2.3.1 JP1/DH - Serverマシンの検討
(1) 専用サーバマシンの準備
JP1/DH - Serverマシンは,JP1/DH - Serverを稼働させるための専用サーバとして準備し,他の目的のシステムとは共存させないでください。
JP1/DH - Serverの特徴である高速ファイル転送において,最大限の性能を発揮させるためには,マシンのCPU,メモリ,ディスクI/Oおよびネットワークインタフェース上の帯域を占有できる必要があります。
(2) ハードウェアスペックの検討
JP1/DH - Serverマシンを構築するにあたり,必要なハードウェアスペックを検討します。
(a) CPU
CPUの性能はデータ送受信の性能に大きく影響します。CPUのパフォーマンスが良くない場合,ネットワーク帯域が十分に広くても十分な通信速度を発揮できません。CPUのパフォーマンスは,クロック周波数だけでなくコア数などの影響も受けます。JP1/DH - ServerマシンのCPU要件を以下に示します。
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64bit CPU デュアルコア 2.4GHz 以上
(b) メモリ
メモリの消費量は送受信データのファイルサイズや,JP1/DH - Serverへの同時接続数の影響を大きく受けます。メモリの搭載容量が少ないと,サイズの大きいファイルを送受信した際や同時に複数のデータ送受信を実行した際に,十分な通信速度を発揮できません。JP1/DH - Serverマシンのメモリ要件を以下に示します。
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3GB 以上
(c) ディスク占有量
ディスク占有量は下記のディスク容量の合算にて見積もりすることができます。
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アプリケーションインストール用ディスク容量:約2,048MB※
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実行時のデータベースで必要とするディスク容量:約32,768MB※
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配送データ保管用のディスク容量
配送データ保管用のディスク容量は,配送データの平均ファイルサイズ,1日あたりの配送数および配送データの保管期間から下記の計算式を使用して算出してください。
配送データ保管用のディスク容量:
配送データの平均ファイルサイズ[MB]× 1日あたりの配送数 × 配送データの最大保管期間[日]
注※ 動作中に一時的に使用する容量を含むため,実測した場合は差があります。
(d) ネットワークインタフェース
ネットワークインタフェースの性能はデータ送受信の性能に大きく影響します。JP1/DH - Serverマシンのネットワークインタフェース要件を以下に示します。
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1 Gbps 以上
(3) クラスタ運用について
JP1/DH - Serverをクラスタシステムで運用する場合の構成については,「付録C クラスタシステムで運用する場合の設定」を参照してください。
(4) ストレージの冗長化について
JP1/DH - Serverマシンのストレージの可用性を高めるに,システムドライブやデータ保管先ドライブを含むストレージをRAID構成とするなどの手段で冗長化してください。
なお,ストレージの冗長化を行う際には,冗長化によってディスクI/O性能が低下する構成とならないよう注意してください。ディスクI/O性能が低下するとJP1/DH - Serverは十分な通信速度を発揮できなくなります。