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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド


12.4.40 [詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックス

[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスでは,Windows版JP1シリーズの各プログラムから提供されている標準カスタムジョブの詳細を定義します。

定義できるカスタムジョブの一覧を次に示します。

注意事項

上記以外のジョブは定義できません。

このダイアログボックスには,共通する表示項目と次のタブがあります。

〈この項の構成〉

(1) 共通する表示項目

共通する表示項目を次の図に示します。

図12‒188 [詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの共通の表示項目

[図データ]

共通する表示項目について説明します。

[ユニット名]

ユニット名を30バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは,定義するカスタムジョブによって異なります。

[コメント]

ユニットのコメントを80バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。

[実行エージェント]

カスタムジョブを実行させたい実行エージェント名,または実行エージェントグループ名を255バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。

この項目は,次のどちらかに該当する場合,テキストボックスで表示されます。

  • JP1/AJS - Viewまたは接続先のJP1/AJS - Managerのバージョンが09-50より前

  • リモートジョブネット配下のユニットの定義

上記以外の場合,コンボボックスで表示され,その中から選択できます。コンボボックスに直接入力することもできます。コンボボックスに表示されるリストの内容は,実行エージェントプロファイルの有効/無効,および実行エージェントプロファイルに設定されている内容によって異なります。

実行エージェントプロファイルが無効になっている場合

リストは表示されません。

実行エージェントプロファイルが有効になっている場合
  • 指定するジョブが実行エージェントプロファイルに設定されている

    リストには,指定するジョブに許可する実行エージェントが表示されます。

  • 指定するジョブが実行エージェントプロファイルに設定されていない

    上位ユニットが実行エージェントプロファイルに設定されていれば,上位ユニットに許可する実行エージェントがリストに表示されます。

    上位ユニットが実行エージェントプロファイルに設定されていなければ,リストは表示されません。

実行エージェントについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 5.1.1 実行エージェント」を参照してください。

注意事項

Excelのセルをコピーして貼り付けると,入力した文字の最後に半角スペースが挿入される場合があります。半角スペースが挿入された場合,削除してください。

(2) [定義]タブ

標準カスタムジョブの[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[定義]タブ(PCジョブ用)を次の図に示します。カスタムPCジョブの[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[定義]タブの表示項目は,[詳細定義−[PC Job]]ダイアログボックスと同じです。詳細については,「12.4.7 [詳細定義−[PC Job]]ダイアログボックス」を参照してください。

UNIXジョブ用の[定義]タブの表示項目は,[詳細定義−[UNIX Job]]ダイアログボックスと同じです。詳細については,「12.4.6 [詳細定義−[UNIX Job]]ダイアログボックス」を参照してください。

図12‒189 [詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[定義]タブ(PCジョブ用)

[図データ]

表示項目について説明します。

[実行優先順位]

ジョブの実行優先順位を選択します。指定できる値は,[なし],および[1]〜[5]です。優先度が最も高いのは,[5]です。デフォルトは[なし]です。

[なし]の場合は上位ジョブネットの定義に依存します。[なし]が指定され,最上位までのすべてのジョブネットに[なし]が指定されていた場合,環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの設定値が仮定されます。環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの設定も省略している場合は,[1]が仮定されます。環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(108) DEFAULTPRIORITY」を参照してください。

[標準出力ファイル名]

ジョブを実行するときに使う標準出力ファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。ファイル名はフルパスで指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数および「$JP1AJS2_JPQSTDOUTTEMP$」を使用できます。「$JP1AJS2_JPQSTDOUTTEMP$」を指定した場合,標準出力ファイルは一時ファイルに出力されます。デフォルトは空白です。

[標準エラー出力ファイル名]

ジョブを実行するときに使う標準エラー出力ファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。ファイル名はフルパスで指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。

[終了判定]

終了判定の条件を選択します。

[判定結果]

[判定結果]で選択した終了判定の条件によって,表示項目が異なります。デフォルトは[しきい値による判定]です。[判定結果]の下には[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目が表示されています。選択できる終了判定の条件を次に示します。

  • [常に正常]

    カスタムジョブを常に正常終了します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目は,指定できません。

  • [常に異常]

    カスタムジョブを常に異常終了します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目は,指定できません。

  • [ファイルが存在すれば正常]

    [ファイル名]で指定したファイルがあれば,カスタムジョブを正常終了します。[判定結果]の下の項目は,[ファイル名]に変更されます。任意のファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。

  • [ファイルが更新されれば正常]

    [ファイル名]で指定したファイルが更新されれば,カスタムジョブを正常終了します。[判定結果]の下の項目は,[ファイル名]に変更されます。任意のファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。

    ファイルの更新有無の判定には,ファイルの更新時刻が使用されます。UNIXで実行した場合,ファイルの更新有無は秒単位で判定されるため,ファイルの更新間隔が1秒以内のときは,ファイルは更新されていないと見なされてジョブが異常終了することがあります。

  • [しきい値による判定]

    正常終了と警告終了の判定基準とする値,または正常終了と異常終了の判定基準とする値を,定義します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の指定できる値は,0〜2,147,483,647です。デフォルトは,[警告しきい値]が空白で,[異常しきい値]が0です。

    デフォルトの場合は,終了コードが0以外のときに異常終了となります。[警告しきい値]を設定した場合は,終了コードが0から設定した値までを正常終了とします。終了コードが[警告しきい値]より大きい場合に警告終了となります。また,[異常しきい値]を設定した場合は0から[異常しきい値]までが正常終了となります。終了コードが-1以下または[異常しきい値]より大きい場合に異常終了となります。[警告しきい値]と[異常しきい値]の両方を指定した場合は,終了コードが0から[警告しきい値]までが正常終了,[警告しきい値]より大きく[異常しきい値]までが警告終了,-1以下または[異常しきい値]より大きい場合が異常終了となります。

    UNIXで実行した場合,終了コードは0〜255の値となり,負の値はありません。

    実行したプログラムが負の値で終了した場合,終了コードは,256 + exitコード)と扱われます(例えば,-1でexitした場合は,256 - 1 = 255と扱われます)。

[異常終了時リトライ]

実行したプログラムがエラーになった場合,リトライ実行するかどうかを選択します。

次の条件をすべて満たす場合に指定できます。

  • 接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが10-00以降である

  • 接続先のJP1/AJS3 - Managerのデータベース構成が標準構成である

  • [判定結果]で[しきい値による判定]を選択している

指定できる種類は,[しない]または[する]です。デフォルトは[しない]です。

この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。

[終了コード]

[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,リトライ実行するジョブの終了コードを指定します。

  • 下限値

    リトライ実行する場合に,終了コードの下限値を指定します。終了コードがここで指定した値以上の場合,リトライが実行されます。

    指定できる値は,1〜4,294,967,295です。デフォルトは空白です。この項目を省略した場合,「[異常終了しきい値]に指定した値 + 1」が仮定されます。

  • 上限値

    リトライ実行する場合に,終了コードの上限値を指定します。終了コードがここで指定した値以下の場合,リトライが実行されます。

    指定できる値は,1〜4,294,967,295です。デフォルトは空白です。この項目を省略した場合,「4,294,967,295」が仮定されます。

この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。

[最大リトライ回数]

[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,リトライ実行する最大回数を指定します。指定できる値は,1〜12です。デフォルトは「1」です。

この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。

[リトライ間隔]

[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,ジョブの実行したプログラムがエラーになってからリトライ実行を開始するまでの間隔を指定します。指定できる値は,1〜10(単位:分)です。デフォルトは「1」です。

この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。

[実行時のユーザー]

ジョブを実行するJP1/AJS3 - AgentのOSのユーザー名を63バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。

このユーザーは,[実行ユーザー種別]の[登録ユーザー],または[所有ユーザー]にマッピングしておく必要があります。ただし,上位ユニットに対して実行ユーザー固定機能を設定している場合は,[実行ユーザー種別]の指定に関係なく,固定されているユーザーにマッピングしておく必要があります。

また,この項目の指定を省略した場合,ユーザーマッピングのプライマリーユーザーで実行します。ユーザーマッピングについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のユーザー管理機能の設定の章を参照してください。

[詳細情報の設定]

[詳細]ボタンをクリックすると,連携するプログラムの定義画面が表示されます。表示される定義画面の表示項目については,連携するプログラムのマニュアルを参照してください。

(3) [属性]タブ

[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[属性]タブを次の図に示します。

図12‒190 [詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[属性]タブ

[図データ]

表示項目について説明します。

[保留]

ユニットの状態をあらかじめ保留状態にするかどうかを指定します。指定できる種類は,[しない]と[する]です。デフォルトは[しない]です。

[種別]

ユニットの種別をリカバリーにするかどうかを指定します。指定できる種類は,[通常]と[リカバリ]です。デフォルトは[通常]です。

[打ち切り時間指定]

ジョブの実行を打ち切る時間を指定するかどうかを選択します。指定できる種類は,[しない]と[する]です。デフォルトは[しない]です。

[打ち切り時間]

[打ち切り時間指定]で[する]を選択した場合,打ち切り時間を分で指定します。指定できる値は,1〜1,440です。デフォルトは空白です。

[終了遅延監視]

実行所要時間によるジョブの終了遅延監視をするかどうかを指定します。ジョブの終了遅延を監視する場合は[実行所要時間]をチェックします。デフォルトではチェックされていません。

また,[実行所要時間]をチェックした場合は,ジョブの実行所要時間を1〜1,440の範囲内で指定します(単位:分)。

この項目は,JP1/AJS3 - Viewの場合,またはJP1/AJS2 - View 08-50以降の場合に表示されます。実行所要時間によるジョブの終了遅延監視の注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 5.1.3 ジョブの実行所要時間による終了遅延監視」を参照してください。

[所有者]

ユニットの所有者を31バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは,ログインしているJP1ユーザー名です。ただし,上位ユニットに対して上位ユニット属性継承機能を設定している場合,デフォルトは,上位ユニットの所有者です。

[JP1資源グループ]

JP1資源グループ名を63バイト以内の文字列で指定します。指定できる文字は,英数字,および「_(アンダーバー)」です。デフォルトは,上位ユニットのJP1資源グループ名です。空白の場合は,アクセス権限の対象になりません。

[実行ユーザー種別]

実行ユーザーの種類を選択します。デフォルトは[登録ユーザー]です。選択できる種類を次に示します。

  • [登録ユーザー]

    ジョブを登録したJP1ユーザーでジョブを実行します。

  • [所有ユーザー]

    ジョブを所有しているJP1ユーザーでジョブを実行します。

ここで指定したユーザーからOSのユーザーに変換されるように,ジョブ実行ホストでユーザーマッピングする必要があります。ただし,上位ユニットに実行ユーザー固定機能を設定している場合は,ここでの指定に関係なく,実行ユーザーはユニット属性プロファイルの設定に従って固定されます。