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JP1 Version 12 JP1/Client Process Automation 構築・運用ガイド


付録A.3 コマンド実行環境の違い

CPAでコマンドを実行した場合と,手動でコマンドプロンプトから実行した場合とではコマンド実行時の動作が異なります。CPAから実行したコマンドが想定した動作と異なる場合は,次の表を確認してください。

表A‒1  手動実行とジョブ実行の動作の違い

項目

内容

動作環境

手動実行(コマンドプロンプト)

コマンド実行※1

コマンド実行(画面表示)※2

コマンド実行

(仮想ユーザー名指定)※3

ユーザープロファイルについて

ユーザープロファイル(レジストリのHKEY_CURRENT_USER以下の情報)の読み込み有無。

読み込む。

読み込まない。

コンソールセッション,もしくはリモートデスクトップセッションにログオンしているユーザーのプロファイルを使用する。

注意

手動で実行したときと同じOSユーザーか確認してください。

読み込む。(仮想ユーザー名にひも付いているWinowsユーザーのプロファイル)

WOW64環境について

WOW64環境で,次のような場合に%systemroot%\system32配下の64ビットアプリケーションを起動できないことがある。

  • %systemroot%\system32配下のファイルを,アクションの実行ファイルとして指定した場合に,実際は%systemroot%\syswow64配下のパスにリダイレクトされるため,実行ファイルの起動に失敗,または異常終了することがある。

  • レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\SoftwareHKEY_CLASS_ROOTへのアクセスをHKEY_LOCAL_MACHINE\Software\SysWow64などにリダイレクトした場合に,意図した情報を取得できないため,実行ファイルが正常に実行できないことがある。

対処

%systemroot%\system32配下の代わりに,%systemroot%\sysnative配下を指定してください。

該当しない。

該当する。(WOW64環境で実行する)

Excelオートメーション関係について

64ビット版のOSで,VBScriptでExcelのオブジェクトを使用してサービスプログラムからExcelのオートメーションを実行すると,ファイルオープン時にエラーとなる場合がある。

対処

次に示すディレクトリが存在するかご確認ください。

  • %SystemRoot%\SysWOW64\config\systemprofile\Desktop

  • %SystemRoot%\System32\config\systemprofile\Desktop

上記のディレクトリが存在しない場合は,ディレクトリ作成後に現象が再現するか確認してください。

該当しない。

該当する。

該当しない。

該当する。

実行空間について

CPAのコマンド実行は,サービス空間で実行される。ログオン時に設定される情報(環境変数やネットワーク共有)を使用できない。

対処

画面表示が必要なジョブや対話型処理が必要なジョブを実行したい場合は,コマンド実行(画面表示)を使用してください。

該当しない。(ユーザーセッションで実行する)

該当する。(サービス空間で実行する)

該当しない。(ユーザーセッションで実行する)

該当する。(サービス空間で実行する)ただし,環境変数については設定する。

環境変数について

CPAのコマンド実行の実行環境には,ユーザー環境変数は設定されない。サービス起動時に設定された環境変数(システム環境変数)だけが設定される。

対処

ユーザー環境変数を参照するジョブがある場合は,コマンド実行(画面表示),またはコマンド実行(仮想ユーザー名指定)を使用してください。

該当しない。

該当する。(ユーザー環境変数は使用できない)

該当する。(コンソールセッション,もしくはリモートデスクトップセッションにログオンしているユーザーの環境変数を使用する)

注意

手動で実行したときと同じWindowsユーザーでログオンしているか確認してください。

該当しない。

実行OSユーザーについて

コマンドプロンプト起動時のユーザー。

CPAのジョブ実行サービスのアカウント。

セッションにログオンしているユーザーで実行する。

仮想ユーザー名にひも付いているWindowsユーザー。

ファイルハンドルについて

標準出力や標準エラー出力,標準入力が異なる。

OSのftpコマンドやtimeoutコマンドで問題が発生することがある。

該当しない。

該当する。(ftp,timeoutコマンドが実行できない)

該当しない。

該当する。(ftp,timeoutコマンドが実行できない)

ネットワークの共有について

「ネットワークドライブの割り当て」によって割り当てられたドライブ名の使用可否。

使用できる。

CPAのジョブ実行サービス起動ユーザーがローカルシステムアカウント(デフォルト)の場合は,使用できない。※4

「コマンド実行(画面表示)」アイテム実行時にログオンしているWindowsユーザーでアクセスできるようにすると,使用できる。

UNC指定(「¥¥コンピュータ名」から始まる形式)を行うことで可能。なお,仮想ユーザー名にひも付いているWindowsユーザーでアクセスできる必要がある。

カレントディレクトリについて

コマンド実行時のカレントディレクトリ。

コマンドプロンプト起動時のカレントディレクトリは,

[コマンドプロンプト]のプロパティの「作業フォルダー」に指定したフォルダ。

システムドライブ\ProgramData\Hitachi\jp1\jp1_default\JP1CPA\work

システムドライブ\ProgramData\Hitachi\jp1\jp1_default\JP1CPA\work

システムドライブ\ProgramData\Hitachi\jp1\jp1_default\JP1CPA\work

注※1

コマンド実行には,「コマンド実行(リカバリー実行)」,「コマンド実行(リスト実行)」アイテムを含みます。また,カスタムアイテム作成時の実行種別に,[画面を表示しない]を選択したアクションアイテムを含みます。

注※2

コマンド実行(画面表示)には,カスタムアイテム作成時の実行種別に,[画面を表示する]を選択したアクションアイテムを含みます。

注※3

コマンド実行(仮想ユーザー名指定)には,「コマンド実行(リカバリー実行)」,「コマンド実行(リスト実行)」,および「任意のイベント監視」の「コマンド」を含みます。また,カスタムアイテム作成時の実行種別に,[画面を表示しない]を選択したアクションアイテムを含みます。

注※4

CPAのジョブ実行サービス起動ユーザーのアカウントを,ネットワークドライブのアクセスが可能な管理者権限を持つユーザーに変更した場合は使用できますが,アカウントをローカルシステムアカウント以外のユーザーに変更すると,[コマンド実行(画面表示)],[Windowsログオン]のアイテムは実行できなくなります。