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JP1 Version 12 インフラストラクチャ管理 基本ガイド 


4.3 イベントを分析して,問題の構成要素を特定する

アプリケーションで発生したJP1イベントから,関連するシステムのリソース性能を分析し,問題のある構成要素を特定します。アプリケーションで発生したイベントは,JP1/OAによって,時系列およびアプリケーション間の関連性の観点で選別されます。選別されたイベントの中から問題を含んでいる可能性の高い順にイベントの詳細を確認し,分析対象のイベントを絞り込みます。次に,特定したイベントとイベントに関連するリソースの性能傾向を比較し,問題のある構成要素を特定していきます。

操作手順

  1. [E2E ビュー]画面でIT基盤システム構成を把握します。

    起点にしたアプリケーションの関連要素や,警告またはエラーの発生状況が確認できます。

  2. アプリケーションで発生しているイベントを確認するために,[イベント分析ビュー]ボタンをクリックします。

    [図データ]

    起点にしたアプリケーションと関連のあるアプリケーションで発生したイベントが時系列で表示されます。起点にしたアプリケーションに影響を及ぼしている可能性の高い直近のイベントほど右上に表示されます。

  3. 次の画面では,起点にしたアプリケーション「AJSM-HOST01」および関連性の高いアプリケーション「AJSA-HOST02」で,直近30分の間に複数のイベントが発生したことが確認できます。これらのイベントを分析するために,イベントボタンをクリックします。

    [図データ]

    イベントの発生時刻やメッセージなどの詳細情報が表示されます。

  4. イベント発生時のリソースの性能状態を分析するため,表示されたイベントリストから分析対象のイベントを選択し,[性能を表示]ボタンをクリックします。

    イベントの詳細情報は直近のイベントほど上位に表示されるため,上から順に性能情報を確認していきます。

    [性能を表示]ボタンをクリックすると,選択したイベントに関連する仮想マシンまたはホスト(このマニュアルでは仮想マシン)の性能グラフやメトリック情報が表示されます。関連リソースが仮想マシンの場合は,仮想マシンが動作するハイパーバイザーの情報も併せて表示されます。

  5. 選択したイベントと仮想マシンの性能傾向を確認します。

    表示された性能グラフでは,イベント発生時に「AJSM-HOST01」の仮想マシンの性能に大きな変化が生じていないことが分かります。2番目,3番目,4番目のイベントも「AJSM-HOST01」のため,イベントと性能傾向の関連がないことが分かります。

  6. 続いて,「AJSA-HOST02」のイベントを選択して,[性能を表示]ボタンをクリックし,「AJSA-HOST02」の仮想マシンの性能を確認します。

    [図データ]

    「AJSA-HOST02」の仮想マシンの性能グラフで,イベント発生の直前に,仮想マシンに著しい性能劣化が生じたことが分かります。このことから,起点のアプリケーションの問題の原因は「AJSA-HOST02」の仮想マシンにあると判断できます。

    ヒント

    [イベント分析ビュー]画面では,仮想マシンの性能グラフとハイパーバイザーの性能グラフを併せて確認することで,原因を特定できる場合もあります。仮想マシンおよびハイパーバイザーの性能に問題が見られない場合は,アプリケーションそのものに原因があると推測できます。

  7. 「AJSA-HOST02」の仮想マシンの分析を続けるために,[E2Eビューを表示]ボタンをクリックします。

次の作業

「AJSA-HOST02」の仮想マシンを基点にした[E2E ビュー]画面でボトルネックを分析します。