7.3 セントラルスコープの注意事項
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ツリー更新中にサービスを停止しないでください。監視オブジェクトDBの内容に不整合が発生することがあります。
監視オブジェクトDBに不整合が発生した場合,「KAVB7247-E JP1/IM - CSはJP1/IM - View からの操作要求が実行できませんでした(要因:データベースのレコード不正)」,「KAVB7248-E JP1/IM - CSはJP1/IM - View からの操作要求が実行できませんでした(要因:データベースの操作不能)」などが出力されます。
その場合には,バックアップした監視オブジェクトDBをバックアップからリカバリーするか,jcsdbsetupコマンドで監視オブジェクトDBの再作成を行ってください。リカバリー手順については,「1.2.2(2) 監視オブジェクトDBのバックアップ・リカバリー手順」および「1.2.2(3) ホスト情報DBのバックアップ・リカバリー手順」を参照してください。
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JP1/IM - Managerのセントラルスコープサービスが異常終了した場合や,強制終了された場合,セントラルスコープサービスで使用するデータベース(監視オブジェクトDBとホスト情報DB)が壊れる可能性があります。このため,定期的にバックアップを行ってください。バックアップ・リカバリー手順については,「1.2.2(2) 監視オブジェクトDBのバックアップ・リカバリー手順」および「1.2.2(3) ホスト情報DBのバックアップ・リカバリー手順」を参照してください。
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JP1/IM - Managerアンインストール後の再インストールまたはjcsdbsetupコマンド実行後に,JP1/IM - Viewを接続すると[監視ツリー]画面にJP1/IM - Manager再インストール前またはjcsdbsetupコマンド実行前の監視ツリーが表示される場合があります。この場合は,起動中のJP1/IM - Viewを停止し,次のフォルダを削除後,JP1/IM - Viewを起動してください。
削除フォルダ:
Viewパス¥log¥output
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JP1/BaseのイベントDBを削除した場合,次の操作を行ってください。
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JP1/IM - Viewの[監視ツリー]画面を起動する。
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監視ツリーの最上位の監視ノードの状態が初期状態でない場合,初期状態に変更する。すでに初期状態の場合は,何もする必要はありません。
上記の操作を行わない場合,次のような現象が発生します。
・[監視ツリー]画面の[状態変更イベント検索]で,間違ったイベントが表示さ
れる。
・ガイド機能で,別のガイドが表示される。
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JP1/IM - Managerのシステム構成定義で定義しているホスト名と,自動生成機能で収集した情報に含まれるホスト名が異なっていた場合,既存の監視ツリーに含まれる監視オブジェクトと同一の監視オブジェクトが差分として出力されます。例えば,JP1/IMのシステム構成定義でFQDN形式で記述していたホスト名が,JP1/AJS2のジョブ実行ホストでは,FQDNでない形式で定義されている場合,ジョブネット監視オブジェクトが差分として出力されます。不要であれば,差分として出力された監視オブジェクトは手動で削除してください。
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JP1/IM - Managerの起動直後,またはツリー更新中にJP1/IM - Viewの[監視ツリー]画面を起動すると「KAVB7240-W JP1/IM - CSはJP1/IM - Viewからの操作要求(監視ツリー取得)が一時的に実行できませんでした(要因:データベースが他の利用者により使用中)」が表示され,[監視ツリー]画面が起動されません。その場合には,時間を置いてから[監視ツリー]画面を再度起動してください。
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JP1/SES 形式のイベントを監視する場合,個別条件または共通条件に,基本属性のメッセージ・詳細情報を状態変更条件として設定する事はできません。
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JP1イベントのメッセージ・詳細情報・拡張属性に関して,監視ノードの状態変更条件でサポートされる文字コードは,C(英語コード),SJIS(シフトJISコード),EUCJIS(EUCコード),UTF-8です。
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監視グループにおいて,監視グループの状態が初期状態以外で,かつ監視グループで表示されるガイド情報のガイド表示条件に,JP1イベントの基本属性,または拡張属性が含まれている場合,この監視グループの状態が初期状態にならないと,表示されるガイド情報は変わりません。
例えば,監視グループの直下にエラー状態の監視オブジェクトと警告状態の監視オブジェクトが存在した場合で説明します。
監視グループはエラー状態になっており,また監視グループでは,エラー状態の監視オブジェクトの状態変更条件に合致したJP1イベントをガイドの表示条件としたガイドが表示されているとします。
このとき,エラー状態の監視オブジェクトの状態を初期状態に変更し,その結果監視グループの状態が警告状態に変化しても,監視グループで表示されるガイド情報は変わりません。
警告状態の監視オブジェクトを初期状態に変更し,監視グループの状態が初期状態になると,表示されるガイド情報が変わるか,あるいは表示されなくなります。
監視グループで表示されるガイドの表示条件には,監視ノードIDだけを指定し,JP1イベントの基本属性,または拡張属性を含めない定義を記述することを推奨します。
このように定義することにより,監視グループでガイドを表示させた場合に,監視グループの状態に関係なく常に同じガイドを表示させることができます。
また,このとき,監視ノードID だけをガイドの表示条件に指定したガイドの定義は,JP1イベントの基本属性,または拡張属性を含むガイドの表示条件のガイドの定義よりも前に記述してください。
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サーバの監視オブジェクトDB へのデータ更新の初期設定は,非同期書き込みです。
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クラスタ構成で次の設定を行うとサーバへのデータ更新時に同期書き込みをするようになります。
(a) 物理ホスト環境,論理ホスト環境すべてのJP1/IM - Managerを停止する。
(b) 次の内容のテキストファイルを作成する(”論理ホスト名”の部分は,設定する論理ホストの論理ホスト名を記述する)。
[論理ホスト名¥JP1SCOPE¥BMS]
"DB_ACC_MODE_SYNC"=dword:00000000
(c) (b) で作成したテキストファイルを引数に指定して,実行系および待機系で次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 作成したファイル
監視オブジェクトDB に同期書き込みを行う設定にすると,サーバへのデータ更新の性能が落ちますが,論理ホストのフェイルオーバー時に監視オブジェクトDBが破損しにくくなるため,クラスタ環境の場合は上記設定を行う事を推奨します。
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同期書き込みの設定を非同期書き込みに戻す場合は,次の手順で行ってください。
(a) 物理ホスト環境,論理ホスト環境すべてのJP1/IM - Managerを停止する。
(b) 次の内容のテキストファイルを作成する(下記”論理ホスト名”の部分は,設定する論理ホストの論理ホスト名を記述する)。
[論理ホスト名\JP1SCOPE\BMS]
"DB_ACC_MODE_SYNC"=dword:00000001
(c) (b) で作成したテキストファイルを引数に指定して,実行系および待機系で次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 作成したファイル
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監視オブジェクトの状態変更条件に指定するホスト名には,次のどれかのホスト名を指定してください。下記ホスト名を指定しない場合,JP1イベントが発生しても監視オブジェクトの状態が変化しないことがあります。
(a) hostnameコマンドで返されるホスト名
(b) ホスト情報DBに登録したホスト名
(b)の設定方法に関しては,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「1.コマンド」にある,jcshostsimportコマンドを参照願います。
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JP1/IM - Managerの管理対象ホストおよびマネージャホストには,次のホスト名を設定してください。下記ホスト名を設定しない場合,監視ツリーの自動生成機能を使用したときに,該当ホストの監視ノードが表示されないことがあります。
(a) hostnameコマンドで返されるホスト名
JP1/IM - Managerの管理対象ホストおよびマネージャホストの設定方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の「構成定義ファイル(jbs_route.conf)」を説明している章を参照してください。
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監視ツリーの自動生成機能で大量の監視ノードを自動生成する場合,監視ツリーの自動生成がタイムアウトする事があります。その場合,JP1/IM - Managerの管理対象ホストで自動生成のセットアップコマンドを実行し自動生成の設定を解除して,自動生成機能で生成される監視ノードの数を減らしてください。また,JP1/IM - Managerの管理対象ホストでJP1/Base の起動していないホストが複数ある場合,監視ツリーの自動生成がタイムアウトする事あります。その場合,JP1/Base を起動するか,JP1/Base の起動していないホストをJP1/IM - Managerの管理対象ホストからはずしてください。
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「業務指向ツリー」のテンプレートで監視ツリーを自動生成する場合,<AJS2ホスト名>の監視グループ配下の JP1/PFM の監視オブジェクトは,<AJS2 ホスト名>のホストでJP1/PFM が監視するリソースまたはアプリケーションに対応して生成されます。<AJS2 ホスト名>が属する<ジョブネット名>の監視グループが表すジョブネットに関係しないリソースまたはアプリケーションの監視オブジェクトは,手動で削除してください。
<Cosminexus 運用管理エージェントホスト名>の監視グループ配下の JP1/PFM の監視オブジェクトについても同様に,<Cosminexus 業務> の監視グループが表すJ2EEアプリケーションに関係しないリソースまたはアプリケーションの監視オブジェクトは手動で削除してください。
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JP1/Cm2/NNMを監視するために,JP1/BaseのSNMPトラップ変換機能のフィルター定義ファイル(snmpfilter.conf)を編集する場合は,サンプルファイル(snmpfilter_im_sample.conf)の定義のうち,お客様の環境で監視対象とするSNMPトラップに関する定義のみをフィルター定義ファイルに追加してください。なお,フィルター定義ファイルの定義内容を次の式で900バイト以内としてください。
((a1+1)+(a2+1)+(a3+1)+(a4+1).........(an+1))+34 < 900バイト
・an: snmpfilter.confで定義されているSNMPトラップのOID長(OIDが【.1.2.3.4.5】の場合,anは10バイトになります)。
・snmpfilter.confに一般トラップが定義されている場合,フィルターサイズは[上記計算式の結果+(一般トラップ数×2)]になります。
・フィルターはフィルターファイル(snmpfilter.conf)で定義されている内容を元に,該当するオブジェクトID(OID)をNNMのtrapd.confから取得したものです。
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セントラルスコープの[共通条件設定]画面の[共通条件設定]一覧に,次の共通条件が表示されますが,使用しません。
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System Alert Event(SSO),Application Alert Event(SSO)などJP1/Cm2/SSO関連の共通条件
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System Error Event(SCIM),System Warning Event(SCIM) などSCIM関連の共通条件
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Physical Host Emergency Event(System Manager)などSystem Manager関連の共通条件
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セントラルスコープの[新規監視ノード作成]画面の[監視ノード種別]一覧に,以下の監視オブジェクトが表示されますが,使用しません。
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System Alert Event(SSO),Category Monitoring(SSO)などJP1/Cm2/SSO関連の監視オブジェクト
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System Error Event(SCIM),System Warning Event(SCIM) などSCIMと関連の監視オブジェクト
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Physical Host Monitoring(System Manager) などSystem Manager関連の監視オブジェクト
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セントラルスコープの[自動生成−構成選択]画面の[生成ツリー]一覧に,以下のツリー生成テンプレートが表示されますが,使用しません。
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システム構成ツリー
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セントラルスコープのJP1イベント受信性能向上に向けたチューニングポイントについて
JP1/IM - ManagerのJP1イベント受信時において,セントラルスコープでは受信したJP1イベントと監視ツリー中の各監視オブジェクトの状態変更条件との比較処理を行うため,監視オブジェクトの数が増大した場合,この比較回数が増大し,セントラルコンソール含めたJP1/IM - Manager全体のJP1イベント受信性能の性能劣化の要因となります。この性能劣化を防止し,セントラルスコープのJP1イベント受信性能向上を行うためのチューニングポイントを次に示します。
(a)状態変更条件メモリー常駐機能を有効にすることにより,JP1イベント受信時のセントラルスコープの処理でのディスクアクセス回数を削減でき,JP1イベントの受信性能の向上が期待できます。
(b)セントラルスコープは,比較対象の状態変更条件の削減のため,JP1イベント受信時に状態変更条件中の以下の項目を用いてフィルター処理を行います。
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共通条件
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個別条件としてホスト名(比較方法として[ホスト名比較]を設定した個別条件)
そのため,監視オブジェクトの状態変更条件には上記の項目を設定することに
より,比較対象の状態変更条件を減らすことができ,JP1イベントの受信性能
の向上が期待できます。
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システム監視オブジェクト[NNMi監視]または[ノード監視(NNMi)]を使用する場合は,JP1/IM-EG for NNMiが発行する,NNMiインシデントを変換したJP1イベントに,拡張属性NNMI_FAMILY_UKを設定してください(デフォルトでは設定されません)。
拡張属性NNMI_FAMILY_UKを設定しない場合,システム監視オブジェクト[NNMi監視]または[ノード監視(NNMi)]による監視を行うことができません。拡張属性NNMI_FAMILY_UKの設定手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management2 - Event Gateway for Network Node Manager i」を参照してください。