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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


7.9.3 システムの日時を変更する

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentの場合

JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentの運用中にシステムの日時を変更する手順について説明します。

JP1/AJS3サービスを起動したあとにシステムの日時を大幅に変更すると,ジョブネットの実行スケジュールに影響を与えます。大幅に日時を変更する必要がある場合は,JP1/AJS3サービスが停止している状態で作業してください。時刻を戻したときは,戻す前の時刻になるまで待ってから起動してください。戻す前の時刻になるまで待たないで起動するときは,データベース環境を再構築したあと,JP1/AJS3サービスをコールドスタートで起動してください。

なお,時刻を合わせるために,ホストのシステム時刻を,NTP(Network Time Protocol)などで少しずつ変更する場合,この項で紹介する手順に示しているサービスの停止やコールドスタートは不要です。NTPなどで時刻を合わせる場合は,同一時刻が発生しないようにミリ秒単位で補正してください。

また,JP1/AJS3 - Agent Minimal Editionを運用しているホストでシステム時刻を変更する場合,1日に実行できるジョブ数に影響します。JP1/AJS3 - Agent Minimal Editionでシステム時刻を変更する場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 付録G.4(2) システム時刻を変更する場合」を参照してください。

(a) 遅れているシステムの時刻を進める場合

システムの時刻を現在時刻まで進める手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3サービスを終了する。

  2. システムの時刻を進ませる。

  3. JP1/AJS3サービスを開始する。

(b) 進んでいるシステムの時刻を戻し,変更前の時刻になるまで待つ場合

システムの時刻を現在時刻に戻す手順を次に示します。

  1. JP1/AJS3サービスを終了する。

  2. システムの時刻を戻す。

  3. システムの時刻が時刻を戻す前の時刻に達したら,JP1/AJS3サービスを開始する。

    例えば,手順2で「02:00」を「01:00」に戻した場合,システムの時刻が「02:00」になってから,JP1/AJS3サービスを開始します。

(c) 進んでいるシステムの時刻を戻し,すぐにJP1/AJS3を起動する場合

システムの時刻を現在時刻に戻したあと,すぐにJP1/AJS3を起動する手順を次に示します。この場合,次回のJP1/AJS3の起動時刻がJP1/AJS3の停止より前の時刻になるため,JP1/AJS3 - Managerではデータベース環境の再構築が必要です。

  1. JP1/AJS3サービスを終了する。

  2. 稼働状況レポートの出力機能を有効にしている場合は,稼働状況ログファイルを削除する。

    詳細については,「5.3.1 稼働状況レポートの出力機能の概要」を参照してください。

  3. システムの時刻を戻す。

  4. データベース環境を再構築する。

    詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.4.1(6) 組み込みDBの再セットアップ」を参照してください。

  5. JP1/AJS3 サービスをコールドスタートで開始する。

注意事項
  • JP1/AJS3 - Agentのシステムの時刻を戻した場合,時刻を戻したホストで,JP1イベント受信監視実行前のイベント検索はできません。

  • ジョブ定義の,ジョブの終了判定の条件に「ファイルが更新されれば正常」を指定していて,かつ日時を変更したあと,実際のファイル作成日時よりも前にファイルを更新した場合は,ファイル更新を検知できずにジョブが異常終了することがあります。終了判定では,ジョブ開始時に取得したファイル更新日時とジョブ終了時に取得したファイル更新日時を比較します。

    例えば,毎日11:00にジョブを開始し,12:00にファイルを更新したあと,13:00にジョブが終了して終了判定する運用をしているとします。10月10日の14:00にJP1/AJS3サービスを停止し,システム日時を10月9日の10:00に変更します。ジョブ開始時の10月9日の11:00に取得したファイル更新日時は,システム日時を変更する前のジョブで更新した10月10日の12:00であり,ジョブ終了時の10月9日の13:00に取得したファイル更新日時は,システム日時を変更したあとのジョブで更新した10月9日の12:00です。終了判定でファイル更新を検知しないため,正常終了と認識されません。このため,JP1/AJS3サービスが停止している状態で日時を変更したあと,手動でファイルを更新し直すなど,ジョブ実行前にファイル更新日時を現在のシステム日時に合わせておく必要があります。

(2) JP1/AJS3 - Web Consoleの場合

JP1/AJS3 - Web Consoleのシステム日時を変更する手順を次に示します。なお,このシステム日時の変更にはシステムのタイムゾーン変更も含みます。

  1. JP1/AJS3 - Web Consoleのサービスを終了する。

    次の二つのサービスを終了します。

    • JP1/AJS3 HTTP Serverサービス

    • JP1/AJS3 Web Application Serverサービス

  2. システム日時を変更する。

    システム日時を過去の日時に変更した場合,作業ファイル格納ディレクトリを削除します。

    作業ファイル格納ディレクトリは次のディレクトリです。

    Windowsの場合

    Web Consoleサーバ用システムファイルフォルダ\rcmd

    UNIXの場合

    Web Consoleサーバ用システムファイルディレクトリ/rcmd

  3. JP1/AJS3 - Web Consoleのサービスを開始する。

    次の二つのサービスを開始します。

    • JP1/AJS3 Web Application Serverサービス

    • JP1/AJS3 HTTP Serverサービス