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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


7.3.2 リリース登録

リリース登録とは,あらかじめ定義したジョブネットの定義が指定した日時に運用中のジョブネットと切り替わるように登録しておく操作です。リリース登録をすると,運用中のジョブネットは,リリース情報を持つジョブネットとして扱われます。そのため,JP1/AJS3 - Viewでは,リリース先ジョブネットのアイコンで表示されます。

リリース登録には,次の二つの方法があります。

[JP1/AJS3 - View]ウィンドウでのリリース登録の方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 9.14.1 ジョブネットをリリース登録する」を参照してください。ajsreleaseコマンドでのリリース登録の方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsrelease」を参照してください。

注意事項
  • リリース日時以降にスケジュールがあるジョブネットのうち,期間指定や日付指定で確定実行登録をしているジョブネットは,リリース先に指定できません。この場合,リリース日時以降のスケジュールを登録解除,または実行中止してからリリース登録してください。ただし,未来世代数指定の確定実行登録と併用している場合は,リリース日時以降にスケジュールがあってもリリース登録できます。

  • スケジューラーサービスが異なるジョブネット間では,ジョブネットリリース機能を使用できません。

  • 次のジョブネットはリリース元に指定できません。

    ・すでにリリース先に指定されているジョブネット

    ・サスペンドされているジョブネット

    ・編集中のジョブネット

    ・ほかのユーザーが操作しているジョブネット

    ・ジョブネットコネクタ,接続先のジョブネット,および起動条件(.CONDITION)のうちのどれか二つ以上が定義されているジョブネット

    ・リモートジョブネットが定義されているジョブネット

  • 次のジョブネットはリリース先に指定できません。

    ・サスペンドされているジョブネット

    ・「閉塞」状態のジョブネット

    ・編集中のジョブネット

    ・ほかのユーザーが操作しているジョブネット

    ・ジョブネットコネクタ,接続先のジョブネット,および起動条件(.CONDITION)のうちのどれか二つ以上が定義されているジョブネット

    ・リモートジョブネットが定義されているジョブネット

    注※

    ほかのユーザーの操作が,「適用中」状態のジョブネット配下のユニットを対象にした保留属性の設定または解除の場合は,リリース先に指定できます。

  • リリース登録されているルートジョブネット(リリース先ジョブネット)の中には,次のユニットを追加できません。

    ・リモートジョブネット

    ・起動条件

    ・ジョブネットコネクタ

  • 「リリース待ち」状態,「削除待ち」状態,または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義を持つジョブネットは,リリース先ジョブネットとして指定できません。「リリース待ち」状態のジョブネット定義がある場合,新しいリリース登録は,ジョブネットが「適用中」状態になってから実施してください。「削除待ち」状態または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義がある場合は,「削除待ち」状態または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義をリリース中止したあとでリリース登録してください。

  • リリース登録する場合には,スケジューラーサービスが起動されている必要があります。

  • リリース登録によって掛かるシステムへの負荷は,リリース元ジョブネットを定義する場合と同等か,それ以上です。リリース登録は,ジョブ実行のピーク時を避けて実行してください。

  • 上位ユニット属性継承機能を設定したジョブネットをリリース先としてリリース登録した場合,リリース登録したジョブネット定義の所有者やJP1資源グループは,上位ユニット属性継承機能によって設定されます。

  • リリース登録すると,リリース登録したジョブネットの定義を基にリリース日時以降の世代が生成し直されます。このため,リリース登録する前に計画一時変更の操作をしても,リリース日時以降の世代には引き継がれません(実行登録時に指定したマクロ変数やJP1ユーザーなどの情報は引き継がれます)。リリース登録する前の計画一時変更の内容を,リリース日時以降の世代に反映させたい場合は,一時変更の再操作機能を使って,リリース登録前に実行した一時変更の操作を再操作してください。一時変更の再操作機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.16 ジョブネットやジョブの一時変更の操作情報を確認・再操作する」を参照してください。

  • リリース日時以降に実行予定がないジョブネットをリリース元としてリリース登録しても,実行予定は作成されません。リリース登録前にajsscheduleコマンドを実行して,リリース元ジョブネットにリリース日時以降の実行予定があるか確認してからリリース登録してください。

    また,リリース登録したあとに,リリース元ルートジョブネットの定義から正しく実行予定が作成されているかどうか,JP1/AJS3 - Viewまたはajsshowコマンドで確認してください。実行予定が作成されていない場合,リリース中止したあとで,リリース元ジョブネットの定義内容を見直し,再度リリース登録してください。

    ajsscheduleコマンドについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsschedule」を参照してください。また,ajsshowコマンドについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsshow」を参照してください。

  • 確定実行登録を使用していて,指定するリリース日時以降にだけ世代がある場合,スケジュール定義上,次回の実行予定世代が作成されないジョブネットの定義をリリース登録すると,未登録状態に戻ります。この場合,リリース中止して,リリース元ジョブネットの定義内容を見直したあとで,再度リリース登録および実行登録してください。

  • リリース登録したあとで,ajslocaldateコマンドでスケジューラーサービスローカル日時を過去の時刻に変更したり,システム時刻を過去の時刻に変更したりする場合は,リリース先ジョブネットをajsdeleteコマンドなどで削除してから変更してください。

    リリース先ジョブネットを削除しないで日時を過去の時刻に変更すると,正常に動作しなくなるおそれがあります。その場合,日時を変更前の時刻に戻したあとで,リリース先ジョブネットを削除してから,再度日時を変更してください。

    なお,リリース先ジョブネットを復元するためには,リリース登録前にリリース先となるジョブネットの定義情報をバックアップしておく必要があります。

  • リリース先ジョブネットを削除したあとで復元するには,リリース登録前に,ajsprintコマンドなどでリリース先となるジョブネットの定義情報をバックアップしておく必要があります。バックアップしておいたジョブネットの定義情報をajsdefineコマンドなどで定義し直したあと,リリース元を指定して再度リリース登録することで,リリース先ジョブネットを復元できます。

  • リリースコメントの末尾に連続して設定した半角空白文字は無効になります。このため,末尾に半角空白文字を使用しないでください。