2.6.8 一斉実行する場合のフレキシブルジョブのトラブルへの対処
一斉実行したフレキシブルジョブのトラブルへの対処方法を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) 一斉実行したフレキシブルジョブが異常終了する
一斉実行の方式が同期モードの場合と非同期モードの場合で,考えられる原因とその対処方法が異なります。一斉実行の方式に従って,次のように対処してください。
- 同期モードの場合
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ジョブの実行結果に,宛先エージェントごとの標準エラー出力の内容が表示されたかどうかで,次のとおり対処してください。
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ジョブの実行結果に,宛先エージェントごとの標準エラー出力の内容が表示されたときは,宛先エージェントのどれかで問題が発生したおそれがあります。フレキシブルジョブの一斉実行では,問題が発生した宛先エージェントが一つ以上あると,ジョブの状態は異常検出終了になります。宛先エージェントごとに出力された内容を確認し,対処してください。
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ジョブの実行結果に,宛先エージェントごとの標準エラー出力の内容が表示されないときは,中継エージェント(中継しない場合はマネージャー)または一斉配信エージェントで問題が発生したおそれがあります。出力されたメッセージに従って,中継エージェント(中継しない場合はマネージャー)または一斉配信エージェントで対処してください。
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- 非同期モードの場合
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メッセージKAVS8100-Eの「保守情報4」に宛先エージェントのホスト名が出力されたかどうかで,次のとおり対処してください。
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メッセージKAVS8100-Eの「保守情報4」に宛先エージェントのホスト名が出力されたときは,一斉配信エージェントから宛先エージェントへの実行要求の送信に失敗したおそれがあります。一斉配信エージェントから,「保守情報4」に出力された宛先エージェントへの通信ができるように対処してください。
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メッセージKAVS8100-Eの「保守情報4」に宛先エージェントのホスト名ではない情報が出力されたときは,中継エージェント(中継しない場合はマネージャー)と一斉配信エージェントの通信に失敗しています。中継エージェント(中継しない場合はマネージャー)から一斉配信エージェントへの通信ができるように対処してください。
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(2) 一斉実行の宛先エージェントでジョブが実行されない
一斉実行の宛先エージェントでジョブが実行されない場合に考えられる原因と,その対処方法を次に示します。
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宛先エージェントとしてセットアップされていない
ジョブが実行されない宛先エージェントでajsfxbcstatusコマンドを実行し,一斉配信エージェントが正しく設定されているかどうかを確認してください。設定されていないときは,ajsatsetupコマンドで設定してください。
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JP1/AJS3 Autonomous Agentサービスが起動していない
ジョブが実行されない宛先エージェントでJP1/AJS3 Autonomous Agentサービスが起動しているかどうかを確認してください。起動していないときは,サービスを起動してください。
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一斉配信エージェントと通信できない
ジョブが実行されない宛先エージェントで,統合トレースログにメッセージKAVS8146-Eが出力されているかどうかを確認してください。出力されているときは,一斉配信エージェントとの通信に失敗しています。ファイアウォールなどの通信環境を見直してください。
(3) 存在しない宛先エージェントに対してフレキシブルジョブの一斉実行要求が行われる
スケールインなどで削除された宛先エージェントに対してフレキシブルジョブの一斉実行をしようとすると,メッセージKAVS8100-Eが出力されることがあります。フレキシブルジョブの一斉実行では,生存通知を送信しなくなった宛先エージェントが一斉配信の管理対象から削除されるまで,デフォルトで60分掛かります。そのため,スケールインなどで宛先エージェントが削除された場合,削除されてから60分が経過してからフレキシブルジョブを一斉実行してください。
なお,宛先エージェントを管理対象から削除するまでの時間は,環境設定パラメーターFXBC_MANAGEDAGT_REMOVEDTIMEで変更できます。環境設定パラメーターFXBC_MANAGEDAGT_REMOVEDTIMEについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.9.2(7) FXBC_MANAGEDAGT_REMOVEDTIME」を参照してください。