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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


jpomanevshow

〈このページの構成〉

形式

jpomanevshow
     [-h 論理ホスト名]
     [-F サービス名]

機能

イベント・アクション制御マネージャーの内部ログを解析し,マネージャーへのデータ送信頻度が高い実行ホスト名と起動条件付きジョブネットの情報を表示します。このコマンドは,起動条件イベントを大量発生させたジョブと,jpomanevresetコマンドの引数に指定するエージェントの特定に使用します(使用例を参照)。

解析は,24時間以内に出力されたものを対象とし,ログがラップしている場合は残っているログに関してだけ,解析の対象とします。また,起動条件に関するログだけを対象とし,ジョブネット中に定義したイベントジョブは対象としません。

解析結果は,データの送信頻度が高い順に5起動条件分が表示されます。起動条件ごとに,起動条件を特定できる情報,および時間単位でのログ数が表示されます。

このコマンドを実行するには,JP1/AJS3ホストサービスを起動している必要があります。

実行権限

Windowsの場合:Administrators 権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

引数

-h 論理ホスト名

クラスタで運用している場合に,情報を表示する論理ホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,自ホスト名が仮定されます。

-F サービス名

処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。

このオプションを省略した場合,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

1

引数の指定が不適切である。

2

初期化に失敗した。

論理ホスト名の定義または環境設定に誤りがある。

3

権限が不足している。

5

同じコマンドを同時に実行している。

100

ファイルアクセスエラーが発生した。

101

メモリー不足が発生した。

255

システムエラーが発生した。

出力例

マネージャーホストで実行した場合の出力例を次に示します。

Time for analysis=20XX/06/01 02:30:00 - 20XX/06/02 02:30:00
 
Agent=agent1
Scheduler service=AJSROOT1
Unit ID=2133
Execution ID=2000(ID:@A2000)
Total count=233
Target time                   Count
20XX/06/01 22:00:00-22:59:59      1
20XX/06/01 23:00:00-23:59:59      1
20XX/06/02 00:00:00-00:59:59      1
20XX/06/02 01:00:00-01:59:59     30
20XX/06/02 02:00:00-02:30:00    200
 
Agent=agent1
Scheduler service=AJSROOT1
Unit ID=2134
Execution ID=2000(ID:@A2000)
Total count=1
Target time                   Count
20XX/06/01 17:00:00-17:59:59      1

出力内容の意味を次に示します。

Time for analysis

解析の対象とした時間を示します。ここに表示する時間は内部ログ上での時間のため,システム時刻と異なる場合があります。

Agent

データの送信元実行ホスト名を示します。

Scheduler service

起動条件が定義してあるスケジューラーサービス名を示します。

Unit ID

起動条件に定義したイベントジョブのユニットIDを示します。

Execution ID

起動条件の実行IDを示します。この実行IDは,[デイリースケジュール]ウィンドウ,または[マンスリースケジュール]ウィンドウに表示される,「実行中」の世代となります。

括弧内はJP1/AJS3 - View上での表示です。

Total count

内部ログ中にあった,起動条件に関するログの総数を示します。

Target time

単位時間当たりのログ数を表示する際の,対象時間を示します。対象時間内にログがない場合は,対象時間自体を出力しません。

Count

対象時間内にあった,起動条件に関するログ数を示します。

使用例

起動条件の監視対象イベントが一度に大量に発生した場合,マネージャー・エージェント間の通信や,データの一時保存用のファイル入出力が頻発して,JP1/AJS3を運用しているシステム全体が極端な高負荷状態になります。このため,オペレーターの操作が効かなくなり,他プログラムの処理が大幅に遅延するなどの影響が生じます。この場合は,大量の起動条件イベントを発生させたジョブとエージェントをjpomanevshowコマンドで特定します。そして,該当ジョブの監視条件を大量に成立させた原因を排除して,該当エージェントからの大量のイベントデータをjpomanevresetコマンドで削除すると,通常の運用に戻せます。

[図データ]

なお,上記手順の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.5 起動条件付きジョブネットの処理が遅延した場合の対処」を参照してください。