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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


20.8.2 通信制御の環境設定パラメーターの詳細

通信制御の環境設定パラメーターの詳細について説明します。

なお,「デフォルト値」とは,環境設定パラメーターを省略した場合の仮定値です。

〈この項の構成〉

(1) ClientConnectTimeout(通信制御)

JP1/AJS3 - Agentに接続する場合などの通信接続タイムアウト値を指定します。

詳細については,「6.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(Windowsの場合)または「15.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(UNIXの場合)を参照してください。

形式

"ClientConnectTimeout"=dword:通信接続タイムアウト

指定できる値

16進数で000003E8〜05265C00(10進数で1,000〜86,400,000)(単位:ミリ秒)

デフォルト値

dword:00015F90(10進数で90,000)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項
  • 接続タイムアウトの値を小さくした場合,接続が完了する前にタイムアウトとなるため,TCP/IP通信の接続エラーが発生することがあります。

  • オペレーティングシステムの接続タイムアウト仕様とその設定によって,この環境設定パラメーターに設定した値より前に接続のタイムアウトが発生することがあります。

  • 10進数で86,400,000を超える値を指定した場合,統合トレースログにメッセージKAVS1518-Eが出力され,JP1/AJS3サービスは起動されません。

  • ジョブ配信遅延の軽減機能を使用する場合は,エージェント監視の環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEおよびジョブ実行環境の環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの説明も参照してください。

    環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEの詳細については,「20.12.2(2) AGMERRAGTSTATRESETTIME」を,環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの詳細については,「20.5.2(18) QueuingJobRecoveryTime」を参照してください。

なお,イベント・アクション制御マネージャーに設定したい場合は,「(a) イベント・アクション制御で設定する場合」を参照してください。

(a) イベント・アクション制御で設定する場合

イベント・アクション制御マネージャーに設定したい場合の,通信接続タイムアウト値の設定について説明します。

なお,イベント・アクション制御マネージャーに設定する場合は,定義キー[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST\NETWORK\EVMANAGER]または[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名\NETWORK\EVMANAGER]に指定してください。定義キー[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST\NETWORK]に指定した値は,イベント・アクション制御では無効です。

指定できる値

16進数で000003E8〜000927C0(10進数で1,000〜600,000)(単位:ミリ秒)

デフォルト値
  • Windowsの場合

    dword:00007530(10進数で30,000)

  • UNIXの場合

    dword:000003E8(10進数で1,000)

    JP1/AJS3の新規のインストール時および新規のセットアップ時に「dword:00002710」が設定されます。

推奨値
  • Windowsの場合

    運用環境に応じて設定してください。

  • UNIXの場合

    dword:00002710(10進数で10,000)

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項
  • イベント・アクション制御で設定する際,この環境設定パラメーターを省略した場合はデフォルト値が仮定されます。

  • 通信接続タイムアウト値の範囲外の値を,イベント・アクション制御で指定した場合,デフォルト値(Windowsの場合は10進数で30,000,UNIXの場合は10進数で1,000)が仮定されJP1/AJS3サービスは起動されます。

    ただし,10進数で86,400,000を超える値を指定した場合は,統合トレースログにメッセージKAVS1518-Eが出力され,JP1/AJS3サービスは起動されません。

  • イベント・アクション制御で設定する際,エージェント環境にこの環境設定パラメーターを設定する場合は,「20.6.2(25) ClientConnectTimeout(イベント・アクション制御)」を参照してください。

(2) ClientRetryInterval

JP1/AJS3 - Agentに接続する場合などのリモート通信接続タイムアウト時のリトライ間隔を指定します。この環境設定パラメーターは,イベント・アクション制御では無効です。

詳細については,「6.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(Windowsの場合)または「15.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(UNIXの場合)を参照してください。

形式

"ClientRetryInterval"=dword:通信接続リトライ間隔

指定できる値

16進数で00000000〜00015180(10進数で0〜86,400)(単位:秒)

デフォルト値

dword:00000014(10進数で20)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項
  • 10進数で86,400を超える値を指定した場合,統合トレースログにメッセージKAVS1518-Eが出力され,JP1/AJS3サービスは起動されません。

  • ジョブ配信遅延の軽減機能を使用する場合は,エージェント監視の環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEおよびジョブ実行環境の環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの説明も参照してください。

    環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEの詳細については,「20.12.2(2) AGMERRAGTSTATRESETTIME」を,環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの詳細については,「20.5.2(18) QueuingJobRecoveryTime」を参照してください。

(3) ClientRetryCount

JP1/AJS3 - Agentに接続する場合などのリモート通信接続タイムアウト時のリトライ回数を指定します。この環境設定パラメーターは,イベント・アクション制御では無効です。

詳細については,「6.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(Windowsの場合)または「15.2.8 TCP/IP通信接続エラーの接続タイムアウト時間・リトライ間隔・回数の変更」(UNIXの場合)を参照してください。

形式

"ClientRetryCount"=dword:通信接続リトライ回数

指定できる値

16進数で00000000〜7FFFFFFF(10進数で0〜2,147,483,647)(単位:回)

デフォルト値

dword:00000002(10進数で2)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項
  • 10進数で2,147,483,647を超える値を指定した場合,統合トレースログにメッセージKAVS1518-Eが出力され,JP1/AJS3サービスは起動されません。

  • ジョブ配信遅延の軽減機能を使用する場合は,エージェント監視の環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEおよびジョブ実行環境の環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの説明も参照してください。

    環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEの詳細については,「20.12.2(2) AGMERRAGTSTATRESETTIME」を,環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの詳細については,「20.5.2(18) QueuingJobRecoveryTime」を参照してください。

(4) ReduceStateTransitionDelay

ジョブの状態遷移遅延の軽減機能を使用するかどうかを設定します。

形式

"ReduceStateTransitionDelay"="{yes|no}"

指定できる値
yes

ジョブの状態遷移遅延の軽減機能を使用します。

no

ジョブの状態遷移遅延の軽減機能を使用しません。

デフォルト値

no

JP1/AJS3の新規インストール時に「no」が設定されます。

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービス起動時

(5) REDUCEUSEPORT

ジョブ実行時にスケジューラーサービスの内部通信で使用するポート数を削減するかどうかを設定します。

形式

"REDUCEUSEPORT"="{yes|no}"

指定できる値
yes

スケジューラーサービスの内部通信で使用するポート数を削減します。

no

従来の内部処理方式で動作します。スケジューラーサービスの内部通信で使用するポート数を削減しません。

デフォルト値

no

JP1/AJS3の新規インストール時に「yes」が設定されます。

推奨値

yes

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3の再起動後

(6) ResponseTimeout

マネージャーホストが実行エージェントからの通知に応答するときの,通信障害を検知するまでの時間を指定します。

通常,この値を変更する必要はありません。

形式

"ResponseTimeout"=dword:マネージャーホストが実行エージェントからの通知に応答するときの,通信障害を検知するまでの時間

指定できる値

16進数で00002710〜000927C0(10進数で10,000〜600,000)(単位:ミリ秒)

デフォルト値

dword:00002710(10進数で10,000)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービス起動時

注意事項
  • 環境設定パラメーターResponseTimeoutの値を大きくするにつれて,ジョブの状態遷移遅延の軽減効果は小さくなります。ただし,通信障害を検知するまでの時間が長くなるため,一時的な通信障害の回復を検知できることがあります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.6 ジョブの状態遷移遅延の軽減の検討」を参照してください。

  • 環境設定パラメーターResponseTimeoutは,環境設定パラメーターReduceStateTransitionDelayの指定値が「yes」のときに有効となります。