Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


2.2.3 JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップ

JP1/AJS3 - Managerをバックアップする場合は,JP1/Baseも同時にバックアップしてください。

JP1/AJS3 - Managerの設定情報をバックアップする場合に,必要な作業を次に示します。

次に,JP1/AJS3 - Managerの設定情報のバックアップに必要な作業について説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3で使用するファイルのバックアップ

JP1/AJS3 - Managerで使用するファイルを,物理ホスト・論理ホスト単位に,任意の方法でバックアップしてください。

バックアップの対象となるファイルは,WindowsとUNIXでは異なるため,それぞれの場合に分けて説明します。

(a) Windowsの場合

JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2‒2 JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイル(Windowsの場合)

ファイル名

内容

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_env.conf

JP1/AJS3環境定義ファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\ajsprof_スケジューラーサービス名_agent.conf※2

実行エージェントプロファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\ajsprof_スケジューラーサービス名_unit.conf※2

ユニット属性プロファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_spmd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(システム管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_service_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_dbmd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(DB管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_dbmd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_hstd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_hstd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_agtd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_agtd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_schd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_schd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)

JP1/AJS3フォルダ※1\jp1ajs_spmd_pre.conf※2

JP1/AJS3事前起動プロセス定義ファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\profiles※3

JP1/AJS3 - Viewのカスタマイズ情報を格納するフォルダ

JP1/AJS3フォルダ※1\permitted_host_manager.conf※2

マネージャー用接続許可設定ファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\permitted_host_agent.conf※2

エージェント用接続許可設定ファイル

JP1/AJS3フォルダ※1\jpqsetup.conf※4

QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境構成定義ファイル

JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jpoov.conf※2

JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携用定義ファイル

プロファイル格納フォルダ※5\sys\prf配下のフォルダおよびファイル

Outlookを使用しないでメールを送信する場合のプロファイル

注※1

JP1/AJS3フォルダ」の部分は次のフォルダに置き換えてください。

  • 物理ホストの場合:

    インストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下のとき

    %ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2\conf

    インストール先フォルダが上記以外のとき

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf

    %ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。

    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。

    ・「システムドライブ\Windows」配下

    ・「システムドライブ\Program Files」配下

    ・「システムドライブ\Program Files (x86)」配下

  • 論理ホストの場合:共有フォルダ\jp1ajs2\conf

注※2

機能を使用していない場合,ファイルはありません。

注※3

次のファイルを利用している場合は,フォルダごとバックアップしてください。

  • ユーザー共通プロファイル

  • JP1/AJS3 - Viewのウィンドウのメニューを不活性にするカスタマイズファイル(jajsDisableMenu

  • 実行許可コマンド設定ファイル(jajsExecutableCommand

注※4

任意の定義ファイルを使ってjpqimportコマンドを実行している場合は,後述するQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境定義をバックアップしてから,ファイルをバックアップしてください。

注※5

プロファイル格納フォルダ」の部分は,定義キー[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AOMAGENT]の環境設定パラメーターWaitInfFileOutDirに設定している値に置き換えてください。環境設定パラメーターWaitInfFileOutDirについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.6.2(16) WaitInfFileOutDir(エージェントプロセス用)」を参照してください。

Outlookを使用しないでメールを送信するためのセットアップをしていない場合,フォルダおよびファイルはありません。

(b) UNIXの場合

JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイルを次の表に示します。

表2‒3 JP1/AJS3 - Managerのバックアップ対象ファイル(UNIXの場合)

ファイル名

内容

JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_Schedule.conf

スケジューラーサービス環境設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_EVAction.conf

イベント・アクション実行環境設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/AJS3_Queue.conf

ジョブ実行環境設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_env.conf

JP1/AJS3環境定義ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent.conf※2

実行エージェントプロファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit.conf※2

ユニット属性プロファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_spmd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(システム管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_service_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_spmd_pre.conf※2

JP1/AJS3事前起動プロセス定義ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_dbmd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(DB管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_dbmd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_hstd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_hstd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(ホストサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_agtd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_agtd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(エージェントサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_schd.conf

JP1/AJS3起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jp1ajs_schd_0700.conf

JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(スケジューラーサービス管理)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/Agent.conf

エージェント管理制御設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/Schedule.conf※3

スケジューラーサービス環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/EVAction.conf※3

イベント・アクション実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/profiles※4

JP1/AJS3 - Viewのカスタマイズ情報を格納するディレクトリ

JP1/AJS3ディレクトリ※1/permitted_host_manager.conf※2

マネージャー用接続許可設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/permitted_host_agent.conf※2

エージェント用接続許可設定ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/Queue.conf※3

ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Manager互換用)

JP1/AJS3ディレクトリ※1/jpqsetup.conf※5

QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境構成定義ファイル

JP1/AJS3ディレクトリ※1/Queueless.conf

キューレスジョブ実行環境設定ファイル

/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start

自動起動スクリプト※6

/etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop

自動停止スクリプト※6

/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start.cluster

論理ホスト起動スクリプト※6

/etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop.cluster

論理ホスト停止スクリプト※6

/etc/opt/jp1ajs2/jajs_killall.cluster

論理ホスト強制停止スクリプト※6

/etc/opt/jp1ajs2/conf/jpoov.conf※2

JP1/Cm2/NNMまたはHP NNM連携用定義ファイル

注※1

JP1/AJS3ディレクトリ」の部分は次のディレクトリに置き換えてください。

  • 物理ホストの場合:/etc/opt/jp1ajs2/conf

  • 論理ホストの場合:共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf

注※2

機能を使用していない場合,ファイルはありません。

注※3

バックアップしたJP1/AJS2 - Manager互換用の環境設定ファイルです。リカバリー先のJP1/AJS3 - Managerの構成が標準構成の場合は,使用しません。

注※4

次のファイルを利用している場合は,ディレクトリごとバックアップしてください。

  • ユーザー共通プロファイル

  • JP1/AJS3 - Viewのウィンドウのメニューを不活性にするカスタマイズファイル(jajsDisableMenu

  • 実行許可コマンド設定ファイル(jajsExecutableCommand

注※5

任意の定義ファイルを使ってjpqimportコマンドを実行している場合は,後述するQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義をバックアップしてから,ファイルをバックアップしてください。

注※6

スクリプトは,必要に応じてバックアップしてください。

(2) 実行エージェント情報のバックアップ

実行エージェント情報のバックアップに必要な作業について説明します。

次のコマンドを実行して,実行エージェントまたは実行エージェントグループの定義情報を任意の実行エージェント定義ファイルにバックアップします。すべての実行エージェントおよび実行エージェントグループの定義情報を出力する場合は,-lオプションを指定します。

定義情報には,実行エージェント名や実行ホスト名,およびジョブ実行多重度などの定義が含まれます。

ajsagtprint [-h 論理ホスト名] {-a 実行エージェント名 | -g 実行エージェントグループ名 | -l} 
> 実行エージェント定義ファイル
注意事項

実行エージェント情報をバックアップするときは,JP1/AJS3サービスを起動しておいてください。

(3) QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境定義のバックアップ

QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境を作成するjpqimportコマンドで任意の定義ファイルを使った場合は,ファイルの定義内容と実際の環境とが一致していないことがあります。この場合は,実際のQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義を出力し,jpqsetup.confに定義してからバックアップします。

バックアップの手順を次に示します。

  1. 次のコマンドを実行して,QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義を出力する。

    jpqexport -dt isam -co ファイル名 -mh 論理ホスト名
    注※

    物理ホストの場合は,「-mh 論理ホスト名」は指定しません。

    注意事項

    jpqimportコマンドで設定するファイルは,一元管理のためにjpqsetup.confを使用することを推奨します。

    論理ホストの定義をバックアップする場合は,-mhオプションで論理ホスト名を指定します。

  2. 出力ファイルの内容をjpqsetup.confにコピーする。

    手順1の「ファイル名」に指定したファイルにQUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の定義が出力されます。出力ファイルの内容をjpqsetup.confにコピーしてください。

(4) ユニット定義のバックアップ

ジョブネットやカレンダーの定義情報のバックアップに必要な作業について説明します。スケジューラーサービス単位でバックアップしてください。

注意事項

このバックアップ手順だけ,論理ホスト単位ではなく,スケジューラーサービス単位です。スケジューラーサービスごとにバックアップしてください。

また,バックアップするときは,JP1/AJS3サービスを起動しておいてください。

なお,ジョブネットの定義情報のバックアップについては,「3. ジョブネットの退避・回復」を参照してください。

(a) ルートジョブグループ以外のユニットの定義情報をバックアップする

次のコマンドを実行して,スケジューラーサービスにあるユニットの定義情報をバックアップします。定義情報には,各ユニットの基準時刻やコメントなどすべての定義が含まれます。ただし,ルートジョブグループ(/)の基準時刻,基準日,月区分などは含まれません。これらの情報は次に示す(b),(c)の手順でバックアップしてください。

  • Windowsの場合

    C:\> ajsprint -F スケジューラーサービス名 -a /* > unitbackup.txt
  • UNIXの場合

    # ajsprint -F スケジューラーサービス名 -a '/*' > unitbackup.txt

なお,ユニットの定義が多い場合は,ジョブグループやジョブネット単位に分割してバックアップすることを検討してください。バックアップする単位ごとに,次のコマンドを実行してバックアップします。

ajsprint -F スケジューラーサービス名 -a /ユニット名 > ユニット名_backup.txt
注意事項

ajsprintコマンドで定義情報をバックアップするときは,環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFに「no」を指定してバックアップしてください。環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(79) AJSPRINTNETSCHPRF」を参照してください。

(b) ルートジョブグループの情報をバックアップする

ルートジョブグループの次の情報を記録しておいてください。

  • コメント

  • 所有者

  • JP1資源グループ

  • 基準時刻

  • 基準日

  • 月区分

(c) ルートジョブグループのカレンダー情報をバックアップする

次のコマンドを実行して,ルートジョブグループのカレンダー情報(運用日・休業日)をバックアップします。

ajsprint -F スケジューラーサービス名 -d / > rootcal.txt
注意事項

rootcal.txtにカレンダー情報が出力されていなければ,リカバリーは不要です。