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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


3.4.9 ジョブ実行結果ログファイルおよびイベントジョブ実行結果ログファイルのサイズを見積もる

ここでは,ジョブ実行結果ログファイルおよびイベントジョブ実行結果ログファイルのサイズの見積もり方法,およびサイズの変更に必要な環境設定パラメーターについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) ジョブ実行結果ログファイルのサイズの見積もり方法

ジョブ実行結果ログファイルは,通信障害などでマネージャーホスト側からエージェントホストでのジョブの実行状態がわからなくなった場合に,エージェントホスト側でジョブの実行状態を確認できるログファイルです。

ジョブ実行結果ログファイルに出力されるメッセージは,1日に実行するジョブの数が30,000ジョブ程度であれば,デフォルトの設定で7日程度保存できます。

1日に実行するジョブの数が30,000ジョブよりも少ない場合や,マネージャーホストで障害が発生してからジョブ実行結果ログファイルを採取するまでの期間が短い場合は,ログファイルのサイズを見積もる必要はありません。デフォルトのサイズで使用できます。

1日に実行するジョブの数が30,000ジョブを大きく超える場合や,ジョブ実行結果ログファイルを採取するまでの期間が長い場合は,ログファイルのサイズを見積もることを推奨します。

ジョブ実行結果ログファイルのサイズの見積もり式を次に示します。

適切なジョブ実行結果ログファイルの容量(単位:バイト)= 
9001日に実行されるジョブ数保存日数

注※ 1ジョブ当たりのメッセージ出力量。

(例)

1日のジョブ実行数が100,000ジョブで,10日分のログを保存する場合

900*100,000*10 = 900,000,000バイト(878,906キロバイト)

ジョブ実行結果ログファイルのサイズは,ログファイルの面数とあわせて決定します。見積もった値は,jajs_configコマンドを使用して定義します。

(2) ジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧」で説明している環境設定パラメーターについて次のコマンドを実行して設定したあと,JP1/AJS3を再起動してください。

jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]

(2) ジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧

ジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーターの一覧を次に示します。

表3‒35 ジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧

項番

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

対象OS

対象製品

1

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1NBQAGENT\Log]

"JOBEXECRESULTLOG"=

ジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容

Windows

UNIX

M,A,ME

2

"JOBEXECRESULTLOGPATH"=

ジョブ実行結果ログファイル格納用ディレクトリ名

Windows

UNIX

M,A,ME

3

"JOBEXECRESULTLOGSIZE"=

ジョブ実行結果ログファイルのサイズ

Windows

UNIX

M,A,ME

4

"JOBEXECRESULTLOGCOUNT"=

ジョブ実行結果ログファイルの面数

Windows

UNIX

M,A,ME

(凡例)

M:JP1/AJS3 - Manager

A:JP1/AJS3 - Agent

ME:JP1/AJS3 - Agent Minimal Edition

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(a) JOBEXECRESULTLOG

ジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容を指定します。

形式

"JOBEXECRESULTLOG"=dword:ジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容

指定できる値
0

ジョブ実行結果ログファイルにメッセージを出力しません。

1

ジョブ実行結果ログファイルに次の情報を含むメッセージを出力します。

  • ユニット完全名

  • 実行ID

  • マネージャーホスト名

  • ジョブ番号

  • プロセスID

  • 終了コード

  • 終了状態

注※ サブミットジョブの実行時は,環境変数JP1JobNameの値が出力されます。

2

1」を指定したときに出力する情報に加え,次の情報を含むメッセージをジョブ実行結果ログファイルに出力します。

  • 実行ファイル名(スクリプトファイル名)

  • コマンド文(UNIX限定)

  • パラメーター

  • JP1ユーザー名

  • 実行時のOSユーザー

注※ アクションジョブ,HTTP接続ジョブ,および引き継ぎ情報設定ジョブの実行時は,ジョブ種別が出力されます。

デフォルト値

0

JP1/AJS3の新規のインストール時に「2」が設定されます。

推奨値

2

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

(b) JOBEXECRESULTLOGPATH

ジョブ実行結果ログファイルを格納するディレクトリの名称をフルパスで指定します。環境設定パラメーターJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効となります。

形式

"JOBEXECRESULTLOGPATH"="ジョブ実行結果ログファイル格納用ディレクトリ名"

指定できる値

210バイト以内の文字列

デフォルト値
Windowsで,インストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
  • 物理ホストのとき

    %ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2\log

    %ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。

    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。

    ・「システムドライブ\Windows」配下

    ・「システムドライブ\Program Files」配下

    ・「システムドライブ\Program Files (x86)」配下

  • 論理ホストのとき

    共有フォルダ\jp1ajs2\log

Windowsで,インストール先フォルダが上記以外の場合
  • 物理ホストのとき

    JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log

  • 論理ホストのとき

    共有フォルダ\jp1ajs2\log

UNIXの場合
  • 物理ホストのとき

    /var/opt/jp1ajs2/log

  • 論理ホストのとき

    共有ディレクトリ/jp1ajs2/log

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

この環境設定パラメーターで指定したフォルダの配下に,jobexecresultフォルダが作成されます。jobexecresultフォルダにジョブ実行結果ログファイルが格納されます。

ジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

ジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更する手順を次に示します。

  1. 変更対象の物理ホストまたは論理ホストのJP1/AJS3サービスを停止する。

  2. 必要に応じて,ジョブ実行結果ログファイル(ajsjobexecresult{1|2|3|...|n}.log)をバックアップする。

    ジョブ実行結果ログファイルの格納先については,環境設定パラメーターJOBEXECRESULTLOGPATHの説明を参照してください。

  3. ジョブ実行結果ログファイルをすべて削除する。

  4. ジョブ実行結果ログファイルの管理ファイル(ajsjobexecresult.mm)を削除する。

    ジョブ実行結果ログファイルの管理ファイルは,ジョブ実行結果ログファイルの格納先配下の「mmap」フォルダに格納されています。

  5. 環境設定パラメーターの値を変更する。

  6. 手順1で停止したJP1/AJS3サービスを起動する。

(c) JOBEXECRESULTLOGSIZE

ジョブ実行結果ログファイルのサイズを指定します。環境設定パラメーターJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効になります。

形式

"JOBEXECRESULTLOGSIZE"=dword:ジョブ実行結果ログファイルサイズ

指定できる値

16進数で00000400〜00004000(10進数で1,024〜16,384)(単位:キロバイト)

デフォルト値

dword:00004000(10進数で16,384)

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

ジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

詳細については「(b) JOBEXECRESULTLOGPATH」の注意事項を参照してください。

(d) JOBEXECRESULTLOGCOUNT

ジョブ実行結果ログファイルの面数を指定します。環境設定パラメーターJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効になります。

形式

"JOBEXECRESULTLOGCOUNT"=dword:ジョブ実行結果ログファイル面数

指定できる値

16進数で00000001〜00000040(10進数1〜64)

デフォルト値

dword:0000000C(10進数で12)

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

ジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

詳細については「(b) JOBEXECRESULTLOGPATH」の注意事項を参照してください。

(3) イベントジョブ実行結果ログファイルのサイズの見積もり方法

イベントジョブ実行結果ログファイルは,通信障害などでマネージャーホスト側からエージェントホストでのイベントジョブの実行状態がわからなくなった場合に,エージェントホスト側でイベントジョブの実行状態が確認できるログファイルです。

イベントジョブ実行結果ログファイルに出力されるメッセージは,1日に実行するイベントジョブの数が24,000ジョブ程度であれば,デフォルトの設定で7日程度保存できます。

1日に実行するイベントジョブの数が24,000ジョブよりも少ない場合や,マネージャーホストで障害が発生してからイベントジョブ実行結果ログファイルを採取するまでの期間が短い場合は,ログファイルのサイズを見積もる必要はありません。デフォルトのサイズで使用できます。

1日に実行するイベントジョブの数が24,000ジョブを大きく超える場合や,イベントジョブ実行結果ログファイルを採取するまでの期間が長い場合は,ログファイルのサイズを見積もることを推奨します。

イベントジョブ実行結果ログファイルのサイズの見積もり式を次に示します。

適切なイベントジョブ実行結果ログファイルの容量(単位:バイト)= 
4001日に実行されるイベントジョブ数保存日数

注※ 1ジョブ当たりのメッセージ出力量。

(例)

1日のイベントジョブ実行数が24,000ジョブで,10日分のログを保存する場合

400*24,000*10 = 96,000,000バイト(93,750キロバイト)

イベントジョブ実行結果ログファイルのサイズは,ログファイルの面数とあわせて決定します。見積もった値は,jajs_configコマンドを使用して定義します。

(4) イベントジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧」で説明している環境設定パラメーターについて次のコマンドを実行して設定したあと,JP1/AJS3を再起動してください。

jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容["環境設定パラメーター名2"=定義内容2]

(4) イベントジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧

イベントジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーターの一覧を次に示します。

表3‒36 イベントジョブ実行結果ログファイルの環境設定パラメーター一覧

項番

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

対象OS

対象製品

1

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AOMAGENT\Log]

"EVJOBEXECRESULTLOG"=

イベントジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容

Windows

UNIX

M,A,ME

2

"EVJOBEXECRESULTLOGPATH"=

イベントジョブ実行結果ログファイル格納用ディレクトリ名

Windows

UNIX

M,A,ME

3

"EVJOBEXECRESULTLOGSIZE"=

イベントジョブ実行結果ログファイルのサイズ

Windows

UNIX

M,A,ME

4

"EVJOBEXECRESULTLOGCOUNT"=

イベントジョブ実行結果ログファイルの面数

Windows

UNIX

M,A,ME

(凡例)

M:JP1/AJS3 - Manager

A:JP1/AJS3 - Agent

ME:JP1/AJS3 - Agent Minimal Edition

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(a) EVJOBEXECRESULTLOG

イベントジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容を指定します。

形式

"EVJOBEXECRESULTLOG"=dword:イベントジョブ実行結果ログファイルのメッセージ出力内容

指定できる値
0

イベントジョブ実行結果ログファイルにメッセージを出力しません。

1

イベントジョブ実行結果ログファイルに次の情報を含むメッセージを出力します。

  • スケジューラーサービス名

  • ユニットID

  • 実行ID

  • マネージャーホスト名

  • 終了コード

  • 終了状態

2

1」を指定したときに出力する情報に加え,次の情報を含むメッセージをイベントジョブ実行結果ログファイルに出力します。

  • ジョブ種別

デフォルト値

0

JP1/AJS3の新規のインストール時に「2」が設定されます。

推奨値

2

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

(b) EVJOBEXECRESULTLOGPATH

イベントジョブ実行結果ログファイルを格納するディレクトリの名称をフルパスで指定します。環境設定パラメーターEVJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効となります。

形式

"EVJOBEXECRESULTLOGPATH"="イベントジョブ実行結果ログファイル格納用ディレクトリ名"

指定できる値

210バイト以内の文字列

デフォルト値
Windowsで,インストール先フォルダがデフォルトまたはシステムで保護されたフォルダ配下の場合
  • 物理ホストのとき

    %ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2\log

    %ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。

    「システムで保護されたフォルダ」とは,次のパスを指します。

    ・「システムドライブ\Windows」配下

    ・「システムドライブ\Program Files」配下

    ・「システムドライブ\Program Files (x86)」配下

  • 論理ホストのとき

    共有フォルダ\jp1ajs2\log

Windowsで,インストール先フォルダが上記以外の場合
  • 物理ホストのとき

    JP1/AJS3のインストール先フォルダ\log

  • 論理ホストのとき

    共有フォルダ\jp1ajs2\log

UNIXの場合
  • 物理ホストのとき

    /var/opt/jp1ajs2/log

  • 論理ホストのとき

    共有ディレクトリ/jp1ajs2/log

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

この環境設定パラメーターで指定したフォルダの配下に,evjobexecresultフォルダが作成されます。evjobexecresultフォルダにイベントジョブ実行結果ログファイルが格納されます。

イベントジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

イベントジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更する手順を次に示します。

  1. 変更対象の物理ホストまたは論理ホストのJP1/AJS3サービスを停止する。

  2. 必要に応じて,イベントジョブ実行結果ログファイル(ajsevjobexecresult{1|2|3|...|n}.log)をバックアップする。

    イベントジョブ実行結果ログファイルの格納先については,環境設定パラメーターEVJOBEXECRESULTLOGPATHの説明を参照してください。

  3. イベントジョブ実行結果ログファイルをすべて削除する。

  4. イベントジョブ実行結果ログファイルの管理ファイル(ajsevjobexecresult.mm)を削除する。

    イベントジョブ実行結果ログファイルの管理ファイルは,イベントジョブ実行結果ログファイルの格納先配下の「mmap」フォルダに格納されています。

  5. 環境設定パラメーターの値を変更する。

  6. 手順1で停止したJP1/AJS3サービスを起動する。

(c) EVJOBEXECRESULTLOGSIZE

イベントジョブ実行結果ログファイルのサイズを指定します。環境設定パラメーターEVJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効になります。

形式

"EVJOBEXECRESULTLOGSIZE"=dword:イベントジョブ実行結果ログファイルサイズ

指定できる値

16進数で00000400〜00004000(10進数で1,024〜16,384)(単位:キロバイト)

デフォルト値

dword:00004000(10進数で16,384)

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

イベントジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

詳細については「(b) EVJOBEXECRESULTLOGPATH」の注意事項を参照してください。

(d) EVJOBEXECRESULTLOGCOUNT

イベントジョブ実行結果ログファイルの面数を指定します。環境設定パラメーターEVJOBEXECRESULTLOGに「1」または「2」を指定した場合に有効になります。

形式

"JOBEXECRESULTLOGCOUNT"=dword:イベントジョブ実行結果ログファイル面数

指定できる値

16進数で00000001〜00000040(10進数1〜64)

デフォルト値

dword:00000004(10進数で4)

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

JP1/AJS3サービスの起動時

注意事項

イベントジョブ実行結果ログファイルのパス,サイズまたは面数を変更するには,環境設定パラメーターを変更する前に,ログファイルおよび管理ファイルを削除する必要があります。削除しないと,変更後の値が反映されません。

詳細については「(b) EVJOBEXECRESULTLOGPATH」の注意事項を参照してください。