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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


3.4.2 スケジューラートレースログファイルのサイズを見積もる

スケジューラートレースログファイルのサイズの見積もりについて説明します。

スケジューラートレースログには2種類あり,それぞれ次のトレース情報が出力されます。

共通のスケジューラートレースログは,環境設定パラメーターTRACELOGFILEで指定したファイルに出力されます。

スケジューラーサービス単位のトレースログの出力先は,環境設定パラメーターTRACELOGDIVで指定した値によって異なります。

出力先のデフォルト値など,環境設定パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。

スケジューラートレースログのサイズは,初期状態では1ファイル当たり20メガバイト(20,480キロバイト)が設定されています。これは,約2,000個のジョブを実行したときのトレースログを保存できるサイズです。

必要となるスケジューラートレースログファイルのサイズは,ジョブネットの構造やJP1/AJS3 - Viewの接続数,操作内容によって大きく異なります。また,環境設定パラメーターTRACELOGDIVの設定によって出力先も変わります。スケジューラートレースログファイルのサイズは次のように見積もり,必要に応じて拡張してください。

なお,スケジューラートレースログファイルのサイズは,ajstrsetszコマンドで拡張できます。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajstrsetsz」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 環境設定パラメーターTRACELOGDIVに「yes」を指定している場合

環境設定パラメーターTRACELOGDIVに「yes」を指定している場合,次のようにファイルサイズを見積もってください。

注※1

コマンドおよびJP1/AJS3 - Viewからの,ユニットに対する操作が対象です。

注※2

問題が発生してから資料採取できるまでの日数を指定します。

注※3

スケジューラーサービスごとにサイズを見積もってください。

(例)

1日分のトレースログを保存する場合(スケジューラーサービスが一つの物理ホストだけを対象)

  • 1日に3,000個のジョブが実行される。

  • 保留解除などのコマンドを1日500回実行する。

適切なトレースログファイル容量(環境設定パラメーターTRACELOGFILEで指定したファイルのサイズ)

3,072*(500 / 1,000)*1*1.5*1

= 2,304キロバイト

適切なトレースログファイル容量(環境設定パラメーターTRACELOGDIVDIRで指定したディレクトリ配下に作成されるファイルのサイズ)

3,072*3,000 / 500*1.5*1

= 27,648キロバイト

(2) 環境設定パラメーターTRACELOGDIVに「no」を指定している場合

(1) 環境設定パラメーターTRACELOGDIVに「yes」を指定している場合」の,共通のスケジューラートレースログの見積もり式と,スケジューラーサービス単位のスケジューラートレースログの見積もり式で算出したサイズの合計が,適切なトレースログファイル容量となります。

(例)

1日分のトレースログを保存する場合(スケジューラーサービスが一つの物理ホストだけを対象)

  • 1日に3,000個のジョブが実行される。

  • 保留解除などのコマンドを1日500回実行する。

共通のスケジューラートレースログ

3,072*(500 / 1,000)*1*1.5*1

= 2,304キロバイト

スケジューラーサービス単位のスケジューラートレースログ

3,072*3,000 / 500*1.5*1

= 27,648キロバイト

適切なトレースログファイル容量(環境設定パラメーターTRACELOGFILEで指定したファイルのサイズ)

2,304+27,648

= 29,952キロバイト