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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


7.3.2 仮想化構成情報の設定

仮想化システム構成を管理するには,IM構成管理に仮想化構成情報を設定する必要があります。なお,仮想ホストを含むシステムの階層構成を管理する場合でも,[ホスト一覧]ページへの仮想化システム構成の表示機能などを使用しないときは,仮想化構成情報を設定する必要はありません。詳細については,「7.3 仮想化システム構成の管理」を参照してください。

仮想化構成情報を設定する方法には,次の3種類があります。

〈この項の構成〉

(1) IM構成管理による仮想ホストのホスト情報の入力

仮想ホストを管理対象ホストとして直接登録します。ホスト種別で「仮想ホスト」を選択し,「VMMホスト」を指定します。

(2) 仮想化構成のホスト情報のインポート

仮想化構成のホスト情報を取得し,IM構成管理から出力したホスト入力情報ファイルとマージします。その後,マージしたホスト入力情報ファイルをIM構成管理にインポートします。

仮想化構成のホスト情報を更新する流れを次の図に示します。

図7‒17 仮想化構成のホスト情報を更新する流れ

[図データ]

複数の仮想化構成情報のファイルが存在する場合は,ファイル数分だけjcfmkhostsdataコマンドを実行して,ホスト情報の更新を繰り返す必要があります。

仮想化構成情報の更新例を次の図に示します。

図7‒18 仮想化構成情報の更新例

[図データ]

(3) [IM構成管理]画面からの仮想化構成収集または仮想化構成一括収集

VMMホストの追加や仮想化構成の変更などが仮想化構成情報に反映され,[IM構成管理]画面に表示されます。

(a) ホスト情報が更新される場合

収集した仮想化構成情報の中にIM構成管理DBに登録されているホストが存在した場合,IM構成管理は同一ホストと見なしてホスト情報のホスト種別を更新します。このとき,収集したホスト情報とIM構成管理DBに登録されているホスト情報のホスト種別が一致していない場合,ホスト名が同じであるが別のホストのおそれがあるため,ホスト情報を更新しません。ただし,ホスト種別が不明となっているホストについては更新します。また,ホスト種別が一致しなかった登録ホスト,およびホスト種別が一致しなかった登録ホストを管理している仮想化システム管理ホストは,仮想化収集状態が不一致となります。ホスト情報が更新されるためのホスト種別の条件を表7-21に,仮想化収集状態の状態遷移について表7-22にそれぞれ示します。

表7‒21 ホスト情報が更新されるためのホスト種別の条件

収集されたホスト種別

登録されているホスト種別

物理ホスト

論理ホスト

仮想ホスト

不明

物理ホスト

×

×

論理ホスト

仮想ホスト

※1

×

不明(HCSMが管理するホストのうち,日立サーバ論理分割機構以外のホスト)

×

×

×

不明※2

(凡例)

○:更新できる

△:条件によって更新できる

×:更新できない

−:該当なし

注※1 次の条件をすべて満たす場合は,ホスト情報を更新できます。また,条件を満たしたホストのホスト種別は仮想ホストになります。

  • 自身の仮想化管理種別がKVMとして登録されている。

  • VMMホストの仮想化管理種別が日立サーバ論理分割機構として収集されている。

注※2 収集されたデータに該当ホストがない状態,およびデータが削除された状態です。

表7‒22 仮想化収集状態の状態遷移

仮想化収集状態

仮想化収集状態が遷移する契機

未収集

ホスト情報をまだ収集していない。

収集失敗

ホストに接続できない,OSユーザー認証に失敗した,仮想化システム構成を管理するための条件を満たしていないなどの理由で,ホスト情報の収集に失敗する。

収集済み

ホスト情報の収集に成功する。

不一致

収集したホスト情報のホスト種別と,IM構成管理DBに登録されているホスト種別が異なる。

仮想化システム管理ホストから仮想化構成情報を収集した場合,仮想化システム管理ホストに管理されているホストの仮想化構成情報も更新します。また,仮想化システム管理ホストとVMMホストとの関連情報(VMMホスト情報)も,仮想化構成の収集時に収集されてIM構成管理DBに格納されます。ただし,仮想化システム管理ホストが削除されたり,仮想化システム管理ホストの仮想化構成情報が変更されたりした場合は,VMMホスト情報が削除されます。詳細については,「7.3.2(3)(c) VMMホスト情報が削除される場合」を参照してください。

仮想化構成の収集時に仮想化構成が変更されていた場合,仮想化構成は次の表のように変更されます。

表7‒23 収集後の仮想化構成

変更内容

収集後の仮想化構成

仮想ホストが追加された

ホストを追加し,VMMホスト情報を与える

仮想ホストが削除された

  • ホストのVMMホスト情報を削除する

  • VMMホストとの関連がなくなるため,ホスト一覧の直下に表示される

仮想ホストが移動された

ホストのVMMホスト情報を更新する

停止していた仮想ホストが起動した

構成の変更なし

起動中の仮想ホストが停止した

構成の変更なし

起動中の仮想ホストがサスペンド状態になった

構成の変更なし

VMMホストが追加された

VMMホストとVMMホスト上で動作する仮想ホストを登録する

VMMホストが削除された

  • ホストのVMMホスト情報を削除する

  • VMMホストの管理元である仮想化システム管理ホストの情報を削除する

  • 仮想ホストはVMMホストとの関連がなくなるため,ホスト一覧の直下に表示される

(b) 仮想化構成情報が削除される場合

収集した仮想化構成情報のホスト種別が「論理ホスト」および「不明」の場合,仮想化構成情報を保持できません。このため,ホスト種別が「物理ホスト」または「仮想ホスト」のときに仮想化構成情報を設定していても,ホストの種別を「論理ホスト」または「不明」に変更した場合には,仮想化構成情報が削除されます。

ホスト種別を変更したときに仮想化構成情報が削除される場合を次の表に示します。

表7‒24 ホスト種別を変更したときに仮想化構成情報が削除される場合

変更前のホスト種別

変更後のホスト種別

物理ホスト

論理ホスト

仮想ホスト

不明

物理ホスト

×

×

論理ホスト

仮想ホスト

×

×

不明

(凡例)

○:削除する

×:削除しない

−:該当なし

注※ 収集されたデータに該当ホストがない状態,およびデータが削除された状態です。

(c) VMMホスト情報が削除される場合

VMMホスト情報は,次に示す場合にIM構成管理DBから削除されます。

  • vCenter,JP1/SC/CM,SCVMM,またはHCSMがインストールされている仮想化システム管理ホストが削除された場合

  • vCenter,JP1/SC/CM,SCVMM,またはHCSMがインストールされている仮想化システム管理ホストで仮想化管理種別が変更された場合

  • vCenter,JP1/SC/CM,SCVMM,またはHCSMがインストールされている仮想化システム管理ホストでホスト種別が変更された場合