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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


3.7.1 プロアクティブ監視

インテリジェント統合管理基盤のプロアクティブ監視は,JP1/AJSの負荷高騰など,業務障害の予兆を監視します。また,関連する性能(トレンド)情報の相関を可視化し把握を容易にすることで,管理者による異常や予兆の原因の素早い切り分けを支援します。

管理者は,JP1/AJSが検知した異常な事象を通知によって把握し,イベント一覧で対象のJP1イベントのイベント詳細を確認します。その後,トレンド情報でスケジューラーサービスの稼働状況を確認し,障害の原因を切り分けします。

プロアクティブ監視の概要を次の図に示します。

図3‒16 プロアクティブ監視の概要

[図データ]

トレンド情報の概要を次の図に示します。

図3‒17 トレンド表示の概要

[図データ]

なお,トレンド情報表示機能を使用する場合は,トレンド情報取得先の各JP1/AJS3マネージャーホストが,次の前提条件を満たしているかを確認してください。

前提条件

トレンド情報取得先の各JP1/AJS3マネージャーホストで,NTP(Network Time Protocol)などを使用してシステム時刻を変更する場合,次に示す条件を満たすようにしてください。

  • slewモードなどで運用し,同一時刻が発生しないようにミリ秒単位で補正する。

  • 時刻の補正をあとから確認できるように,時刻補正時にログを出力するようにする。

JP1/AJSと連携した場合は,JP1/AJSが稼働状況レポートで収集しているパフォーマンスデータのすべてを,トレンド情報に表示します。選択した管理対象のトレンド情報を表示し,JP1/AJSのジョブ実行の影響範囲や障害の要因を確認できます。トレンド情報を表示できるJP1/AJSのIM管理ノードは,「AJS - Managerホスト−Management Applications−JP1/AJS3 - Manager Scheduler Services配下のスケジューラーサービス」です。

JP1/PFMと連携した場合は,JP1/PFMが収集しているパフォーマンスデータをトレンド情報に表示します。JP1/IMが管理する関連性情報を元に,CPU使用率や空きメモリ量など,選択したノードに関連するインフラを確認できます。また,ユーザー定義によって表示するデータの追加もできます。トレンド情報を表示できるJP1/PFMのIM管理ノードについては,バージョン12-10以降のマニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」を参照してください。

トレンド情報の表示期間は,JP1イベントを選択すると自動的に設定されます。任意の時間帯を設定したり,過去1時間に絞って表示したりできます。

このように,プロアクティブ監視はシステム運用への影響をいち早く確認し,重大な業務障害が発生する前の対処を可能にします。