23.1.2　組み込みDBを使用する場合の注意事項

組み込みDBのサービスでは，組み込みDBサーバへの接続数に応じて，サービスプロセスが使用するデスクトップヒープを消費します。このため，デスクトップヒープが不足してJP1/AJS3のシステムアカウントに設定している各種のサービスがエラーとなり，起動できない場合があります。

デスクトップヒープのサイズはOSの設定で変更できます。デスクトップヒープのサイズを定義するレジストリー変数SharedSectionの第3パラメーターの値を編集してください。レジストリー編集方法については，Microsoftのホームページのサポート技術情報にある記事を参照してください。

システム環境変数に指定している環境変数PATHにネットワークドライブ名（他マシンへのパス）が含まれている場合で，そのマシンに対するアクセス権がないとき，次のような状態になることがあります。

• 組み込みDBのサービス起動時に，0xC0000022エラー（アプリケーションを正しく初期化できない）になる

• サービスコントロールマネージャが，イベントID：7009,7000で警告メッセージを出力する

この場合は，指定したマシンに対するアクセス権があるか確認してください。

%TMP%配下のファイルを削除しないよう注意してください。組み込みDBは通常，コマンドおよびデーモン実行時に作業用として使用する一時ファイルを，「組み込みDB運用ディレクトリ\tmp」の配下に作成します。しかし，環境変数TMPを設定してある場合は，一部の一時ファイルは%TMP%の配下に作成します。

$TMPDIR配下のファイルを削除しないよう注意してください。組み込みDBは通常，コマンドおよびデーモン実行時に作業用として使用する一時ファイルを，「組み込みDB運用ディレクトリ/tmp」の配下に作成します。しかし，環境変数$TMPDIRを設定してある場合は，一部の一時ファイルは$TMPDIRの配下に作成します。

組み込みDBをセットアップしたあと，chownコマンドでオーナーを変更しないでください。chownコマンドでオーナーを変更した場合，組み込みDBを起動できなくなることがあります。

組み込みDBを削除しても，次に示すディレクトリおよびファイルは自動では削除されません。必要に応じて，手動で削除してください。

• 組み込みDB運用ディレクトリ

• 組み込みDB運用ディレクトリ/conf

• 組み込みDB運用ディレクトリ/conf配下のファイル

JP1/AJS3 - Managerは，ajsembdbinstlコマンドに-v9standardオプションを指定して組み込みDBをセットアップした場合，次に示すディレクトリに，組み込みDBのパスを含むファイルを配置します。

Linuxの場合

/etc/init

HP-UX，SolarisまたはAIXの場合

/etc/inittab

このファイルは，手動で削除および編集しないでください。なお，JP1/AJS3または組み込みDBをアンインストールしたときに，ファイルがこれらのディレクトリから削除されます。ajsembdbinstlコマンドの詳細については，マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス　2. セットアップコマンド　ajsembdbinstl」を参照してください。

また，OSの起動モードがシングルユーザモードの場合，およびこれらのディレクトリの組み込みDBの処理より前の処理で時間が掛かっている場合は，組み込みDBのエントリが実行されず，組み込みDBおよびJP1/AJS3が正常に動作しないことがあります。

なお，ランレベルをシングルユーザモードに変更する場合は，JP1/AJS3および組み込みDBを停止したあと，ランレベルを変更してください。