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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


1.4.3 問題の調査

JP1/IM - Managerでは,システムで発生した問題の調査を,セントラルコンソールまたはセントラルスコープを基点とした一連の操作の流れに統合することで,運用作業を簡略化します。

〈この項の構成〉

(1) セントラルコンソールを基点とした問題の調査

セントラルコンソールを基点とした場合,問題調査から対策までの一連の流れは次のようになります。

(a) イベント詳細

まず,問題発生を検知したイベントの詳細を確認します。対処方法や対応手順を登録しておくことで,問題の初動対応がより円滑,迅速に行えるようになります。

図1‒20 ガイドによる対処方法のアドバイス(イベントガイド情報)

[図データ]

(b) イベント検索

問題発生イベント(問題発生を通知するイベント)だけでなく,その関連イベント(その問題が発生するまでに発生した事象)を問題発生時の状況として総合的に確認し調査を進める場合,イベント検索を使用します。

(c) イベント調査

イベント詳細やイベント検索によって問題の状況を確認したあと,個々のイベントについて調査を進めます。

表示されているJP1イベントから,関連する管理アプリケーションを直接起動でき,より直感的な操作で,監視画面から調査画面へ移って調査を始めることができます。また,セントラルコンソールから直接,エージェント上でWindowsやUNIXのコマンドを実行できます。エージェントにtelnetなどで接続する必要がなくコマンドが実行でき,簡単な確認などを容易にできます。

図1‒21 JP1/IM - Managerからの各種操作

[図データ]

(2) セントラルスコープを基点とした問題の調査

セントラルスコープを基点とした問題調査では,まずセントラルスコープによって問題個所を絞り込み,その後,セントラルコンソールと連携して問題個所を調査します。

セントラルスコープを基点とした場合,問題調査から対策までの一連の流れは次のようになります。

(a) 問題個所および影響範囲の確認

システムで障害が発生すると,[監視ツリー]画面および[ビジュアル監視]画面のアイコンである監視ノードが障害発生状態に変化します。障害表示となっている監視ノードをツリーの上位から確認し,問題が発生しているリソースの影響個所を特定します。

図1‒22 影響個所の確認

[図データ]

問題発生個所の確認方法はガイド情報を使用すると便利です。ガイド機能には,障害時の運用手順や各種エラー事例など,運用ノウハウを登録できます。多種多様なリソースに合わせて問題を適切に対処するのは容易ではありませんが,ガイド機能を活用して問題発生の運用方法をガイドすることで,システム管理者の負担を軽減できます。

重要

ガイド機能を表示するには,あらかじめガイド情報を登録しておく必要があります。ガイド機能の詳細については,「5.8 ガイド機能」およびマニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド」の「6.6 ガイド情報の編集」を参照してください。

図1‒23 ガイド機能による対応手順のアドバイス

[図データ]

(b) 問題個所の確認

障害状態になっている監視ノードが特定できたら,障害の原因になったイベントを確認します。

障害状態の監視ノードを選択して[状態変更イベント検索]を実行します。[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページが開き,監視ノードが障害状態になる原因となったJP1イベントの検索結果が表示されます。

図1‒24 問題個所の確認

[図データ]

(c) 問題の調査

問題が発生した監視ノードを特定できたら,障害状態になる要因となったイベントを確認します。イベントの確認にはセントラルコンソールを使用します。問題発生要因のJP1イベントは,連携によって呼び出したセントラルコンソールによって,問題内容を調査します。