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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


13.3.12 複数拠点の監視

複数の拠点にある監視対象サーバで発生した事象を,一つの統合監視サーバのJP1/IM - Managerで一元的に監視できます。

また,それぞれの拠点で使用する監視対象サーバのホスト名,およびIPアドレスは,ほかの拠点に存在する監視対象サーバのホスト名,およびIPアドレスに関係なく自由に設定できます。同一拠点内では,一意になるように設定してください。

統合監視サーバ,および拠点監視サーバのホスト名,およびIPアドレスについては,システム内で一意のものを設定してください。

図13‒15 システム構成

[図データ]

複数拠点の監視でホスト名,およびIPアドレスが重複する場合の前提条件,制限事項を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

項番

対象サーバ

前提条件

1

拠点監視サーバ

拠点内の監視対象サーバを監視するための,JP1/IM - Manager,JP1/Baseがインストールされた拠点監視サーバが必要です。

2

拠点監視サーバ

監視対象サーバ

監視対象サーバの監視は,拠点監視サーバからのリモート監視で運用します。統合監視サーバから監視対象サーバをリモート監視できません。なお,エージェント構成(監視対象サーバにJP1/Baseをインストール)で監視する場合は,監視対象サーバでFQDN形式のイベントサーバを設定してください。詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

3

統合監視サーバ

拠点監視サーバ

統合監視サーバ,および拠点監視サーバは,相互に通信が可能な環境にしてください。

4

統合監視サーバ

拠点監視サーバ

統合監視サーバ,および拠点監視サーバはシステム構成全体でホスト名,およびIPアドレスを一意,かつ固定にしてください。拠点監視サーバのホスト名やIPアドレスを変更する場合は,JP1/IM - Manager,JP1/Baseのフィルター条件などの見直しやサービスの再起動が必要になります。詳細については,「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」の「2.2 ホスト名を変更する場合に必要な作業」,および「2.3 IPアドレスを変更する場合に必要な作業」を参照してください。

5

監視対象サーバ

監視対象サーバは同一拠点内でホスト名,IPアドレスを一意にしてください。

6

監視対象サーバ

監視対象サーバのホスト名は固定にしてください。監視対象サーバのホスト名を変更する場合はIM構成管理DBに登録されているホスト情報の変更が必要になります。詳細についてはマニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド」の「3.1.5 ホスト情報の属性を変更する」を参照してください。

7

統合監視サーバ

拠点監視サーバ

監視対象サーバ

監視対象サーバにDHCP接続する場合,拠点監視サーバは監視対象サーバのホスト名からDNSなどでIPアドレスを動的に解決できる環境にしてください。ただし,総合監視サーバが監視対象サーバのホスト名を解決できる必要はありません。また,統合監視サーバ,拠点監視サーバについて,DHCPによるIPアドレスの管理をする場合,IPアドレスの割り当て期限を無制限にしてIPアドレスが変わらないようにしてください。詳細については「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「13.4.1 ホスト名とIPアドレス」を参照してください。

8

監視対象サーバ

監視対象サーバのIPアドレス変更をする場合,その監視対象サーバに対する監視を停止してから変更して,変更後に監視を再開してください。DHCPでIPアドレス再割り当て時に変更された場合も同じです。また,拠点監視サーバがDNSなどで変更後のIPアドレスを解決できる環境にしてください

(2) 制限事項

項番

条件

制限事項

1

IM構成管理を使用して,システムの階層構成(統合監視サーバと拠点監視サーバの階層構成)を設定する場合

統合監視サーバのIM構成管理で監視対象サーバを管理できません。

拠点内の拠点監視サーバを,複数拠点の監視用の「拠点マネージャー」として設定しないでください。

2

システム構成(拠点監視サーバのリモート監視による監視対象サーバの監視)の場合

リモート監視は,監視できるログファイルサイズやWindowsイベントログの取得上限などがエージェント構成とは異なります。

詳細については「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「6.6 リモートの監視対象ホストの管理」を参照してください。

3

監視対象サーバに対して操作する場合

統合監視サーバは監視対象サーバを一意に識別できないため,コマンドなどで統合監視サーバから監視対象サーバを操作できません。

4

インテリジェント統合管理基盤で監視対象サーバを監視する場合

統合監視サーバは複数拠点の同名監視対象サーバを一意に識別できないため,ツリー上で別々のノードとして監視できません。