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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス


jcacancel

〈このページの構成〉

機能

自動アクションをキャンセルするコマンドです。このコマンドは,システムの運用に必要なくなった次に示すようなアクションを,JP1/IM - Managerから削除する場合に使用します。

アクションで実行したコマンドは,jcocmddelコマンドでも削除できますが,アクションの状態が「キャンセル」になりません。jcocmddelコマンドは,jcacancelコマンドでキャンセルできなくなってしまったアクションを削除する場合に使用してください。

jcocmddelコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のコマンドに関する章を参照してください。

キャンセル後のアクションの状態は,キャンセルするアクションの状態に応じて異なります。キャンセルできるアクションの状態と,キャンセル後のアクションの状態を次に示します。

表1‒1 キャンセルできるアクションの状態,キャンセル後のアクションの状態

キャンセルできるアクションの状態

キャンセル後のアクションの状態※1

「送信待機」または「送信待機(キャンセル失敗)」

「キャンセル」

「送信中(キャンセル失敗)」※2

「キューイング」または「キューイング(キャンセル失敗)」

「実行中」または「実行中(キャンセル失敗)」

「強制終了」

注※1 キャンセル処理中にJP1/Baseのコマンド制御内で,エラーが発生するとアクションの状態は「実行失敗(キャンセル失敗)」になります。

注※2 状態が「送信中」のアクションは,キャンセルできません。キャンセルを実行すると状態が「送信中(キャンセル失敗)」になります。

形式

jcacancel [-h 論理ホスト名]
          {[-i アクション通し番号,...] | [-a] | [-s アクション実行ホスト名]}
          [-f]

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

Consoleパス\bin\

UNIXの場合

/opt/jp1cons/bin/

引数

-h 論理ホスト名

クラスタシステムで運用している場合に,論理ホスト名を指定します。指定した論理ホストに対応する自動アクションをキャンセルします。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。

-i アクション通し番号

アクション単位で,自動アクションをキャンセルする場合に指定します。

アクション通し番号は,jcashowaコマンド,またはJP1/IM - View上の[アクション結果一覧]画面,および[アクション結果詳細]画面で確認できます。最大20件指定できます。複数のアクション通し番号を指定する場合は,アクション通し番号を半角コンマ(,)で区切ってください。なお,アクション通し番号とアクション通し番号の間に,ほかのオプションは指定できません。

複数のアクション通し番号を指定した場合には,実行途中でエラーが発生しても処理を継続します。エラーメッセージはエラーが発生した件数だけ表示されます。

-iオプションで複数のアクションを指定して複数アクションをキャンセルした場合に,複数のエラーが発生したとき,最後にエラーとなったエラー内容がjcacancelコマンドの戻り値となります。

-a

jcacancelを実行するJP1/IMから実行し,監視しているすべてのホストに存在する自動アクションをキャンセルする場合に指定します。

-aオプションを指定して複数アクションをキャンセルした場合に,複数のエラーが発生したとき,最後にエラーとなったエラー内容がjcacancelコマンドの戻り値となります。

-s アクション実行ホスト名

jcacancelを実行するJP1/IMから実行し,指定した実行先ホストに存在する自動アクションをキャンセルする場合に指定します。

システム構成の定義で管理対象ホストに設定したホストだけ指定できます。なお,IPアドレス,およびホストグループは指定できません。

-sオプションを指定して複数アクションをキャンセルした場合に,複数のエラーが発生したとき,最後にエラーとなったエラー内容がjcacancelコマンドの戻り値となります。

-f

キャンセル時の確認メッセージを省略して,自動アクションをキャンセルしたい場合に指定します。

注意事項

戻り値

0

正常終了

1

引数不正エラー

2

共通定義不正エラー

3

アクション状態不正エラー

4

キャンセル処理エラー

5

入出力エラー

6

自動アクション機能(アクション実行サービス)からの応答がない

7

実行権限エラー(Windows限定)

255

システムエラー

使用例1

複数の自動アクション(アクション通し番号23,35,42)をキャンセルする場合

jcacancel -i 23,35,42

使用例2

論理ホストhostAから実行し,論理ホストhostAの監視下にあるすべてのホストに存在する自動アクションをキャンセルする場合

jcacancel -h hostA -a

使用例3

jcacancelを実行するJP1/IMから実行し,ホストhost01に存在する自動アクションをキャンセルする場合

jcacancel -s host01

使用例4

論理ホストhostBから実行し,論理ホストhostB監視下のhost02に存在する自動アクションをキャンセルする場合

jcacancel -h hostB -s host02

使用例5

論理ホストhostCの監視下にある自動アクションを,アクション通し番号(23,35,42)を指定してキャンセルする場合

jcacancel -h hostC -i 23,35,42