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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Event Gateway for Network Node Manager i


4.1.3 マッピングブロックの定義

マッピングブロックでは,NNMiインシデントの属性とJP1イベントの属性の対応づけ(マッピング条件)を設定します。マッピングブロックで設定できる属性を次に示します。

なお,マッピングブロックは省略することもできます。

〈この項の構成〉

(1) メッセージのマッピング

NNMiインシデントのメッセージとJP1イベントのメッセージのマッピングを設定します。マッピングブロックのメッセージの書式を次に示します。

message△任意のメッセージ内容

△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。

メッセージのマッピングを省略した場合は,NNMiインシデントのメッセージが,そのままJP1イベントのメッセージにマッピングされます。

(a) メッセージ内容の編集

メッセージ内容には,半角スペース,タブ,CR,LFおよび%は使用できません。ただし,次に示すような「% + ASCIIコード(2けたの16進数)」で表現できます。

  • 半角スペース:%20

  • タブ:%09

  • CR:%0d

  • LF:%0a

  • %:%25

上記以外の文字についても「% + ASCIIコード(2けたの16進数)」で表現できます。

また,メッセージ内容にNNMiインシデントの属性名を埋め込むことで,属性名に対応する属性値をメッセージに表示できます。属性値を表示する場合は,属性名を「$」で囲みメッセージ内容に埋め込みます。

例えば,メッセージ以外に重大度とソースノード名を表示させて,[重大度]メッセージ(ソースノード名)というメッセージ内容でマッピングしたい場合は,次のように記述します。

message [$SEVERITY$]$FORMATTED_MESSAGE$($SRC_NODE_NAME$)

メッセージに埋め込めるNNMiインシデントの属性名を次の表に示します。

表4‒6 メッセージに埋め込めるNNMiインシデントの属性名

属性

属性名

ソースオブジェクト

SRC_NAME

ソース種別

SRC_TYPE

ソースノード

SRC_NODE_NAME

名前

NAME

重大度※1

SEVERITY

優先度※1

PRIORITY

ライフサイクル状態※1

LIFECYCLE_STATE

割り当て先

ASSIGNED_TO

カテゴリ※1

CATEGORY

ファミリー※1

FAMILY

発生元※1

ORIGIN

相関処理特性※1

NATURE

重複数

DUPLICATE_COUNT

メッセージ

FORMATTED_MESSAGE

NOTES

RCAアクティブ

RCA_ACTIVE

元の発生日時

ORIGIN_OCCUR_TIME

最初の発生日時

FIRST_OCCUR_TIME

最後の発生日時

LAST_OCCUR_TIME

作成日時

CREATED

最終更新日時

MODIFIED

カスタム属性数

CIANUM

カスタム属性名

CIANAME_$n※2

カスタム属性タイプ

CIATYPE_$n※2

カスタム属性値

CIAVALUE_$n※2

注※1

属性値ではなくラベルを表示します。ラベルの詳細については,「4.1.2(5) NNMiインシデントの属性値」の「表4-5 NNMiインシデントの属性名,属性値,およびラベル」を参照してください。

注※2

$nはカスタム属性のインデックスを示します。1〜カスタム属性数(CIANUM)の数字が入ります。

例:4番目のカスタム属性値の場合「CIAVALUE_4」と定義してください。

(b) メッセージの最大サイズ

JP1イベントとして登録できるメッセージは1,023バイトまでです。JP1イベントに変換するメッセージが1,023バイトを超えた場合,1,024バイト以降のメッセージは切り捨てられます。

(2) 重大度のマッピング

NNMiインシデントの重大度とJP1イベントの重大度のマッピングを設定します。マッピングブロックの重大度の書式を次に示します。

severity△NNMiインシデントの重大度△to△JP1イベントの重大度

△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。

例えば,NNMiインシデントの重大度「CRITICAL(危険域)」を,JP1イベントの重大度「Emergency(緊急)」にマッピングしたい場合は,次のように記述します。

severity CRITICAL to Emergency

重大度のマッピングを省略した場合は,次の表に示すようにマッピングされます。

表4‒7 重大度のマッピング(デフォルト)

NNMiインシデント

JP1イベント

Emergency(緊急)

CRITICAL(危険域)

Alert(警戒)

MAJOR(重要警戒域)

Critical(致命的)

Error(エラー)

MINOR(警戒域)

Warning(警告)

WARNING(注意域)

Notice(通知)

NORMAL(正常域)

Information(情報)

Debug(デバッグ)

(凡例)

−:該当なし

参考
  • 大文字と小文字は区別されます。

  • NNMiインシデントの重大度を重複して指定することはできません。ただし,NNMiインシデントの複数の重大度を,JP1イベントの同じ重大度にマッピングすることはできます。

(3) 拡張属性のマッピング

JP1/IM - EG for NNMiが独自に割り当てる属性(拡張属性)を追加したい場合に,拡張属性のマッピングを設定します。

NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性については,「8.2 NNMiインシデントを変換したJP1イベント」を参照してください。「表8-1 NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性」に記載されている属性のうち,「マッピング」の列が「○」の属性を最大70個まで追加できます。

マッピングブロックの拡張属性の書式を次に示します。

attribute△拡張属性名1,△拡張属性名2,△・・・

△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。

例えば,優先度(NNMI_PRIORITY)を拡張属性として追加したい場合は,次のように記述します。

attribute NNMI_PRIORITY

拡張属性のマッピングを省略した場合は,拡張属性は追加されません。

(a) 拡張属性の合計サイズ

追加できる拡張属性の合計サイズは10,000バイトまでです。10,001バイト以降の拡張属性はマッピングされません。そのため,拡張属性の合計サイズが10,000バイト以内になるように,追加する拡張属性を選択してください。

一つの拡張属性のサイズは次に示す計算式で算出してください。

拡張属性のサイズ = 属性名の文字数 + 1 + 属性値のサイズ

属性値のサイズについては,「表8-1 NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性」を参照してください。なお,属性値のサイズは最大サイズで見積もることをお勧めします。ただし,サイズが固定,またはサイズの上限値がわかっている場合は,そのサイズで見積もってください。

(例)

拡張属性の優先度(NNMI_PRIORITY)のサイズは次のように算出します。

269 = 13(属性名の文字数) + 1 + 255(属性値の最大サイズ)

例えば,優先度の属性値が最上位(com.hp.nms.incident.priority.Top)のNNMiインシデントだけをJP1イベントに変換することがわかっている場合は,属性値のサイズは32で見積もります。

(b) 拡張属性のマッピング結果の確認

拡張属性のマッピング結果は,拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値で確認できます。拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値を次に示します。

ALL

指定したすべての属性が,JP1イベントの拡張属性に追加されたことを示します。追加する属性がない(拡張属性のマッピングを省略した)場合はALLになります。

数値

指定した属性のうち,JP1イベントの拡張属性に追加された属性の個数を示します。例えば,マッピングブロックで10個の属性を指定してJP1イベントを発行した場合に,拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値が8だったときは,マッピングブロックで指定した最後の2個の属性が追加されなかったことを示します。