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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


5.1.4 デフォルト実行エージェント

一つのマネージャーホストには,自ホストをエージェントホストとしたエージェント情報が,デフォルトの実行エージェントとして一つ定義されています。この実行エージェントをデフォルト実行エージェントといいます。

デフォルト実行エージェントに定義されている内容を次の表に示します。

表5‒1 デフォルト実行エージェントに定義されている内容

項目

内容

実行エージェント

@SYSTEM

実行ホスト

マネージャーホスト名

ジョブ実行多重度

5(00:00-00:00=5)

配信状態

有効

説明文

(設定なし)

ジョブを自ホストで実行する場合は,このデフォルト実行エージェントを使用します。ユニットの実行エージェントとしてデフォルト実行エージェントを指定するには,ユニット定義の実行エージェントに「@SYSTEM」を指定するか,または実行エージェントの指定を省略します。デフォルト実行エージェントを使用することで,ユニット定義を他マネージャーホストに移行した場合でも,ユニット定義を修正しないで移行先のホストでジョブを実行でき,ユニット定義の移植性を向上させることができます。

注意事項

ユニット定義の実行エージェントに自ホスト名を指定してジョブを実行させる場合は,デフォルト実行エージェントとは別に,自ホスト名と同じ名称の実行エージェントを追加しておく必要があります。実行エージェントを追加するには,ajsagtaddコマンドを使用します。ajsagtaddコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtadd」を参照してください。

また,自ホスト名と同じ名称の実行エージェントを追加した場合は,実行エージェントに定義するジョブ実行多重度の設定についても注意が必要です。実行エージェントに設定しているジョブ実行多重度は,実行エージェント単位に適用されます。例えば,ジョブ実行多重度を「00:00-00:00=10」(終日,ジョブ実行多重度は10)としている自ホスト名の実行エージェントを追加している場合,デフォルト実行エージェントのジョブ実行多重度が「00:00-00:00=5」(終日,ジョブ実行多重度は5)であるため,最大で15のジョブが多重に実行されることがあります。

デフォルト実行エージェントに定義されている内容を変更するには,実行エージェントの運用に使用するコマンドを使用します。また,Web GUIから実行エージェントを操作することもできます。実行エージェントの運用に使用するコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 1.5.5 実行エージェントの運用に使用するコマンド」を参照してください。ただし,実行エージェントの運用に使用するコマンドには,デフォルト実行エージェントに対して実行できない機能があります。デフォルト実行エージェントへの操作可否を次の表に示します。

表5‒2 実行エージェントの運用に使用するコマンドのデフォルト実行エージェントへの操作可否

コマンド名

機能

操作可否

ajsagtaddコマンド

実行エージェントグループを追加するときに接続先実行エージェントとして定義

デフォルト実行エージェントの追加

×

ajsagtaltコマンド

実行ホストの変更

×

ジョブ実行多重度の変更

配信状態の変更

実行エージェントグループの接続先実行エージェントとして追加

実行エージェントグループに接続されている場合,接続先実行エージェントから解除

実行エージェントグループに接続されている場合,優先順位の変更

ajsagtdelコマンド

デフォルト実行エージェントの削除

×

ajsagtshowコマンド

デフォルト実行エージェントの,ジョブ実行状態などの情報の表示

ajsagtprintコマンド

デフォルト実行エージェントの定義情報の出力

(凡例)

○:操作できる

×:操作できない