Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 for Enterprise Applications


8.2.2 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能で採取する資料

インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能を使用している場合にトラブルが発生したときは,次の資料を採取します。

〈この項の構成〉

(1) Windowsの場合

保守情報として次の資料を採取します。

(a) OSのログ情報

表8‒7 OSのログ情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類

採取資料

Windowsイベントログ

トラブルが発生した時間帯についての,Windowsが採取しているアプリケーションログおよびシステムログ(Windowsの「イベントビューア」ウィンドウの,「システムログ」および「アプリケーションログ」の内容)

システム情報

Windowsが管理しているシステム情報(Windowsの[アクセサリ]−[システムツール]−[システム情報]の内容)

ダンプ情報

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でアプリケーションエラーが発生した場合)

以下のログファイル(*.log)とダンプファイル(*.dump

以下の問題レポートとユーザーダンプを採取してください。

(1)問題レポート

JP1/AJS3 for EAPのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。

1.コントロールパネルから[システムとセキュリティ]カテゴリーの[コンピューターの状態を確認]をクリックする。

 [アクションセンター]ウィンドウが開きます。

2.右側の領域で,[メンテナンス]をクリックする。

 [問題レポートの解決策を確認]などが表示されます。

3.[問題レポートの解決策を確認]の[信頼性履歴の表示]をクリックする。

 [信頼性モニター]ウィンドウが開きます。

4.下側にある[問題レポートをすべて表示]をクリックする。

 [問題レポート]ウィンドウが開き,問題の履歴が一覧で表示されます。

5.該当する問題をダブルクリックする。

 問題レポートの詳細が表示されます。

6.[クリップボードにコピー]を選択する。

7.コピーした内容を,テキストファイルにコピーして保存する。

8.保存した問題レポートを,障害調査用の資料として採取する。

(2)ユーザーダンプ

JP1/AJS3 for EAPのプロセスがアプリケーションエラーで停止し,エラーダイアログボックスが表示されている場合,次の手順でユーザーダンプを採取してください。

注意事項

エラーダイアログボックスが表示されている状態で採取してください。

1.タスクマネージャを起動する。

2.[タスクマネージャ]ダイアログボックスの「プロセス」タブをクリックする。

3.アプリケーションエラーで停止したJP1/AJS3 for EAPのプロセス名を右クリックし,[ダンプファイルの作成]を選択する。

4. ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログボックスが表示されるので,そこから採取する。

hostsファイル,servicesファイル

以下のファイル

  • %systemroot%/system32/drivers/etc/hosts

  • %systemroot%/system32/drivers/etc/services

ホスト名

hostnameコマンドの実行結果

通信状態

以下のコマンドの実行結果

  • netstat -aの出力結果

  • netstat -rの出力結果

  • netsh interface ip address

  • netsh interface ipv6 address

  • ipconfig /allの実行結果

  • netsh advfirewall show currentprofile

  • netsh advfirewall firewall show rule name=all verbose

環境変数一覧

以下のコマンドの実行結果

  • set

プロセス情報

以下のコマンドの実行結果

  • tasklist /svc

  • tasklist /v

(b) JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報

表8‒8 JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類

採取資料

トレース情報

以下のファイル

confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定している場合

TargetFileキーで指定したファイル

confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定していない場合

インストール先フォルダ\Bwsta\Log下にあるファイル

これらのファイルに追加して,confファイルの設定に依存しないで,次に示すフォルダ内のすべてのファイル

インストール先フォルダ\Log下にあるファイル

Windowsフォルダ\Temp\jp1common\jp1amr3下にあるファイル

R/3システム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラー"KAJM0992-E"が発生した場合は,次に示すフォルダ内のすべてのファイル

一時フォルダ*\HLICLIB下にあるファイル

*: %TMP%, %TEMP%または%USERPROFILE%

SAP BWシステム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラー"KAJM0992-E"が発生した場合は,次に示すフォルダ内のすべてのファイル

一時フォルダ*\HLICLIB下にあるファイル

*: %TMP%, %TEMP%または%USERPROFILE%

標準エラー出力情報

(JP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドが異常終了した場合)

標準エラー出力に出力されるエラーメッセージテキスト

標準エラー出力の出力先

コマンド実行の場合

コマンド実行画面または-seオプションで指定したファイル

コマンドをJP1/AJSで実行した場合

JP1/AJSで定義した標準エラー出力先ファイル,JP1/AJSカスタムジョブで定義した標準エラー出力先ファイル,またはコマンドの-seオプションで指定したファイル

形名・バージョン・パッチ情報

以下のversionpatchlog.txtおよびVersion.txtファイル

インストール先フォルダ\system\version

インストール先フォルダ\system\patchlog.txt

インストール先フォルダ\Version.txt

環境設定ファイル

以下のconfファイル

インストール先フォルダ\bwsta\conf\conf

RFCトレースファイル

(SAP BWシステム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラーが発生した場合)

JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリに作成されるSAP BWシステムとの通信トレース情報を記録したファイル(dev_rfc.trcという名称のファイル)

RFCライブラリ状態管理ファイル

以下のjr3chrfcファイル

インストール先フォルダ\system\jr3chrfc

製品情報登録ファイル

以下のjp1amr3.datファイル

システムドライブ\Program Files (x86)\Hitachi\jp1common\jp1amr3\jp1amr3.dat

製品情報

以下のProductInfo.txtファイル

インストール先フォルダ\ProductInfo.txt

製品ファイル,アクセス権限一覧

以下のコマンドの実行結果

dir /A:- /S インストール先フォルダ

cacls インストール先フォルダ /T

RFCライブラリの設定ファイル

以下のファイル

環境変数RFC_INIにsapnwrfc.iniを指定している場合

環境変数RFC_INIに指定したsapnwrfc.ini

環境変数RFC_INIにsapnwrfc.iniを指定していない場合

JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにあるsapnwrfc.iniファイル

インストールログ

以下のファイル

  • Windowsフォルダ\Temp\jp1common\jp1amr3下にあるファイル

  • Windowsフォルダ\temp\HCDINST以下のすべてのファイル

(c) SAP BWシステムで採取する情報

表8‒9 SAP BWシステムで採取する情報(Windowsの場合)

採取する情報の種類

採取資料

システムログ

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションSM21を使用して,下記の選択条件で採取した資料

  • ユーザー:指定なし

  • トランザクションコード:指定なし

  • SAPプロセス:指定なし

  • 障害クラス:全メッセージ

  • 開始日/時刻,終了日/時刻:その障害が発生した時間帯

システムログの詳細については,SAP BWのマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。

リリース・パッチ情報

  • SAPフロントエンドソフトウェアでメニュー「システム→ステータス」を選択したときに表示される画面のハードコピー

  • 上記の画面から表示される以下の画面のハードコピー

    [システム:ステータス]画面

    [システム:コンポーネント情報]画面

    [システム:カーネル情報]画面

インフォパッケージの実行結果(インフォパッケージ制御の場合)

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるインフォパッケージ実行でエラーが発生した場合)

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSA1のモニター画面を使用して採取する,トラブルが発生したインフォパッケージの実行結果(ヘッダー,ステータス,詳細タブの内容)

プロセスチェーンの実行結果(プロセスチェーン制御の場合)

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるプロセスチェーンの実行でエラーが発生した場合)

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSPCのログビューを使用して採取する,プロセスチェーンの実行結果とトラブルが発生したプロセスの実行ログ(プロセスログ(処理タブの内容),プロセスのジョブログ(Backgタブの内容))

開発者トレース

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でエラーが発生した場合)

SAP BWシステム上の開発者トレース(SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションST11を使用して採取する,dev_w*dev_rfc*,およびdev_rdファイル)

ジョブ実行状況(Trcd:SM37の結果)

SAPフロントエンドソフトウェアからトランザクションSM37のジョブ一覧を使用して,ジョブの結果と障害が発生したジョブの詳細情報を採取する。

(d) オペレーション内容

トラブル発生時のオペレーションの内容について,以下の情報を確認してください。

  • オペレーションの内容の詳細

  • トラブルの発生時刻

  • トラブルが発生したジョブ(JP1/AJS上でのジョブネット名とジョブ名,インフォパッケージID,プロセスチェーンID)

  • マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJSとSAP BWシステムの構成など)

  • 再現性の有無,発生頻度

(2) Linuxの場合

保守情報として次の資料を採取します。

(a) OSのログ情報

表8‒10 OSのログ情報(Linuxの場合)

採取する情報の種類

採取資料

syslogファイル

/var/log/messages*

バージョン情報

uname -aコマンドの実行結果

インストール済み日立製品の情報

/etc/.hitachi/pplistd/pplistdファイル

カーネルバージョン情報

以下のコマンドの実行結果

  • ls -l /boot

Linuxのディストリビューション名

以下のコマンドの実行結果

  • ls -l /etc/*-release

タイムゾーン情報

以下のコマンドの実行結果

  • cat /etc/sysconfig/clock

  • timedatectl

hostsファイル,servicesファイル

以下のファイル

  • /etc/hosts

  • /etc/services

ホスト名

以下のコマンドの実行結果

  • hostname

  • uname -a

通信状態

以下のコマンドの実行結果

  • netstat -a

  • netstat -r

  • ip addr

インストールPPリスト

以下のコマンドの実行結果

  • /bin/rpm -qa

カーネルパラメタ

以下のコマンドの実行結果

  • /sbin/sysctl -a

ユーザリソース制限

以下のコマンドの実行結果

  • ulimit -a

カーネルのメッセージ

以下のコマンドの実行結果

  • dmesg

ディスク容量

以下のコマンドの実行結果

  • df -k

ディスクマウント情報

以下のファイル

  • /etc/fstab

ネットワークインタフェース情報

以下のコマンドの実行結果

  • ifconfig -a

  • ip addr show

ファイアウォール情報

以下のコマンドの実行結果

  • iptables -v -n -L --line-numbers

  • firewall-cmd --list-all-zones

  • SuSEfirewall2 status (SUSE Linuxのみ)

環境変数

以下のコマンドの実行結果

  • env

プロセス情報

以下のコマンドの実行結果

  • ps -elfa

ユーザー一覧

以下のファイル

  • /etc/passwd

core情報

以下のファイルを採取する

  • 出力されたコアファイル

  • 以下のコマンドの実行結果に表示されたOSの共有ライブラリファイル

    ldd /opt/jp1_am_r3/bin/<コアを出力したコマンド>

(b) JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報

表8‒11 JP1/AJS3 for EAP(インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御)で採取する情報(Linuxの場合)

採取する情報の種類

採取資料

トレース情報

以下のファイル

confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定している場合

TargetFileキーで指定したファイル

confファイルでtraceセクションにTargetFileキーでファイル名を指定していない場合

/var/opt/jp1_am_r3/bwsta/log下にあるファイル

これらのファイルに追加して,以下のファイルを採取します。

/var/opt/jp1_am_r3/log/jr3chrfc.log

/var/opt/jp1_am_r3/bwsta/log下にあるファイル

標準エラー出力情報

(JP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドが異常終了した場合)

標準エラー出力に出力されるエラーメッセージテキスト

形名・バージョン・パッチ情報

以下の.versionおよび.patch_histファイル

/etc/opt/jp1_am_r3/.version

/etc/opt/jp1_am_r3/.patch_hist

環境設定ファイル

以下のconfファイル

/etc/opt/jp1_am_r3/bwsta/conf/conf

RFCトレースファイル

(SAP BWシステム用のカスタムジョブの実行中,またはJP1/AJS3 for EAPのコマンドの実行中にエラーが発生した場合)

JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリに作成されるSAP BWシステムとの通信トレース情報を記録したファイル(dev_rfcという名称のファイル)

RFCライブラリ状態管理ファイル

以下の.jr3chrfcファイル

/etc/opt/jp1_am_r3/.jr3chrfc

インストールログ

以下のファイル

/etc/.hitachi/.hitachi.log[01|02|03|04|05]

/etc/.hitachi/.install.log[01|02|03|04|05]

/etc/.hitachi/.uninstall.log[01|02|03|04|05]

/etc/.hitachi/.hliclog下にあるファイル

製品情報登録ファイル

以下のファイル

/etc/opt/.hlic/116C.dat

製品情報

以下のProductInfo.txtファイル

/etc/opt/jp1_am_r3/ProductInfo.txt

製品ファイル,アクセス権限一覧

以下のコマンドの実行結果

  • ls -lR /etc/.hitachi/

  • ls -lR /etc/opt/jp1_am_r3/

  • ls -lR /opt/jp1_am_r3/

  • ls -lR /var/opt/jp1_am_r3/

RFCライブラリの設定ファイル

以下のファイル

環境変数RFC_INIにsapnwrfc.iniを指定している場合

環境変数RFC_INIに指定したsapnwrfc.ini

環境変数RFC_INIにsapnwrfc.iniを指定していない場合

JP1/AJS3 for EAPの作業ディレクトリにあるsapnwrfc.iniファイル

(c) SAP BWシステムで採取する情報

表8‒12 SAP BWシステムで採取する情報(Linuxの場合)

採取する情報の種類

採取資料

システムログ

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションSM21を使用して,下記の選択条件で採取した資料

  • ユーザー:指定なし

  • トランザクションコード:指定なし

  • SAPプロセス:指定なし

  • 障害クラス:全メッセージ

  • 開始日/時刻,終了日/時刻:その障害が発生した時間帯

システムログの詳細については,SAP BWのマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。

リリース・パッチ情報

  • SAPフロントエンドソフトウェアでメニュー「システム→ステータス」を選択したときに表示される画面のハードコピー

  • 上記の画面から表示される以下の画面のハードコピー

    [システム:ステータス]画面

    [システム:コンポーネント情報]画面

    [システム:カーネル情報]画面

インフォパッケージの実行結果(インフォパッケージ制御の場合)

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるインフォパッケージ実行でエラーが発生した場合)

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSA1のモニター画面を使用して採取する,トラブルが発生したインフォパッケージの実行結果(ヘッダー,ステータス,詳細タブの内容)

プロセスチェーンの実行結果(プロセスチェーン制御の場合)

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはjbwipstaコマンドによるプロセスチェーンの実行でエラーが発生した場合)

SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションRSPCのログビューを使用して採取する,プロセスチェーンの実行結果とトラブルが発生したプロセスの実行ログ(プロセスログ(処理タブの内容),プロセスのジョブログ(Backgタブの内容))

開発者トレース

(SAP BWシステム用のカスタムジョブ,またはJP1/AJS3 for EAPが提供するコマンドの実行でエラーが発生した場合)

SAP BWシステム上の開発者トレース(SAPフロントエンドソフトウェアでトランザクションST11を使用して採取する,dev_w*dev_rfc*,およびdev_rdファイル)

ジョブ実行状況(Trcd:SM37の結果)

SAPフロントエンドソフトウェアからトランザクションSM37のジョブ一覧を使用して,ジョブの結果と障害が発生したジョブの詳細情報を採取する。

(d) オペレーション内容

トラブル発生時のオペレーションの内容について,以下の情報を確認してください。

  • オペレーションの内容の詳細

  • トラブルの発生時刻

  • トラブルが発生したジョブ(JP1/AJS上でのジョブネット名とジョブ名,インフォパッケージID,プロセスチェーンID)

  • マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJSとSAP BWシステムの構成など)

  • 再現性の有無,発生頻度