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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング


2.7.8 組み込みDB操作コマンドでエラーを検知したときの対処方法

組み込み操作DBコマンドでエラーを検知したときの対処方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 組み込みDBのメンテナンス中にエラーが発生したときの対処方法

jajs_setupコマンド実行時,jajs_setup_clusterコマンド実行時,および組み込みDBのメンテナンス中に発生したエラーの原因とその対処方法を次の表に示します。

表2‒10 組み込みDBのメンテナンス中に発生したエラーの原因とその対処方法

戻り値

エラーの原因

対処方法

1

オプションの指定に誤りがあります。

正しいオプションを指定して,コマンドを再実行してください。

2

一時ディレクトリの作成に失敗しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

3

-idオプションに指定したセットアップ識別子が不正です。

正しいセットアップ識別子を指定して,コマンドを再実行してください。

4

-idオプションに指定したセットアップ識別子は,すでにインストール済みです。

インストール済みでないセットアップ識別子を指定して,コマンドを再実行してください。

5

JP1/AJS3で割り当てられるセットアップ識別子がありません。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

6

組み込みDBのポート番号の取得に失敗しました。

7

-pオプションに指定したポート番号が不正です。

正しいポート番号を指定して,コマンドを再実行してください。

8

予期しないエラーが発生しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

9

-pオプションに指定したポート番号は,すでに使用されています。

使用されていないポート番号を指定して,コマンドを再実行してください。

10

JP1/AJS3で割り当てられるポート番号がありません。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

11

JP1/AJS3で割り当てられるテーブルプリフィックスがありません。

12

ユーザーが不当に編集した,または破損した組み込みDB設定ファイルを指定しました。

正しい組み込みDB設定ファイルを指定して,コマンドを再実行してください。

24

Administrators権限がないユーザーでインストールを実行しました。

Administrators権限を持つユーザーでコマンドを再実行してください。

(2) 組み込みDBのインストール中にエラーが発生したときの対処方法

組み込みDBのインストール中に発生したエラーの原因とその対処方法を次の表に示します。

表2‒11 組み込みDBのインストール中に発生したエラーの原因とその対処方法

戻り値

エラーの原因

対処方法

-66

何らかのプロセス(イベントビューアやウイルススキャン,バックアップソフトなど)によって組み込みDBのファイルが使用されているため,更新できないファイルがあります。

OSを再起動し,イベントビューアやウイルススキャン,バックアップソフトなどを起動していない状態で,コマンドを再実行してください。

1

オプションの指定に誤りがあります。

正しいオプションを指定して,コマンドを再実行してください。

2

一時ディレクトリの作成に失敗しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

3

-mhオプションに指定したホスト名が不正です。

正しいホスト名を指定して,コマンドを再実行してください。

4

-idオプションに指定したセットアップ識別子が不正です。

正しいセットアップ識別子を指定して,コマンドを再実行してください。

5

-idオプションに指定したセットアップ識別子は,すでにインストール済みです。

インストール済みでないセットアップ識別子を指定して,コマンドを再実行してください。

6

組み込みDBのインストール実行ログが見つかりません。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

7

組み込みDBのインストールイメージがありません。または-sオプションに指定したパスに権限がありません。

-sオプションに指定したパスに組み込みDBのインストールイメージを格納してから,コマンドを再実行してください。または指定したパスの権限を見直して,再実行してください。AJS管理者で運用している場合は,AJS管理者に対して権限があるか見直してください。

8

構成定義の登録に失敗しました。

コマンドの実行権限を確認してから,コマンドを再実行してください。

9

インストールするセットアップ識別子とインストール先ディレクトリの組み合わせが不正です。

インストール済みの組み込みDBセットアップ識別子を指定する場合は,そのセットアップ識別子に対応したインストール先ディレクトリを指定してコマンドを再実行してください。インストール済みでない組み込みDBセットアップ識別子を指定する場合は,インストール済みでない組み込みDBのインストール先ディレクトリを指定してコマンドを再実行してください。

12

インストール時に配置されるファイルが一部不足しています。

次の要因が考えられます。

  • ajsembdbinstlコマンドを同じセットアップ識別子に対して同時に複数実行したため,インストール時に配置されるファイルが不正な状態となっている。

    この場合,ajsembdbinstlコマンドを再実行してください。

  • その他の場合

    JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ配下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

24

Administrators権限がないユーザーでインストールを実行しました。

Administrators権限を持つユーザーでコマンドを再実行してください。

61

インストールに必要なファイルが不足しています。

-sオプションに指定したディレクトリに組み込みDBのインストールイメージを格納してから,コマンドを再実行してください。

63

OS登録中にエラーが発生しました。

リリースノートを参照して,必要なOSのパッチやパッケージがインストールされているか確認してください。

また,-iオプションに指定したインストール先ディレクトリが,次の条件を満たしているかどうか確認してください。

  • インストール先ディレクトリ名が次の文字で構成されている。

    Windowsの場合

    ・半角英数字

    ・空白文字

    ・パス区切りの\

    .(ピリオド)

    _(アンダーバー)

    (

    )

    UNIXの場合

    ・半角英数字

    _(アンダーバー)

    /(スラント)

  • インストール先ディレクトリのパス長が118バイト以内である。

これらの条件を満たした上で,コマンドを再実行してください。このエラーが繰り返し出力される場合は,JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

65

ディスクアクセス中にエラーが発生しました。

組み込みDBのインストール先ディスクに十分な空き容量があるか確認してから,コマンドを再実行してください。十分な空き容量がある場合でもこのエラーとなる場合は,JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

66

組み込みDBのインストール先ディスクの空き容量が不足しています。

組み込みDBのインストール先ディスクに十分な空き容量があるか確認してから,コマンドを再実行してください。

68

起動オプション(パラメーター)が不正です。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

72

スーパーユーザー権限がないユーザーでインストールを実行しました。

スーパーユーザー権限を持つユーザーでコマンドを再実行してください。

78

JP1/AJS3の適用OSではありません。

JP1/AJS3の適用OSであるか確認してください。適用OSである場合は,JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

80

Windowsの場合

同じセットアップ識別子の組み込みDBのサービスが「停止」状態ではありません。

UNIXの場合

インストール先ディレクトリに指定した組み込みDBが稼働中です。

組み込みDBを停止してからコマンドを再実行してください。

82

Windowsの場合

同じセットアップ識別子の組み込みDBがすでにインストールされています。

UNIXの場合

インストール先ディレクトリに組み込み用以外のデータベースがすでにインストールされています。

インストール先ディレクトリの指定を見直してください。

83

Windowsファイアウォールの例外リストへの登録中にエラーが発生しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

85

パッチ情報ファイルの内容が不正です。

86

パッチ情報の削除に失敗しました。

87

パッチ情報の削除に失敗しました。OSを再起動する必要があります。

88

pdservice.exeプロセスが実行中です。

89

組み込みDBサービスの表示名が重複しました。

90

系切り替え用サービスの表示名が重複しました。

91

Windowsイベントログのソース名が重複しました。

92

組み込みDBサービスの表示名登録時に異常が発生しました。

93

系切り替え用サービスの表示名登録時に異常が発生しました。

94

Windowsイベントログのソース名登録時に異常が発生しました。

95

組み込みDBが「停止」状態ではありません。

組み込みDBを停止してからコマンドを再実行してください。

96

バージョンアップインストールするファイルが使用中です。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

60

上記以外のエラーが発生しました。

(3) 組み込みDBのアンインストール中にエラーが発生したときの対処方法

組み込みDBのアンインストール中に発生したエラーの原因とその対処方法を次の表に示します。

表2‒12 組み込みDBのアンインストール中に発生したエラーの原因とその対処方法

戻り値

エラーの原因

対処方法

1

オプションの指定に誤りがあります。

正しいオプションを指定して,コマンドを再実行してください。

2

一時ディレクトリの作成に失敗しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

3

-mhオプションに「JP1_DEFAULT」は指定できません。

正しいホスト名を指定して,コマンドを再実行してください。

4

-mhオプションに指定したホスト名が不正です。

5

組み込みDBのインストール情報ディレクトリがありません。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

6

組み込みDBのアンインストール情報ディレクトリがありません。

7

組み込みDBのインストール先ディレクトリが解決できません。

8

予期しないエラーが発生しました。

9

組み込みDBの環境構築情報ファイルの出力に失敗しました。

10

組み込みDBのアンセットアップに失敗しました。

このメッセージの前に出力されているエラーメッセージに従って対処してから,コマンドを再実行してください。

11

構成定義の削除に失敗しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

24

Administrators権限がないユーザーでアンインストールを実行しました。

Administrators権限を持つユーザーでコマンドを再実行してください。

63

OS登録解除中にエラーが発生しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

65

ディスクアクセス中にエラーが発生しました。

72

スーパーユーザー権限がないユーザーでアンインストールを実行しました。

スーパーユーザー権限を持つユーザーでコマンドを再実行してください。

81

Windowsの場合

同じセットアップ識別子の組み込みDBがインストールされていません。

UNIXの場合

インストール先ディレクトリに組み込みDBがインストールされていません。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

88

実行中の組み込みDBプロセスが残っていたため,一部のファイルを削除できません。

OSを再起動してから,コマンドを再実行してください。

60

上記以外のエラーが発生しました。

JP1/AJS3のインストール先ディレクトリ以下のディレクトリを退避して,システム管理者に連絡してください。

(4) 組み込みDBのセットアップ中にエラーが発生したときの対処方法

組み込みDBのセットアップ中に発生したエラーの原因とその対処方法を次の表に示します。

なお,組み込みDB識別子に「_JF0」以外を使用している場合,コマンド名やフォルダパスの「_JF0」部分を,使用している組み込みDB識別子に置き換えてください。

表2‒13 組み込みDBのセットアップ中に発生したエラーの原因とその対処方法

コード

メッセージID

エラーの原因

対処方法

7

KFPX29607

ファイルがありません。

次の情報を退避して,システム管理者に連絡してください。

Windowsの場合
  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\_JF0以下のフォルダおよびファイル

  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log\embdb以下のファイル

UNIXの場合
  • /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0以下のディレクトリおよびファイル

  • /var/opt/jp1ajs2/log/embdb以下のファイル

8

KFPX29608

ファイルのオープンに失敗しました。

9

KFPX29609

ファイルの読み取りに失敗しました。

10

KFPX29610

ファイルの生成に失敗しました。

11

KFPX29611

ディレクトリの作成に失敗しました。

12

KFPX29612

表・システム領域不足です。

ディスクに十分な空きがあるか確認してください。

13

KFPX29613

表・システム領域不足です。

14

KFPX29614

表・システム領域不足です。

15

KFPX29615

表・システム領域不足です。

16

KFPX29616

表・システム領域作成時にエラーが発生しました。

OSのファイルシステムの設定で,扱えるファイルの最大サイズが2ギガバイト以下に設定されている場合は,2ギガバイトより大きな値,または無制限に設定し直してください。

17

KFPX29617

システム領域の初期化でエラーが発生しました。

次の情報を退避して,システム管理者に連絡してください。

Windowsの場合
  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\_JF0以下のフォルダおよびファイル

  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log\embdb以下のファイル

UNIXの場合
  • /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0以下のディレクトリおよびファイル

  • /var/opt/jp1ajs2/log/embdb以下のファイル

18

KFPX29618

組み込みDBの起動または表領域初期化でエラーが発生しました。

  • 組み込みDBを構築するホスト名から名前解決したIPアドレスで通信できる状態になっているか確認してください。

  • 組み込みDBが必要とするシステムリソースが不足しています。マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 3.2.5 カーネルパラメーターを見積もる」を参照して確認してください。

19

KFPX29619

組み込みDBの内部でエラーが発生しました。

次の情報を退避して,システム管理者に連絡してください。

Windowsの場合
  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\_JF0以下のフォルダおよびファイル

  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log\embdb以下のファイル

UNIXの場合
  • /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0以下のディレクトリおよびファイル

  • /var/opt/jp1ajs2/log/embdb以下のファイル

20

KFPX29620

一時ファイルの作成でエラーが発生しました。

23

KFPX29623

組み込みDBの内部でエラーが発生しました。

24

KFPX29624

KFPS00031

組み込みDBがすでに環境構築されています。

JP1/AJS3をアンインストールしたあと,JP1/AJS3を再度インストールしてください。

25

KFPX29625

メモリーが不足しています。

十分なメモリーを確保してください。

26

KFPX29626

組み込みDBの内部でエラーが発生しました。

次の情報を退避して,システム管理者に連絡してください。

Windowsの場合
  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\_JF0以下のフォルダおよびファイル

  • JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log\embdb以下のファイル

UNIXの場合
  • /opt/jp1ajs2/embdb/_JF0以下のディレクトリおよびファイル

  • /var/opt/jp1ajs2/log/embdb以下のファイル

27

KFPX29627

組み込みDBの内部でエラーが発生しました。

注※

次のどちらかのフォルダとなります。

  • インストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合

    %ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2

    %ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。

    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。

    ・「システムドライブ\Windows」配下

    ・「システムドライブ\Program Files」配下

    ・「システムドライブ\Program Files (x86)」配下(64ビット版のWindowsの場合)

  • インストール先フォルダが上記以外の場合

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ