2.7.2 R/3ジョブ定義情報部
JP1/AJS3 for Enterprise Applicationsの詳細定義に関する定義項目を表示させたい場合は,「R/3ジョブ定義情報部」を定義情報管理テンプレートに表示させてください。「R/3ジョブ定義情報部」は環境設定パラメーター「CUSTOM-JOB」に「JP1AMR3」を指定することで表示できます。
環境設定パラメーター「CUSTOM-JOB」に「JP1AMR3」を指定することで,R/3システムのバックグラウンドジョブを実行する場合の標準カスタムジョブ(JP1AMR3)とR/3システムのジョブをコピーするカスタムジョブを実行する場合の標準カスタムジョブ(JP1AMR3CP)の定義項目を取り扱うことができます。
なお,環境設定パラメーター「CUSTOM-JOB」に「JP1AMR3」を指定していない場合(デフォルト),JP1/AJS3 for Enterprise Applicationsの標準カスタムジョブのパラメーターと環境変数の値は,標準ジョブ定義情報の「パラメーター」列と「環境変数」列で取り扱うことができます。
環境設定パラメーターについては,「3.2.1 環境設定パラメーターの定義内容」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 複数ジョブステップの指定機能
R/3ジョブ(JP1AMR3)では,一つのR/3ジョブに複数のジョブステップを定義できます。R/3ジョブをインポートまたはエクスポートした場合の表示例を次に示します。
|
R/3ジョブをインポートした場合,セル上の表示はJP1/AJS3 - View上で表示されている順に上から格納されます。
なお,対応項目でない場合は,改行だけが挿入されます(例:外部プログラムの場合の保管モードなど)。
R/3ジョブをエクスポートした場合も,セル上で設定した順番でJP1/AJS3 - View上に表示されます。
なお,ジョブステップを新規に定義する場合,またはジョブステップの途中に新規にジョブステップを追加する場合は,ジョブステップのすべての項目で値を設定する必要があります。ただし,定義する値がない場合は,改行だけを設定してください。値を設定しなかった場合,設定しなかった項目で定義情報がずれてしまいます。また,データを設定しないと,プログラム種別と行数が異なるため,エクスポートできません。
(2) R/3ジョブの未対応定義項目の保存機能
R/3ジョブの未対応定義項目の保存機能とは,JP1/AJS3 - Definition Assistantで対応していないR/3ジョブの定義項目を,定義情報管理テンプレート上の「R/3ジョブ定義情報部」の「他のR/3ジョブ定義情報」と「他のジョブステップ情報」にコマンド引数の形式で保存する機能です。
(a) インポート機能
定義情報をインポートすると,定義情報管理テンプレートに該当するR/3ジョブの定義項目が存在しない定義項目が,コマンド引数の形式で「他のR/3ジョブ定義情報」または「他のジョブステップ情報」に設定されます。「他のR/3ジョブ定義情報」にはR/3ジョブのプログラムの種類に依存しない共通の定義項目が,「他のジョブステップ情報」にはR/3ジョブのプログラムの種類ごとの定義項目が設定されます。
JP1/AJS3 - Definition Assistantで対応していないR/3ジョブの定義項目については,「5.2 JP1/AJS3 - View定義項目との対応」を参照してください。
(b) エクスポート機能
-
一括定義・単独定義機能
「他のR/3ジョブ定義情報」,「他のジョブステップ情報」にコマンド引数の形式で定義情報を定義して,一括または単独エクスポートを実行すると,定義情報管理テンプレートに該当する定義項目が存在しない定義項目も定義できるようになります。
一括または単独エクスポートは,定義情報管理テンプレートで対応済みの定義項目と「他のR/3ジョブ定義情報」,「他のジョブステップ情報」の定義情報をマージして実行します。このため,対応済みの定義項目も「他のR/3ジョブ定義情報」や「他のジョブステップ情報」に定義できますが,「他のR/3ジョブ定義情報」や「他のジョブステップ情報」には定義しないで,それぞれの定義項目列に定義してください。
-
変更機能
「R/3ジョブ定義情報部」に定義された内容は変更できません。[F2]キーを押してセルをマーキングすることもできません。このため,定義情報を変更する場合は,一括定義または単独定義機能によってユニットを定義し直してください。
(3) エラーチェック機能
[CHECK]ボタン,または[F10]キーを押した場合,「R/3ジョブ定義情報部」に対しては次に示すエラーチェック機能が使用されます。
チェック機能 |
対応 |
|
---|---|---|
JP1AMR3の定義項目 |
JP1AMR3CPの定義項目 |
|
無効な定義項目が設定されていないか。 |
○ |
○ |
必須指定項目が指定されているか。 |
○ |
○ |
入力制限に則して指定されているか。※ |
○ |
− |
指定されたプログラム種別に対して無効な定義項目が設定されていないか。 |
○ |
− |
排他になる項目が指定されていないか。 |
○ |
○ |
プログラム種別の指定数がジョブステップの定義範囲内(1〜99個)で指定されているか。 |
○ |
− |
プログラム種別の行数と異なる行数の項目がないか。 |
○ |
− |
環境変数で改行のみの指定がないか。 |
○ |
○ |
環境変数で変数名が重複していないか。 |
○ |
○ |
環境変数(環境変数:変数と環境変数:値)の指定数が上限値10個を超えていないか。 |
○ |
○ |
環境変数の指定数が変数と値で異なっていないか。 |
○ |
○ |
- (凡例)
-
○:チェックの対象です。
−:チェックの対象外です。
- 注※
-
ジョブステップ配下の定義項目が対象になります。ほかの定義項目は,入力時にチェックされます。また,次に示す内容はチェックされません。
-
指定値がリストボックスに登録されているかどうか(ただし,プログラム種別の値はチェックされます)。
-
「他のジョブステップ定義」の定義内容。
-
(4) 定義項目の標準カスタムジョブごとの定義可否について
「R/3ジョブ定義情報部」を使用する場合の定義項目について,標準カスタムジョブごとに定義できる項目と定義できない項目を次に示します。
定義項目 |
定義可否 |
||
---|---|---|---|
JP1AMR3 |
JP1AMR3CP |
||
ホスト名 |
○ |
○ |
|
システム番号 |
|||
あて先 |
|||
sapnwrfc.ini を使用してログオンする |
|||
クライアント |
|||
ユーザー名 |
|||
パスワード |
|||
拡張パスワード |
|||
言語 |
|||
ジョブ名 |
× |
||
ジョブステップ |
プログラム種別 |
||
プログラム |
|||
バリアント |
|||
権限ユーザー |
|||
対象ホスト |
|||
保管モード |
|||
出力先 |
|||
行 |
|||
列 |
|||
書式 |
|||
印刷部数 |
|||
権限 |
|||
スプール保存期間 |
|||
SAP表紙 |
|||
受信者 |
|||
オブジェクトタイプ |
|||
文書タイプ |
|||
情報ID |
|||
情報テキスト |
|||
他のジョブステップ情報 |
|||
コピー元ジョブ名 |
× |
○ |
|
コピー元ジョブ番号 |
|||
コピー開始ジョブステップ番号 |
|||
コピー後のジョブ名 |
|||
環境変数 |
変数 |
○ |
|
値 |
|||
他のR/3 ジョブ定義情報 |
- (凡例)
-
○:定義できます。
×:定義できません。
(5) 定義項目の標準カスタムジョブごとの必須項目と排他項目について
「R/3ジョブ定義情報部」を使用する場合の定義項目について,標準カスタムジョブごとに必須になる項目と排他になる項目を次に示します。
定義項目 |
条件 |
||
---|---|---|---|
JP1AMR3 |
JP1AMR3CP |
||
ホスト名 |
「あて先」が未指定の場合 |
||
クライアント |
[sapnwrfc.iniを使用してログオンする]が未指定,または「しない」の場合 |
||
ユーザ名 |
|||
パスワード,または拡張パスワード |
|||
ジョブ名 |
なし |
対象外 |
|
ジョブステップ |
プログラム |
なし |
|
対象ホスト |
プログラム種別:外部プログラム |
||
オブジェクトタイプ |
プログラム種別:ABAPプログラム 保管モード:「A」または「PA」 |
||
文書タイプ |
同上 |
||
情報ID |
同上 |
||
コピー元ジョブ名 |
対象外 |
なし |
|
コピー元ジョブ番号 |
なし |
定義項目 |
排他項目 |
条件 |
||
---|---|---|---|---|
JP1AMR3 |
JP1AMR3CP |
|||
ホスト名 |
あて先 |
なし |
||
sapnwrfc.iniを使用してログオンする |
sapnwrfc.iniを使用してログオンする:「する」 |
|||
システム番号 |
あて先 |
なし |
||
sapnwrfc.iniを使用してログオンする |
sapnwrfc.iniを使用してログオンする:「する」 |
|||
パスワード |
拡張パスワード |
なし |
||
sapnwrfc.iniを使用してログオンする |
クライアント ユーザ名 パスワード 拡張パスワード 言語 |
sapnwrfc.iniを使用してログオンする:「する」 |
||
ジョブステップ |
保管モード |
オブジェクトタイプ 文書タイプ 情報ID 情報テキスト |
プログラム種別:ABAPプログラム 保管モード:「A」または「PA」以外 |
対象外 |
行 |
書式 |
プログラム種別:ABAPプログラム |
||
列 |
書式 |
プログラム種別:ABAPプログラム |
(6) 注意事項
「R/3ジョブ定義情報部」を使用する上での注意事項を次に示します。
-
R/3ジョブを新規に作成した場合,JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Definition Assistantでは,ジョブのリリースと終了監視の初期値が異なります。ジョブのリリースと終了監視の初期値をJP1/AJS3 - Viewに合わせる場合は,「他のR/3ジョブ定義情報」にコマンドオプションの-rsと-waitを指定してください。
-
「他のR/3ジョブ定義情報」に,JP1/AJS3 - Definition Assistantですでに対応しているコマンドオプションや,同じコマンドオプションを2回以上設定しないでください。
-
「他のジョブステップ情報」のセル内の各行で,JP1/AJS3 - Definition Assistantですでに対応しているコマンドオプションや,同じコマンドオプションを2回以上設定しないでください。
-
「他のR/3ジョブ定義情報」や「他のジョブステップ情報」に誤った定義情報を設定してエクスポートすると,接続先のJP1/AJSで定義情報が不正になることがあります。
-
接続先のJP1/AJS3 for Enterprise Applicationsでサポートされていない定義項目を設定してエクスポートしないでください。エクスポートした場合,R/3ジョブの定義情報に無効なオプションが設定されます。
-
ジョブステップの追加や削除をする場合は,すべてのジョブステップの項目列でセル内の行数を合わせてください。行数を合わせなかった場合,ジョブステップの定義情報がずれてしまい,エクスポート時にエラーが発生したり,反映先に定義情報が正しく反映されなかったりします。
-
接続先のJP1/AJS3 for Enterprise Applicationsのバージョンが,JP1/AJS3 - Definition Assistantのバージョンより上位の場合は,インポートの結果が不正になることがあります。