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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


17.2.6 クラスタソフトへの登録

クラスタソフトに設定する情報や,サービスの運用方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentの場合

使用するクラスタソフトに,論理ホストのJP1/AJS3サービスを登録してください。登録方法の詳細については,各クラスタソフトのドキュメントを参照してください。また,登録の際は,次の点に注意してください。

クラスタソフトへの登録に必要なJP1/AJS3の情報を次の表に示します。

表17‒4 クラスタソフトへの登録に必要なJP1/AJS3の情報

登録する機能

説明

起動

JP1/AJS3を起動します。

使用するコマンド

jajs_start.cluster

使用例

jajs_start.cluster 論理ホスト名

または

jajs_start.cluster 論理ホスト名 -HA

起動コマンドの終了タイミング

起動コマンドは,JP1/AJS3が起動するのを待って終了します。ただし,何らかの問題によってタイムアウト時間(標準60秒)を過ぎても起動処理が完了しない場合は,起動処理の途中でコマンドを終了します。この場合,起動処理は中断しないで処理を続けている状態のままコマンドを終了します。

起動コマンドの結果判定

JP1/AJS3を起動した結果は,後述する動作監視によって判定してください。

jajs_start.clusterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_start.cluster(UNIX限定)」を参照してください。

-HAオプションの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_spmd」を参照してください。

停止

JP1/AJS3を停止します。

使用するコマンド

jajs_stop.cluster

使用例

jajs_stop.cluster 論理ホスト名

停止コマンドの終了タイミング

停止コマンドは,JP1/AJS3が停止するのを待って終了します。ただし,何らかの問題によってタイムアウト時間(標準60秒)を過ぎても停止処理が完了しない場合は,停止処理の途中でコマンドを終了します。この場合,停止処理は中断しないで処理を続けている状態のままコマンドを終了します。

停止コマンドの結果判定

JP1/AJS3を停止した結果は,後述する動作監視によって判定してください。

jajs_stop.clusterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_stop.cluster(UNIX限定)」を参照してください。

動作監視

JP1/AJS3が正常に動作しているかどうかを監視します。

JP1/AJS3の障害時にフェールオーバーする必要がない場合,この機能は登録しません。

使用するコマンド

jajs_spmd_status

使用例

jajs_spmd_status -h 論理ホスト名

動作監視の結果判定

各戻り値の判定方法を次に示します。

戻り値=0(正常)

JP1/AJS3は正常に動作しています。

戻り値=1(エラー)

回復できないエラーが発生しました。異常と判定してください。

戻り値=4(一部停止)

JP1/AJS3の一部のプロセスが何らかの問題によって停止しています。異常と判定してください。

戻り値=8(すべて停止)

JP1/AJS3のプロセスが何らかの問題によって停止しています。異常と判定してください。

戻り値=12(状態確認エラー)

jajs_spmd_statusコマンドの状態確認処理でエラーが発生しました。一定回数を限度に,動作状態の確認をリトライしてください。

jajs_spmd_statusコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_spmd_status」を参照してください。

強制停止

JP1/AJS3を強制的に停止し,使用中のリソースを解放します。

使用するコマンド

jajs_killall.cluster

使用例

jajs_killall.cluster 論理ホスト名

jajs_killall.clusterコマンドを実行すると,JP1/AJS3の終了処理を一切しないで各プロセスを強制的に停止します。停止コマンドを実行しても処理が終了しないなど,問題が発生した場合に限って実行してください。

jajs_killall.clusterコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_killall.cluster(UNIX限定)」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 10.4.1 JP1/AJS3強制停止シェルスクリプト(jajs_killall.clusterコマンド)」を参照してください。

環境設定パラメーターの設定

回復できない障害によって組み込みDBサービスが停止状態になった場合,次の環境設定パラメーターを設定することで,JP1/AJS3のサービスを停止し,クラスタソフトによって障害を検知できます。

環境設定パラメーター

説明

"RDBCHECKINTERVAL"=

組み込みDBサービスとの接続を確認し,切断を検知したときにスケジューラーサービスを自動的に停止させます。

環境設定パラメーターの詳細については,「20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。

また,スケジューラーサービス環境の設定については,「14.2 環境設定パラメーターの設定」および「17.2.5 共通定義情報変更時の作業」を参照してください。

(2) JP1/AJS3 - Web Consoleの場合

使用するクラスタソフトに,JP1/AJS3 - Web Consoleのサービスを登録してください。登録方法の詳細については,各クラスタソフトのドキュメントを参照してください。登録する際は,次の点に注意してください。

クラスタソフトへの登録に必要なJP1/AJS3 - Web Consoleの情報を次の表に示します。

表17‒5 クラスタソフトへの登録に必要なJP1/AJS3 - Web Consoleの情報

登録する機能

説明

起動

JP1/AJS3 - Web Consoleを起動します。

使用するコマンド

/etc/opt/jp1ajs3web/jajs_web

起動するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できる状態になったあとになります。

jajs_webコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_web(Linux限定)」を参照してください。

停止

JP1/AJS3 - Web Consoleを停止します。

使用するコマンド

/etc/opt/jp1ajs3web/jajs_web_stop

停止するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できない状態になる前になります。

jajs_web_stopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jajs_web_stop(Linux限定)」を参照してください。

動作監視

JP1/AJS3 - Web Consoleが異常終了していないかどうか,psコマンドを使用してプロセスの有無で確認します。

psコマンドの使用例

ps -ef | grep "監視対象のプロセス" | grep -v "grep"

監視対象のプロセスを次に示します。

  • JP1/AJS3 HTTP Serverサービス

    /opt/jp1ajs3web/uCPSB/httpsd/sbin/httpsd

  • JP1/AJS3 Web Application Serverサービス

    /opt/jp1ajs3web/uCPSB/CC/server/bin/cjstartsv ajs3web

強制停止

停止と同じです。