Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


9.1.1 JP1/Service Supportと連携する場合にインシデントとして登録できるJP1イベントの属性

JP1/IM - Viewに表示されたJP1イベントをインシデントとしてJP1/Service Supportに登録する場合,JP1イベントの属性がインシデントとして自動的に引き継がれます。

なお,インシデントとしてJP1/Service Supportに登録できるJP1イベントの種類は,JP1/IM - ViewがログインしているマネージャーホストのイベントDB,または統合監視DBに登録されているJP1イベントだけです。エージェントホストのイベントDBに登録されているJP1イベントや,JP1/IM - Viewだけに表示されるダミーイベントについては,インシデントとして登録できません。

JP1/Service Supportにインシデントとして登録する情報は,インシデントの登録モードを切り替えることで変更できます。インシデントの登録モードの説明と選択基準を次の表に示します。

表9‒1 インシデントの登録モードの説明と選択基準

インシデントの登録モード

説明

選択基準

JP1/IM - Manager,JP1/IM - View,JP1/Service Supportの対応バージョン

SS_MODE=1

引き継ぐ属性と引き継ぎ先は固定している。

JP1/IM - Manager 10-00以前と同じ仕様でJP1/Service Supportと連携する場合

09-50以降

SS_MODE=2

  • 引き継ぐ属性と引き継ぎ先は固定している。

  • SS_MODE=1で引き継ぐ属性のほかにイベントID(B.IDBASE)が引き継がれる。

  • イベントIDを登録する場合

  • JP1/IM - Manager,JP1/Service Support,JP1/Navigation Platformで連携する場合

10-10以降

SS_MODE=3

  • 引き継ぐ属性と引き継ぎ先の組合せを設定できる。

  • 1件の引き継ぎ先に,複数の属性を引き継ぐことができる。

  • 任意の文字列を引き継ぐことができる。

  • 任意の属性や任意の文字列を登録する場合

  • JP1/IM - Manager,JP1/Service Support,JP1/Navigation Platformでの連携も可能

11-50以降

インシデント登録モードの概要図を次に示します。

図9‒2 インシデント登録モードの概要図

[図データ]

インシデントの登録モードは,インシデント手動登録定義ファイルでSS_MODEパラメーターに値を設定することで切り替えることができます。SS_MODEパラメーターが指定されていない場合は,インシデントの登録モードが1として動作します。インシデント手動登録定義ファイル(incident.conf)の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「インシデント手動登録定義ファイル(incident.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) インシデントの登録モードが1または2の場合に引き継がれるJP1イベントの属性

インシデントの登録モードが1または2の場合に,JP1/Service Supportの[案件作成]画面の項目と合わせてインシデントとして引き継がれるJP1イベントの属性を次の表に示します。

表9‒2 JP1/IM - Viewからインシデントとして引き継がれるJP1イベントの属性(インシデントの登録モードが1または2の場合)

インシデント

JP1イベントの属性

JP1イベントDB通し番号(JIMSD_FORM_IMEVENTNO

JP1イベントのイベントDB内通し番号(B.SEQNO)が引き継がれる。

JP1/IM - Managerのホスト名(JIMSD_FORM_IMHOSTNAME

JP1/IM - ViewでログインしているJP1/IM - Managerのホスト名が引き継がれる。最大255バイト。

概要(JIMSD_FORM_SUMMARY

次の情報が引き継がれる。

  • JP1イベントのイベントID(B.IDBASE※1

    [イベント詳細]画面に表示するイベントIDと同じ形式

  • JP1イベントのメッセージ(B.MESSAGE

    最大1,023バイト

  • 発行元イベントサーバ名(B.SOURCESERVER※2

    最大255バイト

重大度(JIMSD_FORM_SEVERITYCODE

JP1イベントの重大度(E.SEVERITY)が引き継がれる。

なお,重大度は次のコードで引き継がれる。

Emergency=1,Alert=2,Critical=3,Error=4,Warning=5,Notice=6,Information=7,Debug=8

また,Emergency,Alert,Critical,Error,Warning,Notice,Information,Debug以外の場合は,Informationとして引き継がれる。

プロダクト名(JIMSD_FORM_JP1PRODUCTNAME

JP1イベントのプロダクト名(E.PRODUCT_NAME)が引き継がれる。最大255バイト。

注※1 インシデントの登録モードが1の場合は引き継がれません。

注※2 発生元ホストのマッピングを有効にした場合,発行元イベントサーバ名(B.SOURCESERVER)の代わりに発生元ホスト名(E.JP1_SOURCEHOST)の情報が引き継がれます。

(2) インシデントの登録モードが3の場合に引き継がれるJP1イベントの属性

インシデントの登録モードが3の場合,任意のJP1イベントの属性や文字列をインシデントとして引き継ぐことができます。JP1イベントの属性や文字列を,JP1/Service Supportのどの案件項目に引き継ぐかは,インシデント引き継ぎ情報設定ファイル(incident_info.conf)に定義します。

図9‒3 インシデント引き継ぎ情報設定ファイルとJP1/Service Supportの[案件作成]画面の関係

[図データ]

詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「インシデント引き継ぎ情報設定ファイル(incident_info.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

(3) インシデント登録ができるバージョンの組み合わせ

インシデント登録ができる組み合わせを次の表に示します。

表9‒3 インシデント登録ができるバージョンの組み合わせ(JP1/IM - ManagerとJP1/IM - Viewの接続性)

JP1/IM - Managerのバージョン

インシデントの登録モード

JP1/IM - Viewのバージョン

09-10以前

09-50〜10-00

10-10〜11-10

11-50以降

09-10以前

09-50〜10-00

1

10-10〜11-10

1

2

11-50以降

1

2

3

×

×

(凡例)

○:SS_MODEに指定したモードでインシデント登録ができる

△:SS_MODE=1の機能範囲でインシデント登録ができる

×:JP1/Service Supportとの連携機能は無効([インシデント登録]メニューおよび[インシデント登録]ボタンが表示されない)

−:JP1/Service Supportとの連携機能がない

注※

インシデントの登録モードの機能差異については,「表9-1 インシデントの登録モードの説明と選択基準」を参照してください。

JP1/IM - ViewとJP1/Service Supportの接続性については,マニュアル「JP1/Service Support 構築・運用ガイド」を参照してください。

(4) インシデントの登録モードを切り替える場合の注意事項

JP1/Service Supportを呼び出す際のURLの最大長は2,046文字です。インシデントの登録モードを2に設定した場合,イベントIDを引き継ぐため,登録モードを1に設定した場合より,引き継げるメッセージが短くなります。メッセージが途中で切れている場合は,ユーザーが[イベント詳細]画面に表示されているメッセージをJP1/Service Supportにコピー&ペーストしてください。