5.2.26 フレキシブルジョブ定義情報の記述方法
フレキシブルジョブ定義情報の記述方法を説明します。
フレキシブルジョブ定義情報の形式,およびパラメーターを次に示します。
- 形式
[ex="中継エージェント名";] da="宛先または一斉配信エージェント"; [fxg={none|sync|async};] sc="実行したいエージェントホスト上のファイル名"; [prm="パラメーター";] [env="環境変数";]... [jd={nm|ab|cod|mdf|exf};] [wth=n;] [tho=n;] [jdf="終了判定ファイル名";] [abr={y|n};] [rjs=自動リトライする終了コードの下限;] [rje=自動リトライする終了コードの上限;] [rec=最大リトライ回数;] [rei=リトライ間隔;] [ha={y|n};] [eu={ent|def};] [mm={and|or};] [nmg={y|n};] [eun=待ち合わせ対象ユニット名;] [ega={exec|execdeffer|none};] [uem={y|n};]
- パラメーター
-
- ex="中継エージェント名";
-
中継エージェントとなる実行エージェント名または実行エージェントグループ名を定義します。中継しない場合,このパラメーターの指定は不要です。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
中継エージェント名中に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
中継エージェント名には,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
- da="宛先または一斉配信エージェント";
-
フレキシブルジョブの実行要求先のホスト名,IPアドレス,またはDNS名を定義します。jp1hosts情報またはjp1hosts2情報は参照しません。
一斉配信する場合は,実行要求先は一斉配信エージェントです。
一斉配信しない場合で,ロードバランサーを使用するときは,実行要求先はロードバランサーです。
一斉配信しない場合で,ロードバランサーを使用しないときは,実行要求先はフレキシブルジョブを実行するエージェントホストです。
指定できる文字数は1〜128(単位:バイト)です。このパラメーターの指定は必須です。
宛先に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
宛先には,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
- fxg={none|sync|async};
-
一斉実行の方式を指定します。省略した場合,noneが仮定されます。
-
none:一斉実行しないで,通常のフレキシブルジョブを実行します。
-
sync:同期モードで実行します。
-
async:非同期モードで実行します。
-
- sc="実行したいエージェントホスト上のファイル名";
-
実行したいエージェントホスト上のファイル名を定義します。
指定できる文字数は,1〜511(単位:バイト)です。ファイル名は,絶対パスで指定してください。実行したいファイルが環境変数PATHで指定されたパスの直下にある場合は,ファイル名だけで指定できます。このパラメーターの指定は必須です。
ファイル名中に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
実行したいエージェントホスト上のファイル名には,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
- prm="パラメーター";
-
実行したいエージェントホスト上のファイルで使用するパラメーターを定義します。
指定できる文字数は,1〜1,023(単位:バイト)です。
パラメーター中に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
パラメーターには,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
- env="環境変数";
-
ジョブ実行時は,ジョブ実行時に設定される環境変数,システム環境変数,または実行ユーザー(OSユーザー)のローカルログインスクリプトに設定されている環境変数が有効となります。その環境に新たな変数を付け加えてジョブを実行できます。付け加える環境変数を「環境変数名=値」の形式で定義します。
指定できる文字数は,1〜10,240(単位:バイト)です。envパラメーターを複数指定した場合,すべての環境変数の合計が最大10,240(単位:バイト)まで指定できます。
環境変数中に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
環境変数には,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
ジョブ実行時に設定される環境変数については,「1.4.2 JP1/AJS3から実行されるジョブ実行時に設定される環境変数」を参照してください。
環境変数を定義する際の注意事項については,「付録A 環境変数および環境変数ファイルを定義する場合の注意事項」を参照してください。
- jd={nm|ab|cod|mdf|exf};
-
終了判定種別を定義します。省略した場合,codが仮定されます。
cod以外を指定した場合,rjs,rje,rec,およびreiパラメーターを指定できません。また,abrパラメーターにyを指定できません。指定した場合はユニットの作成に失敗します。
-
nm:すべて正常終了とします。
-
ab:すべて異常終了とします。
-
cod:終了コードが指定値以下の場合は,正常終了とします。
-
mdf:宛先エージェント上でのジョブプロセスの実行開始から実行終了までの間にファイルが更新されている場合は,正常終了とします。
-
exf:宛先エージェント上でのジョブプロセスの実行終了時にファイルが作成されている場合は,正常終了とします。
-
- wth=n;
-
警告しきい値を定義します。
指定できる値は,0〜2,147,483,647です。
- tho=n;
-
異常しきい値を定義します。
指定できる値は,0〜2,147,483,647です。省略した場合,0が仮定されます。
- jdf="終了判定ファイル名";
-
フレキシブルジョブを実行するエージェントホスト上の終了判定ファイル名を定義します。
指定できる文字数は,1〜511(単位:バイト)です。ファイル名は,絶対パスで指定してください。
ファイル名中に「"(ダブルクォーテーションマーク)」や「#」が含まれる場合は,キャスト文字(#)でキャストします。「"」は「#"」,「#」は「##」と記述します。
終了判定ファイル名には,マクロ変数を指定できます。マクロ変数名は,「?AJS2xxxxx?」という形式の64バイト以内の文字列で指定します。xxxxxの部分に指定できる文字列は,A〜Z(大文字の英字),0〜9(アラビア数字),「.(ピリオド)」です。
- abr={y|n};
-
異常終了時リトライを定義します。省略した場合,nが仮定されます。
jdパラメーターにcodを指定した場合にだけ,yを指定できます。
-
y:異常終了時に自動リトライします。
-
n:異常終了時に自動リトライしません。
-
- rjs=自動リトライする終了コードの下限;
-
異常終了時に自動リトライする終了コードの下限を定義します。
異常終了時に自動リトライする場合(abrパラメーターにyを指定した場合)にだけ指定できます。
指定できる値は,1〜4,294,967,295です。異常しきい値(thoパラメーター)以下の値および自動リトライする終了コードの上限(rieパラメーター)より大きな値を指定した場合は,ユニットの作成に失敗します。
省略した場合,自動リトライする終了コードの下限は定義されないで,ジョブ実行時に「異常しきい値+1」が仮定されます。
- rje=自動リトライする終了コードの上限;
-
異常終了時に自動リトライする終了コードの上限を定義します。
異常終了時に自動リトライする場合(abrパラメーターにyを指定した場合)にだけ指定できます。
指定できる値は,1〜4,294,967,295です。異常しきい値(thoパラメーター)以下の値および自動リトライする終了コードの下限(risパラメーター)より小さな値を指定した場合は,ユニットの作成に失敗します。
省略した場合,自動リトライする終了コードの上限は定義されないで,ジョブ実行時に最大値(4,294,967,295)が仮定されます。
- rec=最大リトライ回数;
-
異常終了時に自動リトライする場合(abrパラメーターにyを指定した場合)にだけ,最大リトライ回数を指定できます。
指定できる値は1〜12(単位:回)です。省略した場合,1が仮定されます。
- rei=リトライ間隔;
-
異常終了時に自動リトライする場合(abrパラメーターにyを指定した場合)にだけ,リトライ間隔を定義します。
指定できる値は,1〜10(単位:分)です。省略した場合,1が仮定されます。
- ha={y|n};
-
ジョブの実行を保留するかを定義します。省略した場合,nが仮定されます。
-
y:保留します。
-
n:保留しません。
-
- eu={ent|def};
-
ジョブ実行時のJP1ユーザーを定義します。省略した場合,entが仮定されます。
-
ent:ジョブネットを登録したJP1ユーザーをジョブ実行時のJP1ユーザーとします。
-
def:ジョブを所有するJP1ユーザーをジョブ実行時のJP1ユーザーとします。
-
- mm={and|or};
-
指定した待ち合わせ対象ユニットとの待ち合わせ方法を指定します。
省略した場合はandが仮定されます。
-
and:すべての待ち合わせ対象ユニットが終了したら実行を開始する。
-
or:待ち合わせ対象ユニットが一つでも終了したら実行を開始する。
-
- nmg={y|n};
-
指定した待ち合わせ対象ユニットのルートジョブネットに待ち合わせる世代がないときの動作を指定します。
省略した場合はnが仮定されます。
-
y:実行を開始する。
-
n:実行を開始しない。
-
- eun=待ち合わせ対象ユニット名;
-
待ち合わせ対象ユニットとするユニットを,完全名で指定します。
待ち合わせ対象ユニットを複数指定する場合,このパラメーターを複数回指定します。最大で32個指定できます。
待ち合わせ対象ユニット名に指定できる文字数は1〜930(単位:バイト)です。
- ega={exec|execdeffer|none};
-
起動条件付きジョブネットを待ち合わせ対象に指定していて,実行世代に異常終了がある場合の動作を指定します。
省略した場合はnoneが仮定されます。
-
exec:実行を開始する。
-
execdeffer:実行を開始しない。ただし,実行世代が「繰り越し未実行」状態の場合は,実行を開始する。
-
none:実行を開始しない。
-
- uem={y|n};
-
起動条件付きジョブネットを待ち合わせ対象に指定していて,監視世代が監視未起動終了の場合の動作を指定します。
省略した場合はnが仮定されます。
-
y:実行を開始する。
-
n:実行を開始しない。
-