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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


1.1.2 ユニット名の指定方法

コマンド引数の任意名としてユニット名を指定する方法について説明します。

ユニット名の指定形式を次に示します。

論理ホスト名を指定できるコマンドの場合(他ホストのユニットにリモートアクセスする場合)
[[論理ホスト名:][スケジューラーサービス名]:]ユニット名[:@実行ID]
論理ホスト名を指定できないコマンドの場合(自ホストのユニットにローカルアクセスする場合)
[[スケジューラーサービス名]:]ユニット名[:@実行ID]

次に,各項目について説明します。

論理ホスト名

論理ホスト名を指定できるコマンドと,指定できないコマンドがあります。詳細については,各コマンドの説明を参照してください。

自ホスト内に複数の論理ホスト名を持つ場合,スケジューラーサービス名と環境変数JP1_HOSTNAMEの指定によって該当する論理ホスト名が特定されます。したがって,論理ホスト名を指定する必要はありません。指定した場合,自ホスト内であってもTCP/IPプロトコルによる通信が発生するため,認証の設定が必要になります。

論理ホスト名を省略した場合,指定したスケジューラーサービス名の先頭に環境変数AJSMANAGERHOSTの内容が補われます。

環境変数AJSMANAGERHOSTを設定していない場合,自ホスト内として扱われ,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名のサービスとします。

環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホストのJP1/AJS3サービスが仮定されます。

スケジューラーサービス名

スケジューラーサービス名を指定した場合,-Fオプションおよび環境変数AJSCONFは無視されます。

スケジューラーサービス名を省略した場合,-Fオプションに指定した値が仮定されます。-Fオプションを省略した場合,環境変数AJSCONFの値が仮定されます。環境変数AJSCONFを設定していない場合は,デフォルトのスケジューラーサービス名が仮定されます。

ユニット名

ユニット名には,ジョブグループ名,ジョブネット名,ジョブ名を指定します。これらは完全名で指定することもできます。

完全名は,先頭が「/」で,ルートジョブグループからそのユニットまでの名称を「/」で区切って指定したものです。ユニットの完全名は,JP1/AJS3の中で一意に管理されています。

ユニット名を完全名で指定しなかった場合,指定した名称の先頭に環境変数AJSPATHの内容が補われます。環境変数AJSPATHを設定していない場合は,指定した名称の先頭に「/」が補われます。

前製品(JP1/AJS)からの移行のために使用できる記号文字

" & ' * < > ? [ \ ] ^‘ {|} ~

をユニット名に使用している場合は,ユニット名全体を「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲み,記号文字の前に「\」文字を置いてキャストする必要があります(例:ajsprintコマンドで,ユニット/net[1]を指定する場合:ajsprint "/net\[1\]")。

なお,これらの記号は前製品(JP1/AJS)からの移行時のために用意されているため,その他の用途では使用しないでください。

実行ID

実行IDを指定できるコマンドと,指定できないコマンドがあります。詳細については,各コマンドの説明を参照してください。

実行IDは,ジョブネットを登録するとき,最上位ジョブネットの実行予定の一つに対して一つ割り振られる番号のことで,JP1/AJS3 - Viewやajsshowコマンドで確認できます。実行IDを指定できるコマンドで,実行IDの指定を省略すると,各コマンドが操作の対象とする世代を自動的に判定します。ジョブネットの世代の自動判定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.2 ジョブネットの世代管理」を参照してください。