Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング


2.6.2 標準ジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブのトラブルへの対処

標準ジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブの実行に関するトラブルの対処方法を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 標準ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブを実行すると起動失敗となる

次の要因が考えられます。

(2) HTTP接続ジョブを実行すると起動失敗となる

次の要因が考えられます。

(3) 標準ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブを実行すると異常終了となる

次の要因が考えられます。

(4) HTTP接続ジョブを実行すると異常終了となる

次の要因が考えられます。

(5) 標準ジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブの状態が変化しない

次の要因が考えられます。

(6) 標準ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブを登録したりキューを操作したりするとアクセス権限エラーとなる

JP1/Base認証サーバのアクセス権限の設定が不適切です。

JP1_Queue資源グループに対して,正しいアクセス権限を設定してください。ジョブの登録やキューの操作などには,JP1_JPQ_Admin,JP1_JPQ_Operator,またはJP1_JPQ_Userのどれかの権限が必要です。

(7) シェルが環境変数を読み込まない(AIX限定)

AIXでは,/etc/environmentの情報は引き継ぎません。

マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.4.2 ログインスクリプトの変更」の説明を参考に,ログインスクリプトを変更してください。ログインスクリプトの変更例を次に示します。

if [ "$JP1JobID" != "" ] ; then
 . /etc/environment
 export 設定したい環境変数
fi

/etc/environmentを読み込んだあと,設定したい環境変数に対して[export]コマンドを実行してください。

注意事項
  • 上記の設定は,sh,ksh(.profile)だけで有効です。その他のcshなどでは無効です。

  • 上記の設定をした場合,ログインスクリプトの中で/etc/environmentを読み込むため,各情報の設定順序が変わってしまうおそれがあることを考慮する必要があります。このため,ログインスクリプトに/etc/environmentの読み込みを追加する際は,/etc/environmentで設定している環境変数をログインスクリプトでも設定している個所がないかを確認し,挿入個所に十分注意してください。ログインスクリプトの最初で/etc/environmentを読み込むように変更することを推奨します。

(8) ジョブプロセスを実行しないままジョブが正常終了となる

UNIXの場合,JP1/AJS3ではジョブ実行時に,ログインスクリプトを実行します。その際,次のようにログインスクリプトの中に,exitコマンドのようなログインスクリプトを終了するコマンドがあると,ジョブプロセスを実行する前にジョブが正常終了します。

 /usr/bin/sh ; exit

このような場合は,exitコマンドを実行しないようにログインスクリプトを変更してください。

ログインスクリプトの変更方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.4.2 ログインスクリプトの変更」を参照してください。

(9) リトライ間隔を経過しても自動リトライが実行されない

ジョブ量が多く,自動リトライが遅延することが考えられます。ジョブネットのスケジュールを一時変更したり,実行中のユニットをいったん強制終了したりして,同時に実行されるジョブの量を減らしてください。

自動リトライを設定する場合,リトライ実行を含めたジョブ量を見積もる必要があります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 1.3 設計のポイント」を参照してください。

(10) 自動リトライが一度に実行され業務が遅延する

エージェントホストの障害などで,そのエージェントホストで実行されるジョブが同時に異常終了すると,自動リトライが一度に実行されてジョブ量が増えます。

自動リトライの実行でジョブ量が増えたために業務が遅延しているのを検知したら,ajsagtaltコマンドを実行して,障害が起きている実行エージェントのジョブ受付を制限してください。エージェントホストが復旧したら,再度ajsagtaltコマンドを実行してジョブ受付の制限を解除してください。

なお,すぐに回復できない障害が発生したときに自動リトライが発生すると,ジョブの実行数が増加してジョブ実行性能に影響を与えるおそれがあります。そのため,自動リトライの設定をする際には,終了コードの範囲を必要最小限で指定してください。自動リトライについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.13 ジョブの異常終了時に自動でリトライする」を参照してください。