11.1.2 ログファイルトラップを設定する
ログファイルトラップの起動,設定の変更,動作状況の確認,設定内容の確認,および終了の手順について説明します。ログファイルトラップは次に示すファイルで設定します。
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ログファイルトラップ動作定義ファイル
監視するログファイルの形式や,監視失敗時のリトライなどを設定します。詳細については,「16. 定義ファイル」の「ログファイルトラップ動作定義ファイル」を参照してください。
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ログ情報定義ファイル(jevlogd.conf)
ログファイルトラップ用ログファイルの保存ファイル数や最大容量を指定します。通常は設定を変更しない(設定を省略した値)で運用できます。
詳細については,「16. 定義ファイル」の「ログ情報定義ファイル」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 起動する
ログファイルトラップを起動する手順を説明します。
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ログファイルトラップ動作定義ファイルを作成する。
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jevlogstartコマンドを実行する。
ログファイルトラップが起動し,ID番号が標準出力,またはsyslogに出力されます。ID番号は,ログファイルトラップを停止したり,定義ファイルを更新したりする際に利用するため,控えておいてください。
また,jevlogstartコマンドでは,監視名を設定できます。監視名を設定すると,jevlogstop,jevlogreload,jevlogstatコマンドで監視名を指定して操作できます。
jevlogstartコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogstart」を参照してください。
(2) 設定変更する
ログファイルトラップ動作定義ファイルとログ情報定義ファイル(jevlogd.conf)の設定を変更します。
(a) ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定を変更する
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ログファイルトラップ動作定義ファイルを編集する。
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変更を反映する。
- MARKSTRまたはACTDEFパラメーター以外を変更した場合
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ログファイルトラップを再起動します。jevlogstop { ID番号 | -a 監視名 }を実行したあと,jevlogstartコマンドを実行してください。
- MARKSTRまたはACTDEFパラメーターを変更した場合
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ログファイルトラップを停止しないで,jevlogreload { ID番号 | -a 監視名 }を実行して設定を反映してください。
jevlogstartコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogstart」を参照してください。
jevlogreloadコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogreload」を参照してください。
(b) ログ情報定義ファイルの設定を変更する
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ログ情報定義ファイル(jevlogd.conf)を編集する。
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ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)を起動する。
(3) 動作状況を確認する
ログファイルトラップの動作状況を確認したい場合は,次のコマンドを実行してください。引数に指定したID番号または監視名のログファイルトラップの動作状況を戻り値によって確認できます。
jevlogstat { ID番号 | -a 監視名 }
また,次のように指定すると,動作中のログファイルトラップID番号および監視名の一覧を表示できます。
jevlogstat ALL
jevlogstatコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogstat」を参照してください。
(4) 設定内容を確認する
稼働しているログファイルトラップの動作定義情報を確認したい場合は,次のコマンドを実行してください。画面にログファイルトラップ動作定義ファイルの形式で出力されます。
jbsgetopinfo -o logtrap [-i ID番号 | -a 監視名]
jbsgetopinfoコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jbsgetopinfo」を参照してください。
(5) 終了する
ログファイルトラップを終了する場合は,次のコマンドを実行します。
jevlogstop { ID番号 | -a 監視名 }
起動しているすべてのログファイルトラップを終了したい場合は,次のコマンドを実行します。
jevlogstop ALL
jevlogstopコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogstop」を参照してください。
(6) 自動で起動する
ログファイルトラップは,システムを再起動すると停止し,自動で起動しません。システムの再起動時に,ログファイルトラップを自動で起動させたい場合は,次に示すどれかの方法を行ってください。
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ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)を使用する。
ログファイルトラップ起動定義ファイルに起動するログファイルトラップおよび起動オプションを指定します。指定したログファイルトラップは,ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)起動時に自動的に起動されます。
ログファイルトラップ起動定義ファイルの詳細については「16. 定義ファイル」の「ログファイルトラップ起動定義ファイル」を参照してください。
なお,ログファイルトラップ起動定義ファイルを使用した場合は,ログファイルトラップ起動実行結果ログに出力される起動開始情報(KAVA3661-I)および起動結果情報(KAVA3662-I)を参照して,対象のログファイルトラップが起動されたことを確認してください。
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Windowsの場合は,バッチファイルを作成し,JP1/Baseの起動管理で設定する。
jevlogstartコマンドを記述したバッチファイルを作成し,起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)の「ReadyCommand=」に各バッチファイルのフルパスを記入してください。
起動順序定義ファイルの詳細については,「16. 定義ファイル」の「起動順序定義ファイル(Windows限定)」を参照してください。
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UNIXの場合は,jbs_startを編集する。
イベントサービスおよびログファイルトラップ管理デーモンの起動後,ログファイルトラップを起動するように設定してください。
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JP1/AJSのジョブとしてjevlogstartコマンドを実行する。
(7) ログファイルトラップの言語種別を設定する(UNIXの場合)
ログファイルトラップの言語種別を設定するには,ログファイルトラップを起動する際に,環境変数LANGを指定します。指定できる環境変数LANGについては,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIXの場合)」を参照してください。
ここでは,ログファイルトラップの言語種別をUTF-8に指定する方法を説明します。
(a) jevlogstartコマンド実行時に指定する場合
環境変数LANGにUTF-8を指定し,jevlogstartコマンドでログファイルトラップを起動することで,UTF-8で出力されたログを監視できるようになります。
- スクリプトでログファイルトラップを起動する例
#!/bin/sh LANG=ja_JP.utf8 export LANG jevlogstart -a abc /home/hitachi/abc.log
(b) ログファイルトラップ起動定義ファイルで指定する場合
ログファイルトラップ起動定義ファイルのSTART_OPTパラメーター(ログファイルトラップ管理デーモン用),およびSTART_OPT_CLSパラメーター(論理ホスト用)に起動LANGとしてUTF-8を指定します。
- ログファイルトラップ起動定義ファイルの書式
START_OPT=[<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション START_OPT_CLS=[クラスタID][<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション