4.1.3 マッピングブロックの定義
マッピングブロックでは,NNMiインシデントの属性とJP1イベントの属性の対応づけ(マッピング条件)を設定します。マッピングブロックで設定できる属性を次に示します。
-
メッセージ
-
重大度
-
拡張属性
なお,マッピングブロックは省略することもできます。
- 〈この項の構成〉
(1) メッセージのマッピング
NNMiインシデントのメッセージとJP1イベントのメッセージのマッピングを設定します。マッピングブロックのメッセージの書式を次に示します。
message△任意のメッセージ内容
△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。
メッセージのマッピングを省略した場合は,NNMiインシデントのメッセージが,そのままJP1イベントのメッセージにマッピングされます。
(a) メッセージ内容の編集
メッセージ内容には,半角スペース,タブ,CR,LFおよび%は使用できません。ただし,次に示すような「% + ASCIIコード(2けたの16進数)」で表現できます。
-
半角スペース:%20
-
タブ:%09
-
CR:%0d
-
LF:%0a
-
%:%25
上記以外の文字についても「% + ASCIIコード(2けたの16進数)」で表現できます。
また,メッセージ内容にNNMiインシデントの属性名を埋め込むことで,属性名に対応する属性値をメッセージに表示できます。属性値を表示する場合は,属性名を「$」で囲みメッセージ内容に埋め込みます。
例えば,メッセージ以外に重大度とソースノード名を表示させて,[重大度]メッセージ(ソースノード名)というメッセージ内容でマッピングしたい場合は,次のように記述します。
message [$SEVERITY$]$FORMATTED_MESSAGE$($SRC_NODE_NAME$)
メッセージに埋め込めるNNMiインシデントの属性名を次の表に示します。
属性 |
属性名 |
---|---|
ソースオブジェクト |
SRC_NAME |
ソース種別 |
SRC_TYPE |
ソースノード |
SRC_NODE_NAME |
名前 |
NAME |
重大度※1 |
SEVERITY |
優先度※1 |
PRIORITY |
ライフサイクル状態※1 |
LIFECYCLE_STATE |
割り当て先 |
ASSIGNED_TO |
カテゴリ※1 |
CATEGORY |
ファミリー※1 |
FAMILY |
発生元※1 |
ORIGIN |
相関処理特性※1 |
NATURE |
重複数 |
DUPLICATE_COUNT |
メッセージ |
FORMATTED_MESSAGE |
注 |
NOTES |
RCAアクティブ |
RCA_ACTIVE |
元の発生日時 |
ORIGIN_OCCUR_TIME |
最初の発生日時 |
FIRST_OCCUR_TIME |
最後の発生日時 |
LAST_OCCUR_TIME |
作成日時 |
CREATED |
最終更新日時 |
MODIFIED |
カスタム属性数 |
CIANUM |
カスタム属性名 |
CIANAME_$n※2 |
カスタム属性タイプ |
CIATYPE_$n※2 |
カスタム属性値 |
CIAVALUE_$n※2 |
(2) 重大度のマッピング
NNMiインシデントの重大度とJP1イベントの重大度のマッピングを設定します。マッピングブロックの重大度の書式を次に示します。
severity△NNMiインシデントの重大度△to△JP1イベントの重大度
△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。
例えば,NNMiインシデントの重大度「CRITICAL(危険域)」を,JP1イベントの重大度「Emergency(緊急)」にマッピングしたい場合は,次のように記述します。
severity CRITICAL to Emergency
重大度のマッピングを省略した場合は,次の表に示すようにマッピングされます。
NNMiインシデント |
JP1イベント |
---|---|
− |
Emergency(緊急) |
CRITICAL(危険域) |
Alert(警戒) |
MAJOR(重要警戒域) |
Critical(致命的) |
− |
Error(エラー) |
MINOR(警戒域) |
Warning(警告) |
WARNING(注意域) |
Notice(通知) |
NORMAL(正常域) |
Information(情報) |
− |
Debug(デバッグ) |
- 参考
-
-
大文字と小文字は区別されます。
-
NNMiインシデントの重大度を重複して指定することはできません。ただし,NNMiインシデントの複数の重大度を,JP1イベントの同じ重大度にマッピングすることはできます。
-
(3) 拡張属性のマッピング
JP1/IM - EG for NNMiが独自に割り当てる属性(拡張属性)を追加したい場合に,拡張属性のマッピングを設定します。
NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性については,「8.2 NNMiインシデントを変換したJP1イベント」を参照してください。「表8-1 NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性」に記載されている属性のうち,「マッピング」の列が「○」の属性を最大70個まで追加できます。
マッピングブロックの拡張属性の書式を次に示します。
attribute△拡張属性名1,△拡張属性名2,△・・・
△は一つ以上の連続した半角のスペースまたはタブを示します。
例えば,優先度(NNMI_PRIORITY)を拡張属性として追加したい場合は,次のように記述します。
attribute NNMI_PRIORITY
拡張属性のマッピングを省略した場合は,拡張属性は追加されません。
(a) 拡張属性の合計サイズ
追加できる拡張属性の合計サイズは10,000バイトまでです。10,001バイト以降の拡張属性はマッピングされません。そのため,拡張属性の合計サイズが10,000バイト以内になるように,追加する拡張属性を選択してください。
一つの拡張属性のサイズは次に示す計算式で算出してください。
拡張属性のサイズ = 属性名の文字数 + 1 + 属性値のサイズ
属性値のサイズについては,「表8-1 NNMiインシデントを変換したJP1イベントの属性」を参照してください。なお,属性値のサイズは最大サイズで見積もることをお勧めします。ただし,サイズが固定,またはサイズの上限値がわかっている場合は,そのサイズで見積もってください。
- (例)
-
拡張属性の優先度(NNMI_PRIORITY)のサイズは次のように算出します。
269 = 13(属性名の文字数) + 1 + 255(属性値の最大サイズ)
例えば,優先度の属性値が最上位(com.hp.nms.incident.priority.Top)のNNMiインシデントだけをJP1イベントに変換することがわかっている場合は,属性値のサイズは32で見積もります。
(b) 拡張属性のマッピング結果の確認
拡張属性のマッピング結果は,拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値で確認できます。拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値を次に示します。
- ALL
-
指定したすべての属性が,JP1イベントの拡張属性に追加されたことを示します。追加する属性がない(拡張属性のマッピングを省略した)場合はALLになります。
- 数値
-
指定した属性のうち,JP1イベントの拡張属性に追加された属性の個数を示します。例えば,マッピングブロックで10個の属性を指定してJP1イベントを発行した場合に,拡張属性「NNMI_EM_RESULT」の属性値が8だったときは,マッピングブロックで指定した最後の2個の属性が追加されなかったことを示します。