5.4.1 JP1/AJSと連携した場合の注意事項
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jddcreatetreeコマンドは,JP1/AJS3 - Managerホストでジョブを実行していない時間帯に実行してください。ジョブの実行中にjddcreatetreeコマンドを実行した場合,両方の処理の負荷が同時にかかることにより,それぞれの処理が遅延する可能性があります。
ジョブを実行しない時間帯がない場合は,ジョブ実行量が少ない時間帯にjddcreatetreeコマンドを実行し,業務に与える影響が少なくなるよう検討してください。また,事前に開発環境で十分に検証し,それぞれの処理に問題が発生しないことを確認してください。
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jddcreatetreeコマンドで,各JP1/AJS3 - Managerホストから情報を取得できる時間は最大60分です。60分を超えた場合,タイムアウトが発生し情報を取得することはできません。情報取得に60分以上かかりタイムアウトした場合,JP1/AJS3 - Managerホストでは情報取得処理を行うアダプタコマンドのプロセス「IMDDAdapter_HITACHI_JP1_AJS3」が動作し続けている可能性があります。
アダプタコマンドは二重実行不可のため,再度情報を取得する場合はJP1/AJS3 - Managerホスト上で次に示す方法によって「IMDDAdapter_HITACHI_JP1_AJS3」プロセスを強制終了する必要があります。
- Windowsの場合
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タスクマネージャーを使用して強制終了する
- UNIXの場合
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killコマンドを使用して強制終了する
その後,情報取得時間が60分以下になるようユニット構成や実行登録済みのジョブネット数を調整し,再度jddcreatetreeコマンドを実行してください。
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jddcreatetreeコマンドで取得するユニット情報のうち,次のユニットは対象外です。
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マネージャージョブグループ
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マネージャージョブネット
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リカバリーマネージャージョブネット
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リモートジョブネットおよびその配下のユニット
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リカバリーリモートジョブネットおよびその配下のユニット
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実行先サービスに「キューレス」を指定したJP1イベント送信ジョブ,および待ち合わせ条件付きユニット
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ルートジョブネットと同じ階層に定義されたJP1イベント受信監視ジョブおよびJP1イベント送信ジョブ
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実行登録されていないルートジョブネットおよびその配下のユニット
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JP1/AJS3 - Managerホストで実行中のアダプタコマンドは,JP1/IM2 - Managerホストからは実行をキャンセルできません。キャンセルする場合はJP1/AJS3 - Managerホスト上で次の方法を使って「IMDDAdapter_HITACHI_JP1_AJS3」プロセスを強制終了してください。
- Windowsの場合
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タスクマネージャーを使用して強制終了する
- UNIXの場合
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killコマンドを使用して強制終了する
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JP1/AJS3 - Managerホストから情報を取得できるユニット数は,一つのJP1/AJS3 - Managerホストあたり40万です。40万ユニットを超えている場合,jddcreatetreeコマンドはメッセージKAJY04260-Eを出力して失敗し,構成管理ツリーは更新されません。ユニット数はJP1/AJS3 - Managerホスト上で次のコマンドを実行して見積もることができます。
- Windowsの場合
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次に示すコマンドを実行して得られた行数の合計
ajsname -F スケジューラーサービス名 -R -E "/"
ajsname -F スケジューラーサービス名 -R -G "/"
- UNIXの場合
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次に示すコマンドを実行して得られた行数の合計
/opt/jp1ajs2/bin/ajsname -F スケジューラーサービス名 -R -E "/"
/opt/jp1ajs2/bin/ajsname -F スケジューラーサービス名 -R -G "/"
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JP1/AJS3 - Managerホストで,環境設定パラメーター「ADMACLIMIT」を「yes」にしている場合,jddcreatetreeコマンドによる情報取得が失敗する可能性があります。次の対処方法に従って情報を取得できるようにしてから運用してください。
- Windowsの場合
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環境設定パラメーター「ADMACLIMIT」を「no」に設定するか,パラメーターを削除して機能を無効にしてください。またはJP1/AJS3 - Managerホストで,「system」という名前のJP1ユーザーを登録し,次に示すJP1権限レベルのどれかを設定してください。
・JP1_AJS_Admin権限
・JP1_AJS_Manager権限
・JP1_AJS_Editor権限
・JP1_AJS_Operator権限
・JP1_AJS_Guest権限
- UNIXの場合
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環境設定パラメーター「ADMACLIMIT」を「no」に設定するか,パラメーターを削除して機能を無効にしてください。またはJP1/AJS3 - Managerホストで,スーパーユーザーをJP1ユーザーとして登録し,次に示すJP1権限レベルのどれかを設定してください。
・JP1_AJS_Admin権限
・JP1_AJS_Manager権限
・JP1_AJS_Editor権限
・JP1_AJS_Operator権限
・JP1_AJS_Guest権限
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jddcreatetreeコマンドで取得する,ユニット名,ユニット定義内容,実行エージェント名,JP1資源グループ名などの情報に制御文字が含まれている場合,情報取得が失敗する可能性があります。取得する情報には,制御文字を含めないようにして運用してください。
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トレンド情報取得先のJP1/AJS3マネージャーホストでシステム時刻が過去に戻された※場合,システム時刻の戻りによって稼働状況ログファイルに重複して記録された日時と,トレンド情報表示期間の開始または終了に指定した日時が重なると,稼働状況ログファイル内の重複したレコードが一部だけ表示されるときがあります。その場合,次のどちらかの方法で回避できるときがあります。
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時間を空けてから再度表示する
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期間を変更して再度表示する
上記の回避策を実施しても正しく出力されない場合は,次に示す方法を実施してください。
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トレンド情報取得先のJP1/AJS3マネージャーホスト上でajsreportコマンドを実行してください。トレンド情報のメトリックとajsreportコマンドの稼働状況レポートに出力される項目の一覧は,マニュアル「JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 画面リファレンス」の「2.5.1 JP1/AJSから取得できるメトリック」を参照してください。
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稼働状況ログファイルの削除を検討してください。稼働状況ログファイルの削除には,トレンド情報取得先のJP1/AJS3マネージャーホストのスケジューラーサービスを停止する必要があります。詳細は,JP1/Automatic Job Management System 3のマニュアルを参照してください。
注※ トレンド情報表示機能の前提条件を満たしていない場合,またはトレンド情報取得先のJP1/AJS3マネージャーホストでJP1/AJS3サービス停止中にシステム時刻が過去に戻された場合が該当します。JP1/AJS3サービス停止中にシステム時刻を過去に戻す場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド」を参照し,稼働状況ログファイルを削除してください。
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jddcreatetreeコマンドで情報を取得する対象のJP1/AJS3 - Managerホストが12-50以降の場合,jddcreatetreeコマンドを実行する前に,情報取得対象のJP1/AJS3 - Managerホストで,ジョブ実行先のエージェントホスト名が正しく名前解決できるようにしておいてください。