付録C.9 WSFCを使用する場合
(1) クラスタ構成で使用するアカウント
WSFCでは,クラスタ構成の場合もサービス実行アカウントにLocal Systemアカウントを指定できます。クラスタ構成でも各サービスの実行アカウントは変更しません。JP1/DH - Serverで使用するアカウントの一覧を,次の表に示します。
項番 |
名称 |
説明 |
---|---|---|
1 |
Local System(またはSystem) |
JP1/DH - Server,リバースプロキシの実行アカウントとして使用する。 インストールフォルダ,および共有ディスクへのフルコントロール許可を与えてください。 |
2 |
クラスタの作成に使用するユーザアカウント |
WSFCクラスタをセットアップする際に使用する。 Domain Adminsグループに所属する必要があります。 |
3 |
クラスタ名アカウント |
クラスタ自体のコンピュータ アカウント。 |
4 |
クラスタ化されたサービス,またはアプリケーションのコンピュータ アカウント |
クラスタ化されたサービス,またはアプリケーションのコンピュータ アカウント。 |
5 |
postgres |
データベースの実行アカウントとして使用する。共有ディスクへの参照/書き込み権限を保持する必要がある。 |
(2) クラスタ構成で使用するレジストリキー
JP1/DH - Serverを標準構成でセットアップした場合,データベースの起動オプションDはレジストリキーに含まれているため,次のレジストリキーの値を,インストールドライブから共有ディスクの値に変更してください。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\JP1_DH_DATABASE_SVR\ImagePath
例を次に示します。
- 変更前
C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/bin/pg_ctl.exe runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D " C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/data" -w
- 変更後
C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/bin/pg_ctl.exe runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D "I:/PostgreSQL/9.4/data" -w
(3) 汎用サービスの設定値
JP1/DH - Serverで使用するサービスは,すべてWindowsサービスとして登録されます。サービスごとの設定値を,次の表に示します。
項番 |
分類 |
項目 |
設定値 |
---|---|---|---|
1 |
全般 |
リソース名 |
JP1_DH_DATABASE_SVR |
2 |
リソースの種類 |
汎用サービス |
|
3 |
サービス名 |
JP1_DH_DATABASE_SVR |
|
4 |
スタートアップパラメータ |
"<JP1/DH - Server インストール先フォルダ>¥PostgreSQL¥9.4¥bin¥pg_ctl.exe" runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D "I:¥PostgreSQL¥9.4¥data" -w |
|
5 |
コンピュータ名にネットワーク名を使用する |
チェックあり |
|
6 |
依存関係 |
サービス名と条件 |
クラスタディスク名 ANDクラスタネットワーク名 |
7 |
ポリシー |
リソースエラーへの対応 |
リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる |
8 |
再起動時間(mm:ss) |
15:00(デフォルト値) |
|
9 |
指定時間内での再起動の施行回数 |
1(デフォルト値) |
|
10 |
再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする |
チェックあり(デフォルト値) |
|
11 |
再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する |
01:00(デフォルト値) |
|
12 |
保留タイムアウト(mm:ss) |
03:00(デフォルト値) |
|
13 |
詳細なポリシー |
実行可能な所有者 |
ノード 001 ノード 002 |
14 |
基本的なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
15 |
完全なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
16 |
このリソースを別のリソースモニターで実行する |
チェックなし |
|
17 |
レジストリのレプリケーション |
指定なし |
項番 |
分類 |
項目 |
設定値 |
---|---|---|---|
1 |
全般 |
リソース名 |
JP1_DH_WEB CONTAINER |
2 |
リソースの種類 |
汎用サービス |
|
3 |
サービス名 |
JP1_DH_WEBCON |
|
4 |
スタートアップパラメータ |
"<JP1/DH - Serverインストール先フォルダ>\sbin\jp1dhwebcon.exe" -start |
|
5 |
コンピュータ名にネットワーク名を使用する |
チェックなし |
|
6 |
依存関係 |
サービス名と条件 |
JP1_DH_DATABASE_SVR |
7 |
ポリシー |
リソースエラーへの対応 |
リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる |
8 |
再起動時間(mm:ss) |
15:00(デフォルト値) |
|
9 |
指定時間内での再起動の施行回数 |
1(デフォルト値) |
|
10 |
再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする |
チェックあり(デフォルト値) |
|
11 |
再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する |
01:00(デフォルト値) |
|
12 |
保留タイムアウト(mm:ss) |
03:00(デフォルト値) |
|
13 |
詳細なポリシー |
実行可能な所有者 |
ノード 001 ノード 002 |
14 |
基本的なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
15 |
完全なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
16 |
このリソースを別のリソースモニターで実行する |
チェックなし |
|
17 |
レジストリのレプリケーション |
指定なし |
項番 |
分類 |
項目 |
設定値 |
---|---|---|---|
1 |
全般 |
リソース名 |
JP1_DH_WEB SVR |
2 |
リソースの種類 |
汎用サービス |
|
3 |
サービス名 |
JP1_DH_WEBSVR |
|
4 |
スタートアップパラメータ |
指定なし |
|
5 |
コンピュータ名にネットワーク名を使用する |
チェックなし |
|
6 |
依存関係 |
サービス名と条件 |
JP1_DH_WEB CONTAINER |
7 |
ポリシー |
リソースエラーへの対応 |
リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる |
8 |
再起動時間(mm:ss) |
15:00(デフォルト値) |
|
9 |
指定時間内での再起動の施行回数 |
1(デフォルト値) |
|
10 |
再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする |
チェックあり(デフォルト値) |
|
11 |
再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する |
01:00(デフォルト値) |
|
12 |
保留タイムアウト(mm:ss) |
03:00(デフォルト値) |
|
13 |
詳細なポリシー |
実行可能な所有者 |
ノード 001 ノード 002 |
14 |
基本的なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
15 |
完全なリソース正常性チェックの間隔 |
リソースの種類の標準間隔を使用する |
|
16 |
このリソースを別のリソースモニターで実行する |
チェックなし |
|
17 |
レジストリのレプリケーション |
指定なし |
(4) 注意事項
-
WSFCを使用したクラスタ構成の場合,ActiveDirectoryが必ず必要です。
-
JP1/DH - Serverが使用するOSがWindows Server 2012,Windows Server 2012 R2またはWindows Server 2016の場合,ドメインコントローラを別に用意する必要があります。
-
クラスタ構成のシステムを再起動する場合,複数のマシンを同時に再起動しないでください。必ず,一台ずつ起動してください。
(5) セットアップ
WSFCでクラスタ構成を構築する場合の,セットアップ手順について説明します。
なお,クラスタ構成とする場合は,すべてのノードのWindows Serverが同じバージョンであり,さらに同じActiveDirectoryに属するメンバーに設定されている必要があります。
-
クラスタ構成に使用するハードウェアを準備します。次に示すハードウェアが必要です。
-
2台以上のコンピュータ
-
共有ディスク(SCSI接続)
-
スイッチ
-
ネットワークインタフェース
共有ディスク以外はすべてコンピュータ台数分,用意してください。また,ネットワークインターフェースは,1つのコンピュータで2つ以上必要となります。
-
-
クラスタ構成で使用するActive Directoryを決定します。
既存のActive Directoryが存在する場合は,既存のActive Directoryへの参加を検討します。既存のActive Directoryへの参加が難しい,または既存のActive Directoryが存在しない場合は,クラスタ構成用に新規にActive Directoryを構築します。
-
新規にActive Directoryを構築する場合は,Active Directoryのインストール先を決定します。
Active Directory専用のコンピュータを用意して,Active Directoryをインストールします。
- 重要
-
ActiveDirectoryは,クラスタを構成しているJP1/DH - Serverとは別のサーバ上で稼働させることもできますが,非推奨の構成です。
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クラスタを構成するすべてのコンピュータに,フェールオーバークラスタリング機能をインストールして,クラスタを構成します。
フェールオーバークラスタリング機能については,Windowsのヘルプを参照してください。