動スクリプト(jbs_start)は,初期設定でLC_ALLLC_COLLATELC_CTYPELC_MONETARYLC_NUMERICLC_TIME,およびLC_MESSAGESのロケール設定を解除(unset)します。

AIXでは,メモリー不足が発生するとOSがSIGKILLを発行し,JP1/Baseのプロセスが終了することがあります。この現象を回避するには,環境変数にPSALLOC=earlyを設定し,JP1/Baseを起動してください。

なお,環境変数PSALLOCearlyを設定する場合には,同時に環境変数NODISCLAIM=trueを設定する必要があります。

自動起動スクリプト中に設定する例を次に示します。

1. 自動スクリプト中の次の部分を検索する。

 export PATH LANG SHLIB_PATH LD_LIBRARY_PATH LIBPATH HCCLIBCNF

2. 1.で検索した行の後に,次を追加する。

 PSALLOC=early

 NODISCLAIM=true

 export PSALLOC NODISCLAIM

Linux環境の場合

Linux環境で自動起動および自動終了の設定をする場合は,次をセットで作成してください。

/etc/opt/jp1base/jbs_start
/etc/opt/jp1base/jbs_stop

jbs_startおよびjbs_stopが存在しないときにシステムの起動,およびシステムの終了が行われると,syslogに次のメッセージが出力されます。メッセージは出力されますが,設定が行われていないため,自動起動,および自動停止は行われません。

起動時:systemd: Started JP1/Base Service.

JP1/Baseの自動起動・自動停止を有効にしたあと,JP1/Baseを手動で起動したり停止したりする場合は,次のコマンドを実行してください。コマンドを実行したあと,jbs_spmd_statusコマンド,およびjevstatコマンドでプロセスの状態を確認してください。

JP1/Baseの起動

物理ホスト

systemctl start jp1_base.service

論理ホスト

systemctl start jp1_base_論理ホスト名.service
JP1/Baseの停止

物理ホスト

systemctl stop jp1_base.service

論理ホスト

systemctl stop jp1_base_論理ホスト名.service

systemctlコマンド以外の,jbs_start/jbs_start.clusterコマンド,jbs_stop/jbs_stop.clusterコマンド,jbs_spmdコマンドおよびjbs_spmd_stopコマンドで起動したり停止したりすると,JP1/Baseの自動停止が行われません(システムの停止時に停止スクリプトは起動されませんが自動起動・自動停止の設定は有効なままです)。JP1/Baseをシステムの停止時に自動停止させる場合は,再度,systemctlコマンドによる起動の操作を行ってください。JP1/Baseが自動停止するかどうかは,次のコマンドを実行して,「active」が表示されることを確認してください。

物理ホスト
systemctl is-active jp1_base.service
論理ホスト
systemctl is-active jp1_base_論理ホスト名.service

Linux 8以降でSELinuxを有効にしている場合は,jbs_startおよびjbs_stopのコンテキストタイプをbin_tに設定してください。

設定例
# semanage fcontext -a -t bin_t '/etc/opt/jp1base/jbs_start'
# semanage fcontext -a -t bin_t '/etc/opt/jp1base/jbs_stop'
# restorecon -F /etc/opt/jp1base/jbs_start
# restorecon -F /etc/opt/jp1base/jbs_stop