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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


5.3.1 稼働状況レポートの出力機能の概要

稼働状況レポートの出力機能は,スケジューラーサービスの処理量や,ジョブの実行状況をまとめてCSV形式で出力する機能です。稼働状況レポートは,ジョブの開始数やキューイング状態のジョブ件数といった,スケジューラーサービスの稼働状況を時間帯ごとに集計して出力できるため,ピークの時間帯や時間経過による推移を把握できます。さらに,CSV形式で出力された情報をExcelなどでグラフ化して集計・分析すれば,JP1/AJS3の稼働状況をより把握しやすくなります。

図5‒1 稼働状況レポートの出力から集計・分析までの流れ

[図データ]

稼働状況レポートに出力される情報を次に示します。

表5‒2 稼働状況レポートに出力される情報の一覧

出力される情報

説明

スケジューラーサービスの処理量

  • ジョブネットやジョブの開始数

  • ジョブネットやジョブの終了数

ジョブの実行状況

  • 処理待ちジョブの件数

  • 処理中のジョブの情報

稼働状況レポートを出力するためには,稼働状況レポートの出力機能を有効にする必要があります。機能を有効にすると,稼働状況ログファイル(バイナリー形式)の出力が開始されます。マネージャーホストでajsreportコマンドを実行すると,稼働状況ログファイルの内容をCSV形式で出力できます。稼働状況ログファイルは,環境設定パラメーターAJSREPORTSTOREDAYPERIODで保存可能な日数を設定し,デフォルトの設定で7日間,最長で21日間の稼働状況ログを保存できます。ajsreportコマンドは,保存されている稼働状況ログファイルに対して,対象のスケジューラーサービス,出力するデータの集計期間や集計間隔を任意に設定できます。これらの設定はajsreportコマンドの実行時にオプションで指定します。定期的に稼働状況をCSVファイルで出力することで,スケジューラーサービスの現在の稼働状況の把握や,過去の稼働状況との比較ができます。

図5‒2 稼働状況レポートを定期的に取得して比較する場合のイメージ

[図データ]

稼働状況レポートの出力機能の設定手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.6 稼働状況レポートの出力に関する設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.7 稼働状況レポートの出力に関する設定」(UNIXの場合)を参照してください。

稼働状況ログファイルの見積もりについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 3.4.8 稼働状況ログファイルのサイズを見積もる」を参照してください。

ajsreportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsreport」を参照してください。

注意事項

JP1/AJS3 - Managerの運用中にシステム時刻を過去に戻す場合は,次の手順に従って稼働状況ログファイルを削除してください。

  1. JP1/AJS3サービスを停止する。

  2. ajsreportコマンドの出力結果を保存する。

  3. 稼働状況ログファイルの出力先フォルダ配下のファイルをすべて削除する。

    稼働状況ログファイルの出力先ディレクトリについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 1.2.5 ログファイルおよびディレクトリ一覧」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(115) AJSREPORTDIR」を参照してください。