10.1.3　JP1/AJS3 - Web Consoleがサポートするクラスタ構成

(1)　クラスタシステムの前提条件

JP1/AJS3 - Web Consoleをクラスタシステムで使用する場合，次に示す前提条件があります。

1. クラスタソフトは，次に示す2.〜4.を制御できるプログラムであること。

2. 実行系から待機系へ引き継ぎができる共有ディスクを使用できること。

   詳細には次に示す条件を満たすこと。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを起動する前に，共有ディスクが割り当てられること。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを実行中に，共有ディスクの割り当てが解除されないこと。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを停止したあとに，共有ディスクの割り当てが解除されること。

   • 実行系ノードからだけ共有ディスクをアクセスできるように，排他制御されていること。

   • システムダウンなどでファイルが消えないよう，ジャーナル機能を持つファイルシステムなどでファイルを保護すること。

   • フェールオーバーしてもファイルに書き込んだ内容が保証されて引き継がれること。

   • フェールオーバー時に共有ディスクを使用中のプロセスがあっても，強制的にフェールオーバーができること。

   • 共有ディスクの障害を検知した場合の回復処置はクラスタソフトなどが制御し，JP1/AJS3 - Web Consoleが回復処置を意識する必要がないこと。また，回復処置の延長でJP1/AJS3 - Web Consoleの起動や停止が必要な場合は，クラスタソフトからJP1/AJS3 - Web Consoleに起動や停止の実行要求をすること。

3. クラスタ運用で使用するIPアドレスとして次に示す条件を満たすこと。

   • 引き継ぎができる，クラスタ運用で使用するIPアドレスを使って通信できること。

   • クラスタ運用で使用するホスト名から，クラスタ運用で使用するIPアドレスが一意に求まること。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを起動する前に，クラスタ運用で使用するIPアドレスが割り当てられること。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを実行中に，クラスタ運用で使用するIPアドレスが削除されないこと。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを実行中に，クラスタ運用で使用するホスト名とクラスタ運用で使用するIPアドレスの対応が変更されないこと。

   • JP1/AJS3 - Web Consoleを停止したあとに，クラスタ運用で使用するIPアドレスが削除されること。

   • ネットワーク障害を検知した場合の回復処置はクラスタソフトなどが制御し，JP1/AJS3 - Web Consoleが回復処置を意識する必要がないこと。また，回復処置の延長でJP1/AJS3 - Web Consoleの起動や停止が必要な場合は，クラスタソフトからJP1/AJS3 - Web Consoleに起動や停止の実行要求をすること。

4. クラスタ運用で使用するホスト名が，hostsファイルやネームサーバに設定され，TCP/IP通信ができること。

上記の条件が満たされていない場合は，JP1/AJS3 - Web Consoleの動作に問題が起きることがあります。例えば，次のような問題が発生します。

• 実行系で書き込んだデータが，フェールオーバーしたときに壊れてしまう場合

  JP1/AJS3 - Web Consoleでエラー・データ消失・起動失敗などの問題が発生し，正常に動作できません。

• NIC障害が発生しても回復処置がされない場合

  クラスタソフトなどの制御によってNICが切り替えられるか，または他サーバへフェールオーバーするまで，通信エラーが発生しJP1/AJS3 - Web Consoleは正常に動作できません。

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(2)　サポートするシステム構成

クラスタ構成の例を次に説明します。

JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerそれぞれでクラスタシステムを構築することで，障害発生時には相互に影響を与えることなくフェールオーバーします。そのため，異なるクラスタシステム上にJP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerを構築することを推奨します。

図10‒2　JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerを異なるサーバにクラスタを構築する場合

図10‒3　JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerを同一のサーバに別々でクラスタを構築する場合

注意事項

JP1/AJS3 - Web Consoleは，アクティブ・スタンバイ構成のクラスタ構成をサポートしています。アクティブ・アクティブ構成はサポートしていません。

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