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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


4.4.3 アクションジョブに関する環境設定について検討する

アクションジョブを実行する場合に,オプションとして設定できる項目について説明します。運用する環境に合わせて設定を検討してください。

〈この項の構成〉

(1) メール送信ジョブでのメール送信方法

Windowsでメール送信ジョブを使用する場合,次の二つの方法から選択できます。

それぞれの長所と短所を,次の表に示します。

表4‒8 Outlookを使用しないメール送信ジョブとOutlookを使用したメール送信ジョブの長所と短所

方法

長所

短所

Outlookを使用しない

Outlookを準備しないでメールを送信できる

  • メールの送信結果をメールソフトで確認できない(送信結果はメール送信ジョブの実行結果で確認する)

  • メール配信時刻の指定ができない

  • メールの開封通知を受信できない

Outlookを使用する

  • メールの送信結果をOutlookで確認できる

  • Outlookのオプションによってメール配信時刻を指定できる

  • Outlookのオプションによってメールの開封通知を受信できる

Outlookを準備する必要がある

同一ホスト内では,Outlookを使用しない方法と,使用する方法は混在できません。運用に応じて,どちらかを選択してください。

注意事項

Outlookを使用しないでメールを送信する場合,実行先エージェントには,10-00以降のJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS3 - Agentがインストールされている必要があります。

メールシステム連携の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2. メールシステムとの連携」を参照してください。

Outlookを使用しない場合と使用する場合の相違点を,次に示します。

表4‒9 Outlookを使用しない場合と使用する場合の相違点

項番

項目

Outlookを使用しない場合

Outlookを使用する場合

1

メールシステム

SMTP※1

Exchange ServerまたはSMTP/POP3

2

メールを送信する論理ホスト

複数の論理ホストでメールを送信できる。

どれか一つの論理ホストからだけ送信できる。

3

宛先への表示名・エイリアスの指定

できない。

Outlookおよびメールシステムに従う。

4

メッセージの自動折り返し

できない。

環境設定パラメーターWrapTextWithOutlookOptionに「Y」を指定している場合は,Outlookのオプションの折り返しの設定に従う。※2

5

メールを受信者に配信する時刻の指定

できない。

Outlookのオプションの配信時刻の設定に従う。

6

メールの開封通知(送信済みメールが受信者によって開封されると開封通知メールが送信される指定)

できない。

Outlookのオプションの開封通知の設定に従う。

7

メールの再送

メール送信ジョブを再実行する。

Outlookを使用して,再度メールを送信する。

8

送信済みのメール確認

メール送信ジョブの実行結果を確認する。

Outlookの送信トレイおよび送信済みアイテムを確認する。

9

件名を指定しないメールの送信

スペース1文字を件名として,メールが送信される。

Outlookに従う。

10

10メガバイトを超える添付ファイル

メールサーバの上限サイズに依存する。ただし,上限として10メガバイトを推奨。

Outlookに従う。

11

宛先の文字列のサイズの上限

256バイトまで以内の文字列で指定できる。

バイト数が256バイト以内で,かつ文字数が255文字以内の文字列で指定できる。

文字数が256文字以上の宛先を指定した場合は,255文字目までが宛先と見なされる。

12

件名の文字列のサイズの上限

256バイトまで以内の文字列で指定できる。

バイト数が256バイト以内で,かつ文字数が255文字以内の文字列で指定できる。

文字数が256文字以上の件名を指定した場合は,255文字目までが件名と見なされる。

注※1

認証方式には,POP before SMTP,SMTP-AUTH PLAIN,またはSMTP-AUTH LOGINを指定できます。認証方式でPOP before SMTPを使用する場合は,POP3も必要です。

注※2

環境設定パラメーターWrapTextWithOutlookOptionの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド 2. メールシステムとの連携」を参照してください。