2.3.4 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のリカバリー
バックアップしたJP1/AJS3 - Managerの設定情報をリカバリーする場合に,必要な作業を次の表に示します。
- (凡例)
-
○:必須
−:対象外
次に,バックアップしたJP1/AJS3 - Managerの設定情報をリカバリーするときに必要な作業について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 物理ホスト環境および論理ホスト環境のリカバリー
JP1/AJS3 - Managerのセットアップ後に,物理ホスト環境および論理ホスト環境をリカバリーします。リカバリーする場合に必要な設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 3.1.2 JP1/AJS3 - Managerのセットアップ」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.1.2 JP1/AJS3 - Managerのセットアップ」(UNIXの場合)を参照してください。
なお,次の(2)の手順でJP1/AJS3 - Managerの共通定義情報をまとめてリカバリーする場合は,上記マニュアルのセットアップ手順で共通定義情報(環境設定パラメーター)をjajs_configコマンドまたはjbssetcnfコマンドで個別に設定する作業は不要です。ただし,クラスタ環境のセットアップ時に実行系の共通定義情報を待機系にコピーする手順は必要です。
(2) JP1/AJS3 - Managerの共通定義情報のリカバリー
(a) 物理ホスト環境
次のコマンドを実行してJP1/AJS3 - Managerの物理ホスト環境の共通定義情報をリカバリーします。jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
jbssetcnf JP1AJS2の退避ファイル jbssetcnf JP1NBQAGENTの退避ファイル jbssetcnf JP1NBQMANAGERの退避ファイル jbssetcnf JP1NBQCLIENTの退避ファイル jbssetcnf JP1NBQNOTIFYの退避ファイル jbssetcnf JP1AOMMANAGERの退避ファイル jbssetcnf JP1AOMAGENTの退避ファイル jbssetcnf JP1AJSMANAGERの退避ファイル jbssetcnf JP1AJS2COMMONの退避ファイル※1 jbssetcnf JP1QLAGENTの退避ファイル※2 jbssetcnf JP1AJS2CONSOLEMANAGERの退避ファイル※3 jbssetcnf JP1AJS2CONSOLEAGENTの退避ファイル※3,※4
- 注※1
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jajs_configコマンドまたはjbssetcnfコマンドで[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2COMMON]配下の環境設定パラメーターを追加している場合は定義キーがあります。バックアップを実施してください。環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.11.1 JP1/AJS3共通情報の環境設定パラメーター一覧」を参照してください。
- 注※2
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キューレスジョブ実行環境をセットアップしている場合は定義キーがあるため,リカバリーを実施してください。
- 注※3
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Version 10以前との互換機能として,JP1/AJS3 Console機能を使用している場合は定義キーがあるため,リカバリーを実施してください。
- 注※4
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JP1AJS2CONSOLEAGENTは,物理ホストの共通定義情報だけをリカバリーしてください。
(b) 論理ホスト環境
次のコマンドを実行してJP1/AJS3 - Managerの論理ホスト環境の共通定義情報をリカバリーします。jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
jbssetcnf 論理ホストのJP1AJS2の退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1NBQAGENTの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1NBQMANAGERの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1NBQCLIENTの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1NBQNOTIFYの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1AOMMANAGERの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1AOMAGENTの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1AJSMANAGERの退避ファイル jbssetcnf 論理ホストのJP1AJS2COMMONの退避ファイル※1 jbssetcnf 論理ホストのJP1QLAGENTの退避ファイル※2 jbssetcnf 論理ホストのJP1AJS2CONSOLEMANAGERの退避ファイル※3
- 注※1
-
jajs_configコマンドまたはjbssetcnfコマンドで[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2COMMON]配下の環境設定パラメーターを追加している場合は定義キーがあります。バックアップを実施してください。環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.11.1 JP1/AJS3共通情報の環境設定パラメーター一覧」を参照してください。
- 注※2
-
キューレスジョブ実行環境をセットアップしている場合は定義キーがあるため,リカバリーを実施してください。
- 注※3
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Version 10以前との互換機能として,JP1/AJS3 Console機能を使用している場合は定義キーがあるため,リカバリーを実施してください。
(3) 定義ファイルのリカバリー
バックアップしたファイルを,元の位置にリカバリーしてください。
- 注意事項
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リカバリーするには,次の条件を満たしていることを確認してください。
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JP1/Baseがインストールされ,物理ホスト環境がセットアップ済みであること
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JP1/AJS3がインストールされ,物理ホスト環境がセットアップ済みであること
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論理ホスト環境をリカバリーする場合は,論理ホスト環境のJP1がセットアップ済みであること
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JP1/BaseとJP1/AJS3が停止していること
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論理ホストの設定ファイルをリカバリーする場合は,共有ディスクがマウントされていること
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(5) スケジューラーサービス用データベースの作成
スケジューラーサービスのデータベースが壊れている場合などは,データベースを再作成する必要があります。ここでは,データベースを再作成する手順について説明します。
なお,スケジューラーサービス用データベースの作成時には,すべてのJP1/AJS3サービスを停止してください。また,UNIXの場合は,「(4) 共有メモリーの情報のクリア(UNIXの場合だけ)」を行ってください。
スケジューラーサービス用データベースの作成手順を次に示します。
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ajsembdbunsetコマンドを使用して,組み込みDB環境を消去する。
ajsembdbunset -e -id 組み込みDBセットアップ識別子
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ajsembdbbuildコマンドで,組み込みDB環境を構築する。
ajsembdbbuildコマンドでの組み込みDB環境の構築については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.4.1(2) 組み込みDB環境の構築」を参照してください。
論理ホスト環境の実行系での組み込みDB環境の構築については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5.1(2) 組み込みDB環境の構築」を,待機系での組み込みDB環境の構築については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5.2(2) 組み込みDB環境の構築」を参照してください。
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ajsembdbsetupコマンドで,組み込みDB環境にJP1/AJS3の環境をセットアップする。
ajsembdbsetupコマンドでのJP1/AJS3の環境のセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.4.1(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」を参照してください。
論理ホスト環境の実行系でのJP1/AJS3環境のセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5.1(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」を,待機系でのJP1/AJS3環境のセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5.2(4) スケジューラーデータベースの組み込みDBへのセットアップ」を参照してください。
(6) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の作成
リカバリーしたQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)を使って,QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境を作成します。
なお,QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境の作成時には,対象となる論理ホストのJP1/AJS3サービスを停止しておいてください。
リカバリーの手順を次に示します。
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次のコマンドを実行して,キュー情報データベース格納フォルダのファイルを削除する。
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Windowsの場合
del QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリ\*※
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UNIXの場合
rm QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリ/*※
- 注※
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「QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境データベース格納ディレクトリ」は,[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQMANAGER\Database]の環境設定パラメーターDatabasePathに指定したフォルダです。環境設定パラメーターDatabasePathのデフォルト値などの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5.2(3) DatabasePath」を参照してください。
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次のコマンドを実行して,QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境を作成する。
jpqimport -dt isam -ci QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf) [-mh 論理ホスト名]
注意事項
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QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)には,リカバリーしたファイルを使用します。
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-ciオプションにファイル名(jpqsetup.conf)だけを指定した場合,コマンド実行時にファイル(jpqsetup.conf)がカレントディレクトリにあると仮定されます。そのため,カレントディレクトリにファイル(jpqsetup.conf)が存在しない場合は,コマンドがエラーになります。
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カレントディレクトリを意識せずにコマンドを実行する場合は,-ciオプションに指定するファイル名(jpqsetup.conf)をフルパスで指定してください。
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論理ホストの定義をリカバリーする場合は,-mhオプションで論理ホスト名を指定します。
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(7) JP1/AJS3の起動
コールドスタートでJP1/AJS3サービスを起動してください。
(8) 実行エージェント情報のリカバリー
実行エージェント情報のリカバリーに必要な作業について説明します。
次のコマンドを実行して,バックアップした実行エージェント定義ファイルから実行エージェント情報をリカバリーします。
ajsagtadd [-h 論理ホスト名] -f 実行エージェント定義ファイル [-i]
- 注意事項
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途中でエラーが発生した場合,エラーが発生した時点で追加処理を中断しますが,-iオプションを指定することによって処理を続行させることもできます。
(9) ユニット定義のリカバリー
ジョブネットやカレンダーの設定情報のリカバリーに必要な作業について説明します。スケジューラーサービス単位でリカバリーしてください。
- 注意事項
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このリカバリー手順だけ論理ホスト単位ではなく,スケジューラーサービス単位です。スケジューラーサービスごとにリカバリーしてください。
(a) ルートジョブグループ以外のユニットの定義情報をリカバリーする
次のコマンドを実行して,スケジューラーサービスにあるユニットの定義情報をリカバリーします。定義情報には,各ユニットの基準時刻やコメントなどすべての定義が含まれます。ルートジョブグループ(/)の基準時刻,基準日,月区分などは含まれません。これらの情報は次に示す「(b) ルートジョブグループの情報をリカバリーする」,「(c) ルートジョブグループのカレンダー情報をリカバリーする」の手順に従ってリカバリーしてください。
ajsdefine -F スケジューラーサービス名 unitbackup.txt
なお,ジョブグループやジョブネット単位に分割してバックアップした場合は,バックアップした単位に,次のコマンドを実行してリカバリーしてください。
ajsdefine -F スケジューラーサービス名 -d 定義先ユニット名 ユニット名_backup.txt
(b) ルートジョブグループの情報をリカバリーする
記録しておいたルートジョブグループの次の情報を設定してください。
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コメント
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所有者
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JP1資源グループ
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基準時刻
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基準日
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月区分
(c) ルートジョブグループのカレンダー情報をリカバリーする
次のコマンドを実行して,バックアップしたルートジョブグループのカレンダー情報(運用日・休業日)をリカバリーします。
ajscalendar -F スケジューラーサービス名 -df rootcal.txt /
- 注意事項
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このコマンドは,スケジューラーサービス自身のカレンダーをリカバリーします。
rootcal.txtにカレンダー情報が出力されていなければ,リカバリーは不要です。詳細については,バックアップの手順を参照してください。