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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


ajsentry

〈このページの構成〉

形式

ajsentry
     [-F サービス名]
     [{-s|-n|-f|-d[[/]/] -t [:]|
          -p 予定情報ファイル名}][-g 未来予定世代数]
     [-o]
     [-w]
     [-c マクロ変数指定]...
     [-R]
     [-L]
     [-T]
     [-m {:|M分|unlimited} -k {回数|unlimited}]
     [-b[[/]/] -e[[/]/]]
     [-h]
     ジョブネット名,またはジョブグループ名...

機能

定義済みのジョブネットを実行登録します。また,実行登録の際に指定したユニットに対して次の内容をチェックし,該当する場合はエラーになります。

実行権限

次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー

引数

-F サービス名

処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。

-s

ジョブネットに定義されたスケジュールに従って,ジョブネットを実行します(ジョブネットを計画実行登録します)。

-fオプションと異なり,当日に実行予定があり,コマンド実行時刻がジョブネットの実行予定時刻を過ぎている場合でも,ジョブネットを実行します。

このオプションは,-n-f-d-t-p-g-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-n

ジョブネットに定義されたスケジュールを無効にして,ジョブネットをすぐに実行します(ジョブネットを即時実行登録します)。なお,-m-kオプションと同時に指定した場合だけ,起動条件の指定が有効になります。

このオプションは,-s-f-d-t-p-g-oオプションと同時には指定できません。

-f

実行登録時点での次回のスケジュールに従ってジョブネットを実行します(ジョブネットを計画実行登録します)。

-sオプションと異なり,当日に実行予定があっても,実行予定時刻が過ぎている場合は,ジョブネットを実行しません。

このオプションは,-s-n-d-t-p-g-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-d [[/]/]

ジョブネットに定義されたスケジュールに関係なく,指定された日付にジョブネットを実行します(ジョブネットを確定実行登録します)。

起動条件付きジョブネットは,起動条件監視をしないで,即時に実行されます。

このオプションは,-tオプションと同時に指定します。

-s-n-f-p-g-w-m-kオプションと同時には指定できません。

  • 指定できる値は,1994〜2036(単位:西暦年)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜12(単位:月)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。

このオプションで年,または年/月の指定を省略した場合,次の値が仮定されます。

年:コマンドを実行した年

年/月:コマンドを実行した年と月

-t [:]

ジョブネットに定義されたスケジュールに関係なく,指定された時刻にジョブネットを実行します(ジョブネットを確定実行登録します)。起動条件付きジョブネットは,起動条件監視をしないで,即時に実行されます。

このオプションは,-dオプションと同時に指定します。

-s-n-f-p-g-w-m-kオプションと同時には指定できません。

  • 指定できる値は,0(または00)〜47(単位:時)です。

  • 指定できる値は,0(または00)〜59(単位:分)です。省略した場合,0が仮定されます。

-p 予定情報ファイル名

ジョブネットの実行スケジュールが定義されている,予定情報ファイル名を指定します(ジョブネットを確定実行登録します)。予定情報ファイルは,ajsscheduleコマンドで作成できます。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。ファイル名は,フルパスで指定します。

このオプションは,-s-n-f-d-t-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-pオプションを指定する場合,ジョブネット名には予定情報ファイル作成時に指定したルートジョブネット名だけを指定してください。総称名指定や-Rオプションと同時に指定して,予定情報ファイル中のルートジョブネット名と異なるルートジョブネット名が指定された場合,このコマンドは異常終了します。

-g 未来予定世代数

確定スケジュールの,次回以降の実行予定世代数を指定します。

指定できる値は,1〜99(単位:世代)です。

このオプションは,-s-n-f-d-t-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-o

その日に実行予定のジョブネットで,実行開始予定時間がスケジューラーサービスの起動時間より前のジョブネットは,スケジューラーサービスの起動時に実行しません。

このオプションは-w-m-k-n-hオプションと同時には指定できません。また,このオプションはサービス起動モードがウォームスタートまたはディザスターリカバリースタートの場合に有効となります。

-w

即時実行登録した場合,ジョブネットの実行が終了したあと,コマンドを終了します。

このオプションは,ルートジョブネットを即時実行登録する場合に指定できます。

このオプションを指定しても,ジョブネットの実行終了を待たずにコマンドが終了する場合を次に示します。

  • ジョブネット実行中にスケジューラーサービスが停止した場合

  • 終了待ちを指定した世代が繰り越し未実行になった場合

  • 終了待ちを指定した世代が削除された場合(実行登録解除,または即時実行登録・確定実行登録の世代が実行中止になった場合など)

  • 終了待ちを指定した世代が未計画になった場合

このオプションは,-nオプションと同時に指定してください。-m-kオプションと同時には指定できません。

-c マクロ変数指定

ルートジョブネット配下のジョブで使用しているマクロ変数に設定する情報を指定します。ジョブ実行時,指定したマクロ変数の引き継ぎ情報に展開して実行されます。

-c マクロ変数名:引き継ぎ情報」の形式で同時に32個まで指定できます。ただし,同一マクロ変数名を複数指定した場合,最初に指定したマクロ変数の引き継ぎ情報だけが引き継がれます。複数指定した場合に指定できる文字数は,「マクロ変数名引き継ぎ情報+4」の値が4,085バイト以内です。

  • マクロ変数名

    AJS2xxxxx」(xxxxxは任意の文字列)の形式で指定します。前後の?は不要です。英大文字,数字,「.(ピリオド)」が指定できます。

    指定できる文字数は,62バイト(64−前後の?の2バイト)以内です。

  • 引き継ぎ情報

    任意の文字列を指定します。

    指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

-R

指定したジョブグループに含まれるすべてのユニットを実行登録します。

このオプションを,-L-Tオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従って,ジョブネットを実行登録します。

-Tオプションを同時に指定しない場合,すべてのユニットが実行登録の対象になるため,ルートジョブネット以外のユニットに対する実行登録処理は異常終了します。

-L

実行登録していないジョブネットを実行登録します。

-T

ルートジョブネットだけを実行登録します。

-m {:|M分|unlimited}

起動条件の成立待ち時間を指定します。

このオプションは,-n-kオプションと同時に指定します。-wオプションと同時には指定できません。

  • :

    絶対時刻で指定します。

    時に指定できる値は,0(または00)〜47(単位:時)です。

    分に指定できる値は,0(または00)〜59(単位:分)です。

  • M分

    ジョブネットの実行開始予定時刻からの相対分で指定します。

    指定できる値は,1(または01)〜2,879(単位:分)です。

  • unlimited

    条件の成立の待ち時間を無制限にします。

-k {回数|unlimited}

起動条件の成立を待つ回数を指定します。

このオプションは,-n-mオプションと同時に指定します。-wオプションと同時には指定できません。

  • 回数

    指定できる値は,1〜999(単位:回)です。

  • unlimited

    条件の成立待ち回数を無制限にします。

-b [[/]/]

ジョブネットに定義されたスケジュールに従ってジョブネットを実行する期間の開始日を指定します(ジョブネットを確定実行登録します)。指定された開始日は,基準時刻に従います。

  • 指定できる値は,1994〜2036(単位:西暦年)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜12(単位:月)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。

このオプションで,年,または年/月の指定を省略した場合,次の値が仮定されます。

年:コマンドを実行した年

年/月:コマンドを実行した年と月

このオプションは,-eオプションと同時に指定します。

-s-n-f-d-t-p-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-e [[/]/]

ジョブネットに定義されたスケジュールに従ってジョブネットを実行する期間の終了日を指定します(ジョブネットを確定実行登録します)。指定された終了日は,基準時刻に従います。

  • 指定できる値は,1994〜2036(単位:西暦年)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜12(単位:月)です。

  • 指定できる値は,1(または01)〜31(単位:日)です。

このオプションで,年,または年/月の指定を省略した場合,次の値が仮定されます。

年:コマンドを実行した年

年/月:コマンドを実行した年と月

このオプションは,-bオプションと同時に指定します。

-s-n-f-d-t-p-w-m-kオプションと同時には指定できません。

-h

実行登録時に,ルートジョブネットの実行を保留します。

実行登録時に作成される世代のうち,最初の実行世代に保留属性が設定されます。

-pオプションで予定情報ファイル名を指定して実行登録する場合は,最初に作成された世代に保留属性が設定されます。そのため,予定情報ファイルを編集していて予定情報が日付順に並んでいない場合,意図しない世代に保留属性が設定されるおそれがあるので注意が必要です。

ジョブネット名,またはジョブグループ名

実行登録するジョブネット名,または-R-L-Tオプションと同時にジョブネット名,またはジョブグループ名を指定します。

指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。

ジョブネット名,またはジョブグループ名は,複数指定できます。ただし,ジョブネット名を指定する場合,指定できるのはルートジョブネット名だけです。なお,マネージャージョブグループ名とマネージャージョブネット名は指定できません。

ジョブネット名,またはジョブグループ名に,論理ホスト名を指定できます。実行IDは指定できません。

注意事項

戻り値

0

正常終了。

1〜3または

4〜124で4の倍数値

異常終了。

使用例1

ジョブネット(net1)を,計画実行登録します(ジョブネットに定義されたスケジュールに従って実行します)。

ajsentry -s net1

使用例2

ジョブネット(net1)にマクロ変数(AJS2ENV)と値(/tmp/unit_data)を設定して即時登録します。

ajsentry -n -c AJS2ENV:/tmp/unit_data net1

使用例3

ジョブネット(net1)を確定実行登録します。