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JP1 Version 12 JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド


付録C.9 WSFCを使用する場合

〈この項の構成〉

(1) クラスタ構成で使用するアカウント

WSFCでは,クラスタ構成の場合もサービス実行アカウントにLocal Systemアカウントを指定できます。クラスタ構成でも各サービスの実行アカウントは変更しません。JP1/DH - Serverで使用するアカウントの一覧を,次の表に示します。

表C‒7 クラスタ構成で使用するアカウント

項番

名称

説明

1

Local System(またはSystem)

JP1/DH - Server,リバースプロキシの実行アカウントとして使用する。

インストールフォルダ,および共有ディスクへのフルコントロール許可を与えてください。

2

クラスタの作成に使用するユーザアカウント

WSFCクラスタをセットアップする際に使用する。

Domain Adminsグループに所属する必要があります。

3

クラスタ名アカウント

クラスタ自体のコンピュータ アカウント。

4

クラスタ化されたサービス,またはアプリケーションのコンピュータ アカウント

クラスタ化されたサービス,またはアプリケーションのコンピュータ アカウント。

5

postgres

データベースの実行アカウントとして使用する。共有ディスクへの参照/書き込み権限を保持する必要がある。

(2) クラスタ構成で使用するレジストリキー

JP1/DH - Serverを標準構成でセットアップした場合,データベースの起動オプションDはレジストリキーに含まれているため,次のレジストリキーの値を,インストールドライブから共有ディスクの値に変更してください。

\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\JP1_DH_DATABASE_SVR\ImagePath

例を次に示します。

変更前
C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/bin/pg_ctl.exe runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D " C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/data" -w
変更後
C:/Program Files/Hitachi/jp1dh/server/PostgreSQL/9.4/bin/pg_ctl.exe runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D "I:/PostgreSQL/9.4/data" -w

(3) 汎用サービスの設定値

JP1/DH - Serverで使用するサービスは,すべてWindowsサービスとして登録されます。サービスごとの設定値を,次の表に示します。

表C‒8 データベースのサービスの設定値

項番

分類

項目

設定値

1

全般

リソース名

JP1_DH_DATABASE_SVR

2

リソースの種類

汎用サービス

3

サービス名

JP1_DH_DATABASE_SVR

4

スタートアップパラメータ

"<JP1/DH - Server インストール先フォルダ>¥PostgreSQL¥9.4¥bin¥pg_ctl.exe" runservice -N "JP1_DH_DATABASE_SVR" -D "I:¥PostgreSQL¥9.4¥data" -w

5

コンピュータ名にネットワーク名を使用する

チェックあり

6

依存関係

サービス名と条件

クラスタディスク名 ANDクラスタネットワーク名

7

ポリシー

リソースエラーへの対応

リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる

8

再起動時間(mm:ss)

15:00(デフォルト値)

9

指定時間内での再起動の施行回数

1(デフォルト値)

10

再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする

チェックあり(デフォルト値)

11

再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する

01:00(デフォルト値)

12

保留タイムアウト(mm:ss)

03:00(デフォルト値)

13

詳細なポリシー

実行可能な所有者

ノード 001

ノード 002

14

基本的なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

15

完全なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

16

このリソースを別のリソースモニターで実行する

チェックなし

17

レジストリのレプリケーション

指定なし

表C‒9 JP1/DH Webアプリケーションサーバのサービスの設定値

項番

分類

項目

設定値

1

全般

リソース名

JP1_DH_WEB CONTAINER

2

リソースの種類

汎用サービス

3

サービス名

JP1_DH_WEBCON

4

スタートアップパラメータ

"<JP1/DH - Serverインストール先フォルダ>\sbin\jp1dhwebcon.exe" -start

5

コンピュータ名にネットワーク名を使用する

チェックなし

6

依存関係

サービス名と条件

JP1_DH_DATABASE_SVR

7

ポリシー

リソースエラーへの対応

リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる

8

再起動時間(mm:ss)

15:00(デフォルト値)

9

指定時間内での再起動の施行回数

1(デフォルト値)

10

再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする

チェックあり(デフォルト値)

11

再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する

01:00(デフォルト値)

12

保留タイムアウト(mm:ss)

03:00(デフォルト値)

13

詳細なポリシー

実行可能な所有者

ノード 001

ノード 002

14

基本的なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

15

完全なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

16

このリソースを別のリソースモニターで実行する

チェックなし

17

レジストリのレプリケーション

指定なし

表C‒10 JP1/DH Webサーバのサービスの設定値

項番

分類

項目

設定値

1

全般

リソース名

JP1_DH_WEB SVR

2

リソースの種類

汎用サービス

3

サービス名

JP1_DH_WEBSVR

4

スタートアップパラメータ

指定なし

5

コンピュータ名にネットワーク名を使用する

チェックなし

6

依存関係

サービス名と条件

JP1_DH_WEB CONTAINER

7

ポリシー

リソースエラーへの対応

リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる

8

再起動時間(mm:ss)

15:00(デフォルト値)

9

指定時間内での再起動の施行回数

1(デフォルト値)

10

再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのすべてのリソースをフェールオーバーする

チェックあり(デフォルト値)

11

再起動の試みがすべて失敗した場合は,指定した時間(hh:mm)後に再起動を開始する

01:00(デフォルト値)

12

保留タイムアウト(mm:ss)

03:00(デフォルト値)

13

詳細なポリシー

実行可能な所有者

ノード 001

ノード 002

14

基本的なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

15

完全なリソース正常性チェックの間隔

リソースの種類の標準間隔を使用する

16

このリソースを別のリソースモニターで実行する

チェックなし

17

レジストリのレプリケーション

指定なし

(4) 注意事項

(5) セットアップ

WSFCでクラスタ構成を構築する場合の,セットアップ手順について説明します。

なお,クラスタ構成とする場合は,すべてのノードのWindows Serverが同じバージョンであり,さらに同じActiveDirectoryに属するメンバーに設定されている必要があります。

  1. クラスタ構成に使用するハードウェアを準備します。次に示すハードウェアが必要です。

    • 2台以上のコンピュータ

    • 共有ディスク(SCSI接続)

    • スイッチ

    • ネットワークインタフェース

    共有ディスク以外はすべてコンピュータ台数分,用意してください。また,ネットワークインターフェースは,1つのコンピュータで2つ以上必要となります。

  2. クラスタ構成で使用するActive Directoryを決定します。

    既存のActive Directoryが存在する場合は,既存のActive Directoryへの参加を検討します。既存のActive Directoryへの参加が難しい,または既存のActive Directoryが存在しない場合は,クラスタ構成用に新規にActive Directoryを構築します。

  3. 新規にActive Directoryを構築する場合は,Active Directoryのインストール先を決定します。

    Active Directory専用のコンピュータを用意して,Active Directoryをインストールします。

    重要

    ActiveDirectoryは,クラスタを構成しているJP1/DH - Serverとは別のサーバ上で稼働させることもできますが,非推奨の構成です。

  4. クラスタを構成するすべてのコンピュータに,フェールオーバークラスタリング機能をインストールして,クラスタを構成します。

    フェールオーバークラスタリング機能については,Windowsのヘルプを参照してください。